月別アーカイブ: 2007年12月

いましろたかし「化け猫あんずちゃん」

いましろたかし 「化け猫あんずちゃん」 ¥590

 「デメキング」「ハード・コア」が再版されるなか、「ラララ劇場」「盆堀さん」と近作はますます脱力の極北を行くいましろさんの最新作が単行本化されました。
 子供向けコミック誌「コミックボンボン」に2006年から連載された異色作です。
海をのぞむ田舎のお寺・草成寺の和尚さんに拾われた猫・あんずちゃんが主人公。お寺でのんびり大事にそだてられ気がつけば32年も生き続け化け猫となっていたあんずちゃん。人とおしゃべりできて、気まぐれにマッサージのバイトに出かけたりする毎日。化け物とはいえ、もとが猫ゆえにその暮らしは気まぐれで気楽なもの…、友達を家に招いてみたものの、ただ食い散らかしてゲームに興じるばかりの連中に部屋を占領されて「あいつらつまんねーから、もう呼ばねー」なんて翌日、寝っころがりながらひとりごちる様子は、ほのぼのお気楽でいながら、お子様にはちょっとビターないましろ節がきいてますね!
B6判150P

MODERN FREAKS 創刊号 入りました!

MODERN FREAKS 01 ¥2400

 エロやフェチジャンルもいろいろと細分化されて消費されてゆく中で、かつての性科学誌のように、人体改造から昆虫食、死体、フリーク、ゲイなどなどアブノーマルな要素をすべて詰め込んだ雑誌が出ました。
 といっても、エグいものを全部集めました、という感じではなく、人体改造ならケロッピー前田さん、やルーカス・スピラ、ゲイ雑誌についてならドラッグクィーンのマーガレットこと小倉東さん、寄書なら松沢呉一氏、ピンク映画なら直井卓俊(童貞。をプロデュースをプロデュースした方)、コルセットに関してはゴスファッションをリードするブティックBaby Dollの緑川みらのさんまたインタビューもこのジャンルのアーティストとして常に第一線で活躍してきた佐伯俊男氏というように、その現場のスペシャリストたちが登場し、ハードコア&ビザールカルチャーを総合的に紹介しています。
 なんというか、各ジャンルにおける人間の限界?臨界?ギリギリの部分を見せてくれるという感じで、真摯なパワーが伝わってきます。男女や性癖に関係なくおすすめです。
A5判194P DVDつき。
 ほかに関連商品として—
BODY◆ART◆PROJECT 01 SUSPENSION ¥4000 耐久サスペンションのライブ映像です!

 
ケロッピー前田「スカーファクトリー」¥4725

日本が発信できるアンダーグラウンド・カルチャー身体改造の実際を写真で紹介。
あかまつ別冊「戦後セクシー雑誌大全 実話と画報篇」¥1890

「笑の泉」から「Jam」まで、戦後エロ雑誌3000册を一挙紹介。一水社、白夜書房、ミリオン出版など、セクシー雑誌主要出版社と主要雑誌を一目で分かるチャートに。米沢嘉博による「戦後日本エロ雑誌クロニクル」、「Jam」元編集長らが語る「Jam」とは何だったのか、他
163×228 376P

手差ユニッツ「お歳暮ファン」

手差ユニッツ「お歳暮ファン」 ¥600

 手差ユニッツと名乗りながら、実は京都在住の学生が一人で作・画、デザインから、印刷は簡易印刷機リソグラフでの(手差)印刷やコピー、さらには製本までを手がけているというユニークな絵本です!
 同人誌などの印刷パックが当たり前になった昨今、あえて半機械+半手作業というローテクなメディアを選択、それが自らが描く昭和初期〜中期的画風のマンガ(杉浦茂とか長谷川町子などなど。作品によっても微妙にタッチを変えている)とマッチして独特の雰囲気を醸し出しています。
 リソグラフのインクが少し滲んで線が太くなることなどを考えて微妙に線やレタリングを調整していたり、「のらくろ」の田河水泡ファンを自認する絵に粗く滲んだ線がマッチしています(その味わいは本秀康さんの線にも通じる)。ご本人によればポストロックな精神で、漫画を描いたり本を作っているとのことです! 
 そんな風なことを聞いて手にとって眺めてみると、細部がいろいろ楽しめます。
初版100部。44×208 60P
 前作「万有引緑」もお取り扱い中です。

アンケ・フォイヒテンバーガーの絵本いろいろ

 現在、京都の国際マンガミュージアムで展示中(12月9日まで)の「アンケ・フォイヒテンバーガーとドイツ・オルタナティブ・コミックの世界」展のアンケ・フォイヒテンバーガーさんのコミックというか絵本をご紹介します!
【アンケ・フォイヒテンバーガー (Anke Feuchtenberger) 】
1963年生まれ、東ドイツ出身。現在、Hamburg University of Applied Sciences教授。 ベルリンの美術大学でクラフィックを学ぶ傍らイラストとコミックを中心に活動を開始。独自の絵柄で不可思議な世界観を描き、1990年ごろから本国だけでなくヨーロッパ各地で注目を集める。ドイツ、フランスなどで十数冊の、コミック、絵本、イラスト作品集を発表、各国で開催された展覧会も多数。ドイツのコミックシーンでも最も独創的で人気女性作家の一人として数えられる。女性性や母性といった生理的な感覚をベースに、恐怖にユーモアを交えた奇妙で夢のようなストーリーを描く。その画風は一度目にすると忘れられないインパクトを持つ。
「Somnambule」¥2500

 コマのような枠組を追ってゆくとテクストのない物語が展開します。広い屋敷の中を何かから逃れるように移動する女の子、温室での男と女のちょっと怖い出会い…などなどがモノクロの力強いタッチで描かれています。
230×180 118P
「W THE WHORE」 ¥1800

 セリフはシンプルな英語、アンケさん独特の書き文字で綴られています。やはりモノクロの鉛筆っぽいタッチで、かわいいとかセクシーとはちょっと違った女の子(なぜか胸を出しています)がちょっとずつ女性になっていく様子が描かれています。
165×230 64P
「Der Palast 」 ¥3800

215×305 56P カラー絵本
「Die Biographie der Frau Trockenthal」 ¥1800

205×207 42P カラー絵本
 こちらは在庫が少ないので通販ご希望の方はメールでまずお問い合わせください。

Valium「Djoker」

VALIUM 「Djoker」  ¥4830

カナダのアーティスト・ヴァリウムさんの作品集。
20センチ×39センチのオフセット印刷を3つ折りにしたカード状のものが17セット、特製ボックスに入っています。フランスのアート小出版ル・デルニエ・クリ製。限定500部。
内容の一部はヴァリウムさんのホームページでもご覧になれます。