写真集」カテゴリーアーカイブ

ミヤタケイコ「今日のアマビエ様画像」

ミヤタケイコ[今日のアマビエ様画像」¥1000+tax

2020年3月〜5月のステイホーム期間、仕事に集中できずにいた、ぬいぐるみアーティストミヤタケイコは、ネットにも出まわった古文書のアマビエ像の立体化を試み、ぬいぐるみを制作。
連日、そのアマビエ様を、自宅の庭やアトリエ、限られた外出先で撮影し、SNSに投稿しました。
「当時は作品制作が進まず、唯一アマビエを撮影する事だけがスッと出来たのです。
ちょっと祈りにも近い行動です」

その頃は、挨拶や応援、生存確認のように見えた画像が、写真集にまとまると、生活も町もすべて滞っていたようでいて、雪が降り、やがて陽射しが明るくなり、花が咲く季節の移り変わりがみてとれたり、乗客がいなかった電車など、あの時の景色がアマエビ様とともに甦ってきます。

15cm×15cm 36pages

緊急事態宣言下の夜の街を記録した写真集 小田駿一「Night Order」

小田駿一「Night Order」¥8000+tax

いつもは、商業カメラマンとして肖像の撮影を中心に活動している小田駿一の初写真集。

コロナウィルス蔓延による緊急事態宣言下、著者が都内に出てみると、昼間は都市機能や生活を維持するために、それでも人々が働いているのに対して、夜の飲屋街には人っ子一人おらず、その景色を目の当たりにして衝撃を受けます。

多くの人たちが、罰則があるわけでもないのに、生活の糧を犠牲にしてでも、未知のウィルスから命を守り、困難を乗り越えようとしている切実さを記録しようと、カメラマンとして立ち上がります。

ふだんなら人々で賑わう週末の夜の街に出向き、誰もいない路地や街灯だけがともる通りを撮影します。ただ閑散としたのとは違う、緊急事態宣言下のゴーストタウン的な凄みと、未来への希望を託しての街の灯りとで構成されています。

記録的・報道的な写真でもあること、未知のウィルスに人々が立ち向かった緊急事態での希望と警鐘の入り混じる現実を長く残すために、本という形を選び、大事に手元において眺めてもらえるよう、プロダクトとしても完成度の高いものを目指したのだそう。
表紙の銀箔および背のスケルトン加工に施した銀箔は手作業で剥がしたり削っており、基本デザインは同じですが、一冊ずつ加工が異なります。

A4判128pages 500部

著者・小田駿一氏自身が、この本への想いをnoteにまとめていますので、ご参照ください。>>>

背は透明樹脂が厚盛りされた上に銀箔を施し、一部表面を削って樹皮のように加工しています。

ニコラ・レテリエ「ポケットコーンzine」と「ポケットコーンカード」

ニコラ・レテリエ「ポケットコーンzine」¥2273+tax

グラフィックデザインを勉強すべく留学のため来日したフランス人、ニコラ・レテリエNicolas Letellierは、自国のソレとは大分様相が違う日本のコーンに注目し、出歩く先々でコーンを探しては撮影するコーンコレクターとなりました。

犬の小便や駐車を禁止するコーン、水漏れを警告したり、私有地を知らせるコーン。
あるいは、ガムテで補強しまくったり、バリバリに割れながらも仕事を続けるコーンは別格扱い。

やがて彼は、収集したコーンの画像を、自身のデザインで、日本で人気のカードゲームのフォーマットに落とし込み、コレクションカード形式の作品にしたり、ロゴを使ったTシャツを作ったり、zineを制作しました。

ニコラさんによると、こんなに色や模様のヴァリーションが豊富でメッセージを書いたり貼って標識のように活躍し様々な役割を担ったコーンは、とても日本らしいのだそうです。

カードには、それぞれの名称と、発見場所とコーンの役割やレア度などの説明がついており、ジンはそれを大判で収録しています。全36枚。

それぞれのコーンにつけられた日本語のタイトルが秀逸です。
行止まり表示のコーンが膠着エントリーコーンだったり、四角錐型のコーンがピラミッコーンだったり。

A4判76pages (解説は英語と日本語。コーンの説明は日本語とフランス語)

このプロジェクトの趣旨の説明を裏面に載せた全コーンのプリント、
ロゴのステッカー、
ロゴTシャツを着用したモデルの写真、
ランダムに抽出されたカード1枚つき
Japanese/English/French

満身創痍、疲れたコーンもニコラさんの目にはすばらしい個性にうつる

伝統的、あるいは伝統的風?なコーン

ガムテでガシガシに補強されたコーンはスペシャルカードで四分割表示になっています

ロゴTもモデルを変えて何パターンか撮影したものがランダムに封入されています。



「ポケットコーンカード」¥4545+tax

カードになったニコラさんにコーンコレクション。36枚セット

40代日本人男性「Hong Kong political graffiti & buff ~ 2019年夏 香港民主化デモ 逮捕された記録~」

40代日本人男性「Hong Kong political graffiti & buff ~ 2019年夏 香港民主化デモ 逮捕された記録~」¥2000+tax

著者は、世界各地の消されゆくor消されたグラフィティを撮影して収集する40代の日本人男性。

社会的なムーブメントにあわせて町の中にグラフィティや落書きも増えることから、2019年夏、民主化デモで注目される香港に飛び、建物や公共物に、見事な段取りで手早くスローガンやグラフィティが書かれ、日々更新されてゆくのを目の当たりにし、激動を肌で感じながら、撮影に精を出していた。

8月31日、各地でデモが発生する中、デモ参加者を警察が地下鉄太子駅の車両の中まで追い詰め、メディアや救護を締め出した構内で催涙スプレーを噴射したり殴打する大事件が発生した(事件の真相は今日まで不明)。
著者は、このとき対岸の湾仔にいたが、ここでも催涙ガスの中、デモ隊が警察に追われていたため、その場から逃げ出したものの、(たまたまデモ隊カラーと同じ黒の服を着ていたこともあり)数人の武装警官に捕まってしまう。

これは、著者が撮影した、2019年8月〜12月まで香港の街中に出現した民主化運動に関連した落書きの写真とともに、自身の逮捕の経緯や保釈後についての手記をまとめたもの。

明確な落書きだけでなく、上塗りされたもの、何度も貼ったり剥がしたり、書いたり消したりした攻防の痕跡も含めて、町に刻まれた痕跡を記録した写真集。

困難にある香港への応援と、日本人に香港の状況に注目して欲しいという気持ちから作ったそうです。

A5判68pages Japanese/English/Cantonese 日・英・広東語

桑本正士 写真集「幻植物園」

桑本正士「幻植物園」 ¥2727+tax

2016年に逝去した写真家・桑本正士による植物園をモチーフにした写真集。

70~80年代、国内外のミュージシャンのポートフォリオを撮影し、音楽雑誌等で活躍した桑本正士が、プライベートで撮り続けた植物園の写真を生前の遺言により、遺族の協力のもと3年がかりでまとめたもの。

自然の植生から切り離されて植物園の中に根をはる植物、ガラスと鉄でできた温室の中で繁茂する植物、人工物と植物がユニークに切り取られています。
(植物と植物の壁画が渾然一体となっていたり、植物の中にぼんやりとうつりこんだ写真家がいたりと、色々なものがみつかります)

病床の写真家の中では、写真集のイメージが明確にできていて、持ち歩きしやすい判型、モノクロ、ハードカバーetc.という、そのその希望に沿ってデザインされたそう。また前半が桑本自身がセレクトしたもの、後半が膨大なネガの中から編集人たちが増補したものとなっているとのことです。

江ノ島植物園、伊豆シャボテン公演、沖縄ひめゆるパーク、夢の島熱帯植物館、小石川植物園をはじめ、台湾の植物園も。

20.8cm× 20.8cm 52pages 企画・発行 住吉千砂