月別アーカイブ: 2011年5月

Patrick Farmer「Green rings around the eyes, this grass in vibrant motion.」

Patrick Farmer

Patrick Farmer「Green rings around the eyes, this grass in vibrant motion.」(nadukeenumono)¥1800

yuki ga futte uresii「sasayaku youni sindeiku」につづく実験音楽レーベルnadukeenumonoによる第二弾。今回もストイックな白いパッケージにして、その音もまたクール。こちらで試聴できます。

01:Green rings around the eyes, this grass in vibrant motion.

Improvisation for turntable, wire brush, and contact microphone.
Recorded by Patrick Farmer, 27.01.11, at Oxford Brookes University.
Photo by Richard Farmer.
Title taken from a poem by Nichita Stãnescu.
For Kate and Mark. 2011.

今作はSarah Hughesと共に英国実験音楽団体Compost And Heightを創設し、また昨年発表されたMichael Pisaro作「Fields Have Ears」にも参加した、英国の音楽家Patrick Farmerによるターンテーブル、コンタクトマイク、ワイヤーブラシを用いた即興演奏作品である。

即興演奏における録音行為は「まるでダンサーの写真を見るようなものだ」とも言われるよう、その演奏が行なわれた時間と空間に生み出された暗黙のスコアを踏みにじる行為であり、本来ならば避けるべき行為のようである。そのためか、現在流通している即興演奏作品は、その場の空気を損なわぬようほぼ修正を加えぬまま録音されているものが多い。

今作ではそういった従来の方法を取る事はなく、敢えて録音終了後に演奏に対して音響操作を行なうことにした。これは演奏が複数回に渡り再生される、或いはある部分を切り取られて再生される、そういった不可避の時制変更に耐えられるよう、演奏を現在時制から解放するために行なわれている。

この操作を可能にしたのは今作の演奏がコンタクトマイクを用いて録音されている事実である。今作は人間の聴覚器官では知覚する事のできない物質の振動を録音したものであり、そのため演奏中にその演奏を演奏者が知覚する事が出来ない。即興演奏における暗黙のスコアは演奏と演奏者その主客の関係が反転を繰り返し、互いに干渉し合う事で生まれる。しかし、今作においてはその関係性は最初から存在していない。演奏者の演奏と録音された演奏は独立して存在しているからだ。そのため前述の理由は積極的にこの操作を拒む理由にはなりえないだろう。

このような操作を行なった本作は”即興演奏”と名付けるにはふさわしくはないのかもしれない。しかし、今作のこの危うい美しさは現在時制を基準とした今までの即興演奏では決してあり得なかっただろう。(text:nadukeenumono)
500部限定

潮田文「風に吹かれて」

風に吹かれて

潮田文「風に吹かれて」(写真通信社)¥3980

『月刊OUT』『ALLAN』『月光』などの編集者として知られる南原四郎氏が,5年の沈黙の後、本名の潮田文に戻って発表した写真集。
70年代から、ほぼ現在までのモノクロ作品を収録。豪徳寺の実家、井の頭公園、上野動物園、新宿界隈…の風景が500ページ近くおさめられ、巻末に長い写真論とも、この写真集の経緯ともいえる「写真の研究 付・映画の研究」が収録されています。

175ミリ×185ミリ(重箱判変型) 648P 並装

BRUTUS 709 「本屋好き。」

BURUTUS 709 表紙

本屋さんを特集したBRUTUSの2011年6月1日号でご紹介いただきました。

京都の恵文社一乗寺店や鳥取の定有堂書店など全国から人が集まるお店が紹介されていたり、ブックインベントや書店以外のお店の本のコーディネイトなどを手がけるブックディレクターのお仕事を垣間見ることができます。名物店主さんや新進の街の本屋さん、世界の美しすぎる本屋のグラビアは本当に美しい!そんな世界的に美し本屋さんや名店にまじって、特別付録GUIDE BOOKタコシェは「この100ジャンルに強い100書店の中で紹介していただきました。ヨーロッパの変った少部数出版をお取り扱いしているということで出ています。昨年フランスはマルセイユの ル・デルニエ・クリの来日時に彼らの本をお取り扱いしましたが、その後に出たものも追加されてますので、引き続きよろしくお願いします。

BRUTUS 記事

そして、BRUTUSと直接関係ありませんが、本つながりで、ブエノス・アイレスにできたアルゼンチンのアーティストによる30000冊の本からなる高さ25メートルのバベルの塔これなんて圧巻です!

萱島雄太コミック『鼻』『オツベルと象』

青空文庫の著作権が切れた作品を漫画化するという「パブー×青空文庫」の漫画コンテストをきっかけに描かれた萱島雄太の文芸コミック2タイトルが入荷しました。

鼻 表紙

原作・芥川龍之介 絵・萱島雄太「鼻」¥400

古典の漫画化といっても、漫画によって文芸作品を時短鑑賞する、というタイプのものでなく、主人公の禅智内供を人物キャラとしてでなく、鼻そのものとして描くなど、独自の手法で、馴染みの古典がシュールなイメージでよみがえります。
A5判24P ホチキス中綴じ

鼻

鼻

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オツベルと象 表紙

原作・宮沢賢治 絵・萱島雄太「オツベルと象」¥500

地主オツベルと彼に酷使される象とを描いた宮沢賢治の童話のタイトルをはじめて見たとき、「少女と象の物語」を連想してしまった萱島が、その第一印象や勘違いを原作に落とし込んで作った、宮沢賢治変奏曲。本人いわく「漫画という形を借りた読書乾燥文」。
ふたつの創作があわさり、原作とは別の余韻。
A5判40P ホチキス中綴じ

オツベルと象 

オツベルと象

蝶腸ストラップ

蝶腸ストラップ 蝶

蝶腸ストラップ (好青年帝国革命社)¥700

あんよペンの好青年帝国革命社が作る、人体パーツ雑貨?第二弾!
蝶々の形に切り抜かれたフェルトの表には、アゲハ蝶の絵柄、裏には腸の絵がプリントされて駄洒落に。そこにツッコミを入れる手がついています。蝶々は赤と黄の2色。
フェルトは約7センチ×5.5センチ。

蝶腸ストラップ 腸