月別アーカイブ: 2011年5月

御船麻砥「HELL ALL-5 SALVAMENTO」

HELL ALL-5 表紙

御船麻砥「HELL ALL-5 SALVAMENTO」¥840

『アクマゼルマ』などの漫画家・御船麻砥さんが、「HELL ALL-5」(幻冬舎コミックス)の未使用原稿や単行本未収録原稿などを元に作ったジンを特製封筒(灰色封筒に2色印刷したもの)に詰め合わせたパックです。

パックの中身
「SALVAMENTO」マンガ+イラスト B5判32P(オフセット印刷)
「13sister story」4コママンガ集 B6判20P(オフセット印刷)
「Lunchbox」新作ショート漫画スモールブック 85mm×85mm 14P(プリンタ出力)
「Coleccion de a medias」カラー未使用イラスト集 85mm×85mm 12P(プリンタ出力)
「SCRAP」落書き集 85mm×85mm 12P(プリンタ出力)
HELL ALL-5のキャラをまとめたペーパとセット内容をプリントしたペーパも入っています。

印刷や自費出版モノへのかねてからの興味もあり、あえて、商業出版では難しい、フォーマットや印刷で未収録や新作をまとめたもの。本文の紙色や刷り色を一冊の中でいろいろと変えてみたりして、楽しい作りになっています。

HELL ALL-5 中身

作家自身による解説ポップ(クリックで大きくなります)

HELL ALL-5 ポップ

蜜月 2011年初夏 第7号

蜜月7号

蜜月 2011年初夏 7号 ¥400

誌面上の仮想カフェ”蜜月カフェ”にとっておきのヒト・コチ・モノを持ち寄って、楽しくおしゃべりするような場とし年2回ペースでゆるりと発行されるジン。取材に基づくご当地もの、まち歩き、ものづくり、人、建築、カフェ、食べ物などに加えて、連載コラムも。コンパクトですが、現地で丁寧な取材をしているのでたっぷりの読みごたえです。

今回のメインは
「ちりめん街道をゆく 意匠の心の内をのぞいてごらん」と題して、丹後半島の南側のちりめんの町、京都府与謝郡与謝野町加悦のちりめん街道を歩きながら、ものづくりに精を出す人々の営みを訪ねます。その昔,多くの職工さんを抱えた機屋さんにお邪魔して、ものづくり、人づくり、町づくりに触れる。また、東京都大森に昭和の佇まいと大盛り蕎麦!を求め散策します。
ほかに、ブックレビュー、山田邦紀「明治時代の人生相談」、カラフルにペイントしたファッショナブルバナナに関するエッセイ、小学生時代の消しゴムコレクション、ビールが苦手な人にもおすすめのビールカクテルなど。
B6判24P

そして、なんと、編集人の鈴木遥さんが10年の取材+1年の執筆+書籍化のために1年という歳月をかけた作品で開高健ノンフィクション賞次点作『ミドリさんとカラクリ屋敷』が集英社からこのたび発売されました。(それもあって、蜜月の発行が延びたのですね)

湘南の住宅街に、屋根から電信柱の突き出た不思議な家にひかれ、そのワケを知りたくて家を訪ねてみると、そこには家に負けないくらいに謎めいたミドリさんというお婆さんが住んでいた…。そうして高校生の頃から、ミドリさん宅に通うこと10年!ミドリさん(97才)のルーツ(北海道開拓の歴史が絡んでいる)を追いながらカラクリ屋敷の秘密を解き明かしてゆく…という異色のドキュメンタリーです。本屋さんで見かけたら手にとってみてくださいね! 出版イベントなど詳細は蜜月ホームページを。

ミドリさんとカラクリ屋敷

俵谷哲典 Tetsunori Tawaraya “Decapitron”

decapitron 27

俵谷哲典 Tetsunori Tawaraya “Decapitron” ¥735

アーティスト、ミュージシャンとして活動する俵谷哲典のアートブック。段ボールやフェイクファー、スプレイなどを使って不定形なジンを不定期に発行している俵谷だが、今回は、フランスのアーティスト、SHOBOSHOBOが毎回1アーティストあるいは1コラボをテーマにシリーズで発行し続けるSHOBOSHOBO-BOOKS(alcohol printing limited edition zines)の27弾として2010年11月に作られたもの。

中身は青焼き印刷、糸綴じ製本です。
A6判40P 60部限定
タコシェには60部のうち5部が入荷しました。

Decapitron 中身

Decapitron 中身

Decapitron 中身

yakk 003

yakk003 パッケージ

yakk 003 ¥700

20代女子、Yumi、Anri、Kumi、Kisaの頭文字をとったグループyakk。ジッパーつきの透明袋に入ったzineは、4人がそれぞれメンバーにお題を出して—それに応えた素材をめいめいが作り出題者に寄稿し一冊のzineに編集—-できあがった4種類のzineをワンパッケージにまとめる、という流れで作成されています。

今回はちょっとサブカル寄り? そしていつもより実験的なリミックスや合作も。100部限定(エディション入り)で、いつも次号が出る前に売り切れてしまうので、気になる方はお早めに!
vol.03のテーマとサイズはそれぞれ
Yumi「デッサン」A3判8ツ折:静物を4人が45分ずつ順番にデッサンして3時間かけて完成を目指す試み。その過程とそれぞれのコメントを記録してゆく。
Anri「キャラクターって CHARACTER」B6判24P:少年、少女、ロボット、萌え…などそれぞれのテーマで思いつくキャラクターをデザインしてみた
Kumi「idol -アイドル-」A6判18P:めいめいが自分の妄想したアイドルをプロデュース、プロフィールなどのデータを作成。
Kisa「恋のドーナツロッカー王国」A6判16P:4人がそれぞれ短編漫画を描き、それぞれコマごとに分解したのちミックスしてみた合作。ギャグ漫画「ばらドーナツ屋物語」、ホラー「コインロッカーへ」、恋愛「恋なんて知らない」、SF「プリッツァー王国」が合わさっています。当然のことながら文脈はありません。

yakk003 表紙

yakk003 中身

なお、 yakkによるzineのイベントがzine houseも開催中(5月28日まで)。様々な手作りzneが紹介されてます。詳細はzine house

イヌタハジメ「怪奇! 貸本マンガ・マニアックス」

怪奇!貸本マンガ・マニアックス

イヌタハジメ「怪奇! 貸本マンガ・マニアックス」(兎目書房)¥945

肉体労働に従事する絶版マンガコレクター、イヌタハジメ氏(陽気幽平エクスペリエンスなどにも執筆)による怪奇系貸本マンガ紹介&解説同人誌。怪奇というか奇怪な作品、すぐに鑑賞が可能な復刻された作品、紙幅を多くはさけないが触れずにはいられない作品などなど、遅れて来た世代の視点もありつつ、思い入れもたっぷり込められた貸本ガイドとなっています。

内容は—-

・(コラム)貸本マンガ、というモノ。
・徳南晴一郎『化猫の月』—7ページ
・菅島茂『奇音』『赤い鉄獣』—7ページ
・福田年兼『黒い三匹の猫』『鉄と人』『地獄秘図』『幽霊部落』—10ページ
・月宮美兎『怪談蛇太郎』—10ページ
・久呂田まさみ『吠えろ虫太郎』『残血の森』—7ページ
・渡辺美千太郎『赤太郎奇談』—3ページ
・橋本将治『双頭蜘蛛吉』『断末魔』『百足部落』—6ページ
・西たけろう『妖怪博士』—6ページ
・井上智『悪魔の落し子』『東京秘密結社』『吸血蜘蛛』—6ページ
・好美のぼる『少女一寸法師』—5ページ
・松下哲也『青年の華』『天使のギロチン』—4ページ
・関一彦『オーム伝』—3ページ
・江戸川きよし『絶望の泥沼』—3ページ
・左馬一平『魔影幻夢城』—3ページ
・渡辺正美『忍者大地』—2ページ
・ブラック同人(南あかね『灰色の少年』/戸山潤『赤い手を捜せ』/若林哲弘『死神の札束 他』—5ページ
・(コラム)貸本マンガと昭和三十年代という時代・貸本マンガと性描写/貸本マンガの発行時期

・読んでおきたい貸本マンガ(堀内恵『蝋』/坂上泰夫『非人鮫』/いずみや・しげる『悪い奴ら』/黒田和夫『毒に拳銃』/佐藤よしろう『三本指』/大村功『執念の鬼』/池川伸治『カラカポン』/荒木伸吾『赤い満月』/関すすむ『怪獣ヤゴス』)—9ページ

・読んでおくべき貸本マンガ復刻版(竹内寛行『獣眼』/つゆき・サブロー『奇生人』/『陽気幽平EXPERIENCEⅠ〜Ⅲ』/平田弘史『血だるま剣法』『つんではくずし』/白土三平『消えゆく少女』/永島慎二『完全復刻版 ひな子ちゃん・旅路』『ひな子ちゃん・曲馬団物語』他—8ページ

・(あとがき)ほんの少しの。

A5判112P