カテゴリー別アーカイブ: 書籍

坂口尚「12色物語」

坂口尚「12色物語」(マンガ作品保存会)¥10000+税

1995年、49才の若さで逝去した漫画家・坂口尚の名作短編集「 12色物語」の新装復刻本。

緑のイメージから「生」をテーマに描かれた『朝凪』、白のイメージから孤高の芸術家魂を記した『雪の道』、黄のイメージから牧歌的で軽やかな恋を顕わした『ひまわり畑』など、12の色からイメージする、様々な人々、さまざまな国を舞台に紡がれる連作漫画。
坂口尚の圧倒的な画力、豊かな詩情、緻密な構成力をご堪能ください。

●坂口尚
高校在学中の1963年に虫プロダクションへ入社。
アニメーション作品『鉄腕アトム』『ジャングル大帝』『リボンの騎士』等で動画、原画、演出を担当した後フリーとなり
69年に漫画雑誌『COM』にて『おさらばしろ!』で漫画家デビュー。70年代後半の漫画界における”ニューウェーブ”の潮流の先駆的存在として活躍。24時間テレビのスペシャルアニメ『100万年地球の旅 バンダーブック』『フウムーン』等で、作画監督、設定デザイン、演出等を担当。
1980〜90年代に『石の花』『VERSION』『あっかんべェ一休』の長編3部作を発表した。

A5判 300部限定

本作を創作する際に作家がプロットや構成などをメモしたり、キャラクターの下描きをした創作ノートから構成した冊子「12色物語 創作ノート」、2016年の展覧会の展示作品に解説などを付したカタログ「はじめての坂口尚展」もございます。

沼田学「築地魚河岸ブルース」

沼田学「築地魚河岸ブルース」(東京キララ社)¥2000+税

移転問題で注目される築地市場。
撮影に通ううちに、そこで働く人たちの人生が刻み込まれた沢山のいい顔に魅了され、その姿と表情を撮るベストアングルを見つけた沼田学。
働く人たちにとって馴染みの景色の一部になるべく、同じ時間に同じ場所に撮影機材をセッティングをし、カメラを構え、撮った写真をご本人に贈るうちに、構えず飾らぬ姿を写すようにーー。
それらの写真を集めての展覧会「魚河岸ブルース」が好評を博し単行本化が実現しました。
巻頭テキスト: 戌井昭人

A5判144pages

沼田学(ぬまたまなぶ)

1972年北海道生まれ。早稲田大学商学部卒。写真ワークショップコルプス修了。 雑誌編集やデザイン、音楽に興味がある学生時代を過ごし、たまたま授業の課題で扱うことになった写真に出会う。同時期に森山大道・倉田精二に影響を受け、以降写真ばかりを撮るようになる。
その後、ロックバンドのローディー、ライブフォトグラファー、肉体労働、アシスタントをなどを経験、思い切り遠回りして2003年独立。雑誌、書籍、広告、web、ムービーなどを中心にアンダーグラウンドな文化をドキュメントすることに軸足をおき、幅ひろく活躍している。
歌舞伎町のホストクラブを取材したシリーズ 「指名アリ」はCNNで特集され好評を得る。続く花街を取材したシリーズ 「赤線」は写真キュレーションサイト、フラクションマガジンで特集される。
現在は明治時代の写真術に影響を受けた技法で市井の人たちの一風変わったポートレートを撮るシリーズ「界面をなぞる」はアサヒカメラ2014年11月号ポートレート特集に掲載。展覧会は東京スポーツでとりあげられる。

梁丞佑 写真集「人」

梁丞佑「人」(Zen foto gallery)¥4630+税

梁丞佑による土門拳賞受賞後最初の作品集「人」は横浜寿町を舞台にした人々がテーマ。
受賞作の「新宿迷子」同様に、自身が街に飛び込み、路上の住人となり人々と交わる中で、その自然な姿、あるいは普段みせない表情を捉えています。

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神奈川県横浜市寿町。
横浜中華街から10分ほど歩いた所に存在する。
最初は話に聞いて何の気なしに訪れた。
いろんな国の言葉が聞こえ、さらに私が思っている日本像とはあまりに違う街の様子に「ここは日本ではない」と感じた。

撮りたいと強く思い、この街に通いつめるわけだが、しばらくは「ただ、見ていた」。隠し撮りをするという方法もあったのだが、それではなんだか気がとがめ、彼らと交わりたいと思った。
とりあえず、道に座って酒を飲んでみた。
彼らは私が煙草の吸殻を灰皿に捨てたら「変な奴だ」と言った。言葉も乱暴。しかし「分け合う」ことを知っていた。生活は貧しくても心は豊かであるように感じた。

こうして彼らと過ごす事3ヶ月。やっと、私に1人が聞いた。
「お前は何をやっている人間なんだ」と。
仕事もせずに日がな一日道に座っている事を、やっと奇妙に思ってくれたのだ。
満を持して私は言った。
「写真しています」と。そこから私の撮影が始まった。

ぎりぎりで、這いつくばるような、そうかと思えば、すでに全てを超え浮遊しているような、悲しさや寂しさ辛さとともに、幸せも楽しみも、悪意も善意も。
手に取るように感じられた。
「人が生きるということは…」
そう問われているように感じた。

ある日、コインランドリーの入り口で雨宿りをしていた一人の中年男性がいた。血だらけだった。「どうしたの?」と聞いたら、その男性は私の目を見て、
「だるまさんが転んだ…」とだけ繰り返した。温かいお茶を差し出したら、
「ありがとう」と言って、ただ握っていた。私がいるときには、飲まなかった。

日本には「だるまさんが転んだ」という遊びがある。
鬼が「だるまさんが転んだ」といって振り返ると、鬼に向かって近づいて来ていた人達は、動きを止める。もし動いている事がばれると、自分もまた鬼になる。

オレに構うな。

「だるまさんが転んだ」

もしかするとそういう事だったのかもしれないと今になって思う。

2017年現在、寿町は他のドヤ街と同じく以前の姿は消え、高齢化が進み、街の「境界」は曖昧になり他の街となじみつつある。

これらの写真は、2002年から2017年まで寿町で撮影したものです。  ーーー梁丞佑

profile
梁丞佑(Yang Seungwoo)
韓国出身。96年に来日、日本写真芸術専門学校、東京工芸大学芸術学部写真学科、
同大学院芸術学研究科メディアアートを修了。在学中より写真家として活動を開始し、2003年の在学中に米国International Photography Awards Other Photojournalism Section入賞。2008年にはキャノン写真新世紀佳作入選、2009年に東京都美術館にて開催された第34回「視点」への出品など、対象に深く入り込むスタイルを貫き、国内外で評価を得ています。
2017年土門拳賞受賞。

A4判112pages English/Japanese

池田ハル 初単行本「裸のアヌーシュカ」

池田ハル「裸のアヌーシュカ」(青林工藝舎)¥1800+税

女の子をモチーフに、イラストレーターとして活動していた池田ハルが、2003年の「第五回アックスマンガ新人賞」の古屋兎丸個人賞受賞をきっかけに漫画を描きはじめ、10数年がかりで完成させた作品集、初漫画単行本!
連載分を大幅に加筆修正し、52ページの描きおろしを加えての完成版です。

作者が大好きなゴダールの「気狂いピエロ」の中のアンナ・カリーナを下敷きにしたモチーフやオマージュ、インスパイアされた物語が詰め込まれています。一般的な漫画のコマ割りとは違った、イラストブックのような構成もところどころにあり鉛筆で描かれたタッチが味わい深いです。

A5判212pages 初版300部でエディション入り。
タコシェでお求め分にはサインと特典のポストカードがつきます!!

発売記念の個展をパールブックショップ&ギャラリーさんで7/23まで開催。

石川次郎 Jirô ISHIKAWA「C’est comme ça」

石川次郎 Jirô ISHIKAWA「C’est comme ça」(Editions Matiere) ¥2130+税

2017年5月、横山裕一をはじめグラフックなコミックを発行するフランスのEditions Matiereから出た作品集。2009年にタコシェで発行した「GIRO」に次ぐ作品集で、新作「東京の夜」を含む9短編を収録。

仏訳は、夢野久作や内田百閒などの文学作品から児童文学、コミックまで手がけるパトリック・オノレ。

収録作品
PAPER ROOM
プリティ・ラブ
ふつう(NORMAL)
パール(PERLE)
誇大えすい〜X(SeXXXL)
チンコマン (L’HOMME-BITE)
乞食志願(UN FUTUR CLODO)
東京の夜(NUIT DE TOKYO)
なにしにきたんだっけ(QU’EST-CE QUD JE FOUS LA?)
●作家インタビュー

手描きとは思えない美しい描線の石川次郎作品のタッチを忠実に再現しながら、擬音などの描き文字も、シーンにあわせて作家の描き文字に沿わせてフランス語をルビ的に配置したり、別途、文字を作ってあてはめたりと、丁寧な作業でグラフィック美と原作の持ち味を最大限に発揮しています。

表紙もモノクロ画を独自に彩色、蛍光ピンクと金の描線が美しく、見返しも蛍光ピンクと金です。

15×21cm 168pages