日別アーカイブ: 2010 年 12 月 3 日

ヨヨミ vol.1

ヨヨミ vol.1 ¥200

公園内のブルーテント村内の文芸部が発行する文芸同人誌。2007年より、書いた作品を持ち寄っては月1回の割合で青空合評会をする中で、執筆、推敲された13短編を収録。

後書きの中に「次号には合評会の実況中継を載せたら、読者も楽しいかもね。紙のユースト。手渡しで公衆送信」とありますが、私が以前に参加した同じ公園内の読書会も、村の住人が自費出版した本を手にそれぞれが感想を自由に語り合ったり作家に質問したり、というもので、紙とインクがあって作品があれば人が集まって文芸コミュニティの活動がはじまるんだ〜という事をあらためて目の当りにするようでした。プリミティブな文芸活動の楽しさや自由さが伝わってきます。
内容は、散文もあれば、幻想譚あり、実在の人物の名前を使っての妄想系もあり、実に様々。執筆者は、いちむらみさこ、小川てつオ、井ノ中蛙、鈴木8絵、本間えつ、みやちかな、山形☆坊、小川テツオ。
B5判64P

関根美有「ママール・フ・モモール、なりに」

関根美有「ママール・フ・モモール、なりに」¥600

以前から、お取り扱いしていた本ですが、毎回、注文するたびに製本して納品していただいていたために、ちょっとずつ入荷して、タコシェで売れ続けてきたロングセラー「ママール・フ・モモール、なりに」が、判型を大きくした新ヴァージョンでまとめて制作されました! 以前の本も手作りの味わいがありましたが、独自の色使いのカラフルな表紙も魅力的! 未読の方、ぜひ味わってみてください!

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芸術家ママール・フ・モモールを主人公に、芸術を日常とすることを選んだがゆえに、地上から常に10センチ浮いているような、違和感ある日常を生きる男の様子を、シンプルな線画で淡々と描く。
自画像の中の自分を描いた自画像、芸術家でありながらとるに足りない床のシミと区別がつかない存在となったママール、あるいは宇宙に浮遊する偉大な芸術家となるママール……、ママールの空想や妄想のようで、あらゆる芸術家に通底するひたむきさと孤独を象徴したような描写が、グラフィカルに表現されています。ママール・フ・モモールの行動を説明するナレーションも詩的でひとつの芸術家像、スタイルを打ち出しています。
A5判 128P