日別アーカイブ: 2010 年 12 月 22 日

若松孝二 反逆のシネアスト KOJI WAKAMATSU Cinéaste de la Révolte

若松孝二 反逆のシネアスト KOJI WAKAMATSU Cinéaste de la Révolte(Editions IMHO) ¥3150

フランスで花くまゆうさくや駕籠真太郎らのコミックを紹介してきた出版社Editions IMHOから出た若松孝二本。若松監督自身によるプロダクションノートやエッセイ〜生い立ちからヤクザの下働きを経て映画の世界に入るまで、ピンク映画とその業界、学生運動—パレスチナ問題とのかかわり、様々な逸話や物議をかもした出来事、そして最新作『キャタピラー』についての記述に加えて、ジャン=バプティス・トレによる評論、大島渚によるエッセイ、平沢剛によるインタビューを収録しています。
フィルモグラフィつき。
15cm×21cm 192P(テクストはフランス語)

特典DVD「死にたい女」(70年 監督/若松孝二 脚本/出口出 出演/島絵梨子 矢島宏 島たけし 香取環)
70年11月25日の三島由紀夫割腹事件に取材した作品。三島ともに市ヶ谷駐屯地に出むくはずだったのに行き損ねた男とその彼女のカップルと、かつて心中しそこなった中年カップルの二組が織りなす生と死。(マルチゾーン)

日本でも上映機会の少ない作品が特典DVDになっています。

ASOKOマガジン

ASOKOマガジン(ASOKO)¥2100

高円寺のサロン&ギャラリー&ショップASOKOが発行するジンASOKOマガジン。シルクスクリーンやリソグラフ?の多色刷りで印刷から製本まで手作業で作り上げたB4判のサイズもインパクトも大きなジン。
ASOKOとは、素人の乱の松本哉氏が杉並区選に出馬した際に、DJやらハードコアバンドのライブ、BABY Qのパフォーマンスまで飛び出したとんでもない選挙運動の最後、ECDライブにやられてしまったダブ丸、フクユーがFUきんを巻き込み3人で「自分たちで自分たちの場所を作るきゃにゃーよー」と、高円寺に安物件をみつけて作りあげたサロン。最初はたまり場か宴会場みたいだったのが、マガジンを作ったり、ガレージセール的に販売をはじめたり、上映会などなどを企画するうちに、作家たちも集まり、みんな巻き込んでできた、ライブ感あふれるジン! 漫画もB4判1ページに1コマを描いた部分があったりして、理屈ぬきにいいな〜、たのしいな〜。ASOKOが面白いと思った人物や作品を大フィーチャー。

コンテンツは—-


●ASOKO:ASOKO発生の経緯から、高円寺にスペースを構えてから3年強、その変遷と気分の移り変わりと今の気分と最近のアソコの様子をスゴロクみたいに図解したり、web機関誌・週刊ASOKOバックナンバー紹介などで活動報告

●HOLY SHIT:1990年5月6日発売号、アメリカのハイティーン向けのローカル・カルチャー雑誌HOT BOY PRESS誌に掲載されていたとある記事に書かれていた『ホーリィ・シット』という映画について、メヴ丹子氏を中心とした有志が調査を開始したーーー
「ホーリィ・シットを知るための四本糞」と題された映画紹介に加え、本特集の制作開始記念パーティー時に関係者のみに配られたイメージサウンド・トラックとそのライナーも収録。ダウンロードするっきゃないでしょ。(Doominng & EDITed By Pootee + Oboko)

●MERIS:ディナミ・シャイ介、ぎぼん正造、ゼキモト恒太郎の三人によって毎月京都で刊行されている『MERIS』という「ドブ板の裏側のような表現(シャイ介の弁)」が結晶化した正気の沙汰とは思えないフリー冊子がある。本特集では『MERIS』の歴史を紹介しつつ、中心人物であるディナミ・シャイ介のインンタビューと作品を掲載。
インタビューではディナミ・シャイ介が作るモノの強度がどこに由来しているのかを、彼が溺愛しているぬいぐるみ・くまのプーさんを介してダブ丸が深く追求。

●ヌケメ:最近やたらと話題になっている帽子『ヌケメ帽』を作っているヌケメに、ヌケメ帽の制作過程や秘話、その魅力はなんなのかといったようなことをダブ丸がインタビュー。ヌケメ帽40種類掲載。

●水着コレクション2010
ニューー・タイプ水着企画室室長・多田まゆこ持ち込み企画。
なんの疑問もなく既製品の水着着ちゃってるけど、ホントーにソレでいいの? ちょっとアンタ、一から水着デザインしてみなさいよ!ってことで集められた新進気鋭のデザイナー「こんどうさくら、きーたん、かおりーぬ、FUきん」が右も左もわからない状態で作り上げた新作水着の数々。

●ぴーちくパー地区:週刊アソコで繰り広げられたレビューからの選り抜いて再構成+新レビュー。映画や音に関してはもちろん、昆虫やぬいぐるみのレビューもごった煮!

●絵と写真のコーナー
ダブ丸とFUきんの知り合いでヤバい作品作っちゃってるヒトをピックのアップ。
絵=TETSUYA GOTO、沖真秀、NANOOK、辻可愛、こんどうさくら、大川久志、箕浦建太郎
写真=菊池良助(ジョン・レノンがある部屋、前野健太)
シールコラージュ=アサ

●圏外地獄:モーニング娘。の田中れいなちゃんと川染喜弘というアーティストにしか興味がない圏外地獄という人間がいる。彼は心の底から田中れいなとモーニング娘。を愛でることと、川染喜弘のライブを体験→テキスト起こしすることにのみに生を感じている。そんな圏外地獄が2007年12月に行われた多摩美術大学上野毛キャンパス『川染喜弘4日間連続ライブ(毎日8時間)』のうち、一番ヤバかったという3日目の全発話を「テキスト起こし」(15万字弱)したものと、圏外地獄が田中れいな及びモーニング娘。と共に生き延びてきた記録(2万字弱)を掲載。
これはなんの比喩でもなく、ここにはあなたが想像しうるコトとソレ以外の全てが書かれている。

●漫画
『カッパ/ずっく』『 /花原史樹』『東京/大橋裕之』
全て新作描き下ろし。図らずも「青春」を感じさせる三作品が集まっている。
三作家とも作風に特徴があって、良くも悪くもクセが強く一般誌には掲載され辛い現実があるんだけど、一般誌に掲載されなくても面白い漫画はトーゼン面白くて、ASOKOに載ってる三作品はやっぱり面白いワケ。この三人をまとめて読めるなんてことは二度とないんじゃないかなー

B4判120P