レコード寄席覚え書き「秋」

recordaki

レコード寄席覚え書き「秋」 ¥1260

 高円寺の円盤店主、田口史人氏が、生活の中で生まれたレコードを紹介するトークイベント「レコード寄席」のための覚え書きをまとめた四部作の第3集。

 かつて人は音楽だけでなく、取扱い説明書から企業PRから何から何までレコードにおさめた。ミリオンセラーは人に例えるなら有名人かもしれないが、ご当地モノや企業モノなんていうのは近所のおっさんのようなもので、つき合ってみるとなるほど味わい深いけど、それは縁とタイミングに導かれ、つきあってこそわかる面白さで、万人がすぐに心動かされるものとは言えない。
 それでも、席亭・田口氏が、そうしたレコードを紹介すするのは、人に歴史があるように、どんなレコードにも出自の背景があり、それがいろいろな人と繋がっていることに気づかされながら、いつしかレコードの海原を航海してしまうように、何げないレコードをきっかけに小宇宙が広がることもあることを、田口史人の実例で感じとっていただきたいから。

 今回は各地ご当地盤から日系人たちが彼の地で残した望郷の音、そしてローカル盤天国沖縄のレコード世界を探訪します。アートな島になる前の直島の一島民によっておこされたスタジオからリリースされた音源物語、アメリカを中心とした日系人サウンドなどなど、そこから人々の暮らしまでもが見えてきます。
A5判62P CDRつき