ミニコミ」カテゴリーアーカイブ

もぐこん テン年代作品集「日々」

もぐこん テン年代作品集「日々」 ¥1200+tax

「気配」に続く、もぐこんがテン年代自選作品集。
に発表した漫画の中から自選した8本を収録。
不条理だけどどこかおかしみがある「気配」のセレクションに対して、記憶の奥底にしまっているような過去やひりつく思いを取り出したような作品が多く、内容的に対になった感じです。

自分をその人の理解者だと思って、愛おしんだり保護者目線になったり、そんなポジションに後ろめたさを覚えたりしているうちに、わかったつもりだったその人が、ある日突然ふわっと別のステージに飛び去ってしまう…、そんな寂寥感や取り残され感が宿る作品のあれこれ。

:::収録8作品:::
「日々」(17)「お兄ちゃん、お願いだから死んでください」(12)「誰かとどこかで」(13)「いい湯」(16)「妹の結婚」(18)「ゴミ箱」(16)「私書室」(18)「10月29日」(14)

A5判160pages
2021.11.21

発売・発送は11月21日夜からになります。

翻訳文芸誌 BABELZINE vol.2

翻訳文芸誌 BABELZINE vol.2 ¥1500+tax

英語圏を中心としたSF・幻想文学・変な小説を翻訳するサークル「バベルうお」の同人誌。

最近の作品を中心とした翻訳小説11編と、主宰者である白川眞氏の評論「単数Theyの発明と翻訳の可能性」を収録しています。

:::収録作品は::: (概要はバベルうお様のサイトより)

◎G・V・アンダーセン「シュタインゲシェプフ」藤川新京 訳
石に生命を吹き込む創造者ギルドの駆け出し職人ハーツェルが初めての仕事で修復することになったのは三百年前の巨匠ドゥルアンの手がけた異形の石像アンブロワーズだった。戦間期の揺れるドイツを舞台に青年の友情と恋を描くほろ苦い物語。世界幻想文学大賞受賞作。

◎マシュー・クレッセル「ラブ・エンジン・オプティマイゼーション」藤川新京 訳
あなたのことはあなた自身よりもよく知っている。主人公サムはクラウドから収集した個人情報を駆使してジェーンの心を射止めようとするが思わぬ横槍に見舞われる。ビッグデータ時代の恋愛をテーマにしたテクノ・サイコ・サスペンス。

◎ホリス・ジョエル・ヘンリー「アウター」平海尚尾 訳
放射線によって歪められた美しいビーチ。放射線によって歪められた住民たち。心優しい少年トゥーゼンは底知れぬ怒りを抱えて怪物アウターへと変貌していく。カリブ海から届いた鮮烈な短編。

◎フラン・ワイルド「輝きのみが残されて」藤川新京 訳
見たものを次々と植物に変身させてゆく奇妙な夢。人間嫌いの植物学者・ガニット博士は夢の謎を解き明かすために立ち上がるが……バラードやカヴァンを思わせる冷たく美しい終末譚。

◎セス・フリード「メンデルスゾーン」白川眞 訳
あの夏、ぼくの父さんは巨大アライグマとライバルになった。平穏な日常を取り戻すべく、家族はアライグマと対決する。もう戻らない少年時代の、ひと夏の冒険。

◎ラフィアット・アリユ「いつまでも夫に愛されるための五八のルール」西村取想とシタギセール=カオル 訳
夫に愛されるために呪術の力を借りたイマンが体験する恐怖の夫婦生活。散りばめられたブラックユーモアに思わず笑っていたはずが、絶望的な幕引きに思わず心が翳る。

◎A・T・グリーンブラット「バーニング・ヒーロー」藤川新京 訳 人体発火能力を望まずして手に入れた公認会計士のサムは人助けを志して地元の能力者チームに参加するがうまくいかないことばかり。果たして彼は憧れのヒーローになれるのか?ユーモラスで少し切ない異色のスーパーヒーローストーリー。《ネビュラ賞ノミネート》

◎レティー・プレル「新鮮な空気」藤川新京 訳
肉体のくびきを逃れて仮想世界に移住した母と息子。永遠の生と自由を約束され何一つ不満のない暮らしを送るはずだった二人だが…… シンギュラリティ後の世界でなお手に入らないものをめぐる親子のすれ違いを描き、重い読後感を残す物語。

◎ジェラール・クラン「終止符」西村取想 訳
いまだ知られぬ居住可能惑星を探して宇宙空間を漂う宇宙船のなかで起こる怪奇現象。後にフランスSF界の重鎮となるクランが若かりし頃に思い描いた、「物語」のその先とは!?

◎アンディ・ドゥダック「イムノ・シェアリングの時代の愛」川端冷泉 訳
致死的な感染症が蔓延した世界で、愛はどのようにその形を変えるのか。来るべき一つの未来の可能性を描く、病気と愛の物語。《ユージイ・フォスター記念賞ノミネート》

◎ヤツェク・ドゥカイ「レム外典」藤川新京 訳
再構成された作家の仮想人格、それが外典。ポーランド、ドイツ、日本で生み出された三体のスタニスワフ・レムの外典のたどる数奇な運命をつづる架空の本の書評という形で描かれた現代ポーランドSF界の俊英による究極のレム・トリビュート!

評論○「単数Theyの発明と翻訳の可能性」白川眞
今話題の単数Theyについて。翻訳に向き合うにあたって単数Theyをどう捉えたらいいのか、実際にどのように使われているかとともに解説。

A5判 246 pages
発行:週末翻訳クラブ・バベルうお
2021.11.5
※発行にあわせてvol.1も増刷されました

品切だった第1作品集が増補再版 不吉霊二「新 ぜ〜んぶ!不吉霊二〜不吉霊二短編漫画集」

不吉霊二「新 ぜ〜んぶ!不吉霊二〜不吉霊二短編漫画集」 ¥1364+tax

品切れでお問い合わせを受けることも多かった、不吉霊二さんの作品集第一弾(自主制作)が増補再版されました。

19才から20才にかけて描いた最初期作品を集めたもので、2016年当時は主に京都、2017年当時はキューバ滞在中に描いたものとなります。
作品の舞台は、故郷の広島だったりちょっとエキゾチックな場所だったり、田舎だったり街の中だったり…。

2018年の初版では、漫画雑誌「架空」15号に寄稿したこともあり不吉霊二が、架空編集人の川勝徳重らのアドバイスのもと自身で編集・発行したそうです。

ペン、マジック、水彩、鉛筆、さまざまなタッチで描かれた、胸がキュンとしたりちょっとせつない青春?の日々を描いた漫画、ときどきドローイングや写真といった内容で、キラキラのホログラムのカバーに包まれています。

A5判268pages
2021.10 2刷

季刊黒猫 2021 秋 

季刊黒猫 2021 秋 ¥1000 + tax

東京・高円寺円盤(現・黒猫)から長野県伊奈に活動拠点を移した田口史人が、これまでに全国巡業で出会った各地のユニークな才能を結集して、季節ごとにお送りする詰め合わせzine。

様々なペーパー類がB5サイズ大の袋にたっぷり詰め込まれています。今回は、中古レコードのほか古マッチ箱も封入されています。また表紙カバーには、伊那の黒猫実店舗のお向かいの元・紙問屋さんに残されていた襖紙を使用しています。そのため、紙のとり方で無地だったり模様が入っていたりします。

カード、スナップ写真、ステッカー、ミニポスター、ペーパー、冊子など各種が詰まったお楽しみ袋で、内容も、日常雑記やエッセイ、お料理レシピ、趣味や自由研究の報告(粘菌、パイプ、レコジャケ、純喫茶etc.)、創作、街ネタ、世界情勢などなど様々です。

寄稿者は=====
松本の相澤和典(おっとぼけ美術館)、福井の写真家・浅田暢夫、紙芝居の飯田華子、岡山のパイプマニア石原慧、上野茂都、姫路のゑでぃ鼓雨磨、富山の大谷氏、京都hand saw pressの小田晶房、福岡の鹿子裕史、大阪の喫茶アオツキ、山形の今野修、神戸の漫画家ささやん、歌や演奏などの佐藤幸雄、宮崎のスケサク、アーカイヴァー鈴木啓之、札幌の台湾料理ごとう、佐渡島のタガヤス堂、黒猫&円盤&リクロ舎の田口史人、鳥取のタナカ、高知のにこみちゃん、ハロー、彦根の半月舎、sweet dreems pressの福田教雄、福岡のボギー、大阪の粘菌家族マメホコリ工房、見汐麻衣、岩手のミャンマー音楽研究家・村上巨樹、伊勢市のMOLE FACTORY、ロック漫筆・安田謙一、湯浅学、仙台のよしぎの、豊島で生きる・よしのももこ

木村衣有子編「底にタッチするまでが私の時間 よりぬきベルグ通信1号から150号まで」

木村衣有子編「底にタッチするまでが私の時間 よりぬきベルグ通信1号から150号まで」 (木村半次郎商店)¥1600+tax

新宿駅ビルの地下にある小さな飲食店『ビア&カフェ ベルク』が毎月発行するフリーペーパー「ベルク通信」のバックナンバーから、するどい短文やしみいるエッセイを選び出したベスト版的ベルク通信。

1970年に純喫茶として開店したベルクは、1990年、創業者の息子に引き継がれ、ベルク通信はお店が「大衆喫茶食堂」として変化・成長をはじめる94年に発行されます。
手早く手頃な価格で良質なものを提供し、多くの人が足を運んできたお店は、2006年に駅ビルのオーナーが代わったことから、退店勧告を受け、何年にもわたり、それに抗い営業を続けてきましたが、この本は、その困難な時代以前の、いわばお店が在り方を探り、お客さんと共有してきた青春時代の記録といえます。

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第1号の「店長よりご挨拶」と題したコラムの中には、こんな言葉が見つかる。
「妙な言い方になりますが、読者となられるお客様に、少しでもつけいる隙を差し上げたい」するとこの一冊も、隙の産物ともいえる。1号から150号まで、それは1994年から2006年までの記録でもある。そのあいだの出来事はもはや昔話といえるのではという感もなきにしもあらず、とはいえ「ベルク通信」の中からはきっと普遍的な価値観を映した文章を数多見つけ出せるはずだと思った、私の予想ははたして裏切られなかった。(まえがきより)
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目次
・よりぬきベルク通信(いらっしゃいませ/お客/コーヒー/味/ここで働く/ビール/無駄なものを削れば必要なものを守ることには、ならない/誰かの記憶と結びつかなければ始まらないとすら私は思うのです)
・グラビア「近頃のベルク」
・エッセイ「サイレントベルク2021春」「ベルクに行けばなんとかなる」木村衣有子
・編集後記「駆け出しベルク通信、今日に至る 愛染恭介(「ベルク通信」編集長)」

メニューで埋め尽くされた外壁、コーヒーやビール、ソーセージなどのおなじみのメニューがカラーページに収録されています。

四六判 無線綴じ 136pages
装丁:木村敦子(盛岡の街雑誌『てくり』/kids)
2017.11.10