日別アーカイブ: 2007 年 12 月 25 日

「エクス・ポ」創刊

エクス・ポ 創刊号 ¥1000

 faderを発行していたHEADZの佐々木敦さんが創刊した新雑誌『エクス・ポ』。
クラフト紙の封筒の表には、目次兼表紙兼おさえどころがびっちり! さらに封筒の中には、A4サイズのフルカラー16Pの冊子が入っているのですが、16P?と嘗めちゃいけません。というのは、その文字量と圧縮率が普通でないから。これはもう文字責め、というか米粒写経の域に近いです!
 それもそのはず、トライアスロンもののインタビューを詰め込んだミニコミ誌「nu」を作る戸塚泰雄さんがデザインをしたもので、狭小住宅じゃないけど16Pの中にいかに雑多なコンテンツを盛り込むかに腐心したもので、文字も多いけど同時にしっかり写真や絵も見せてくれています。
 山本精一の誌上ギャラリーがあったり、松江哲明の自作のメイキングレポートや、日々打ちひしがれつつCDやDVDを買い歩き映画やライブに通う中原昌也日記などなど…。
コンテンツは以下の通り——-
●連載
古川日出男「異種格闘技連続対談フルカワヒデオプラス」「第1回:iLL aka ナカコー(中村弘二,exスーパーカー)」
吉田アミ&雨宮まみ「アミ&まみのお悩み相談室」
西島大介「マンガっちはアニメが大好き」
中原昌也「親指王子ケイ勺イ日記2」
松江哲明「あんにょん由美香」
鈴木謙介「うろ覚えの”J”ポップ時評」
福永信「福永信の、この常設がすごい!」「福永信の、この饒舌がすごい!」
ジムオルーク「シネマ・ユリイカ」
冨田明宏「アニソン〈裏〉入門」
大谷能生「さよならの言い忘れ」
青山真治「3弦と4弦の間にバスタムを」
生西康典「中心の行方」
藤井仁子「また歌うために」
岡田利規「チェルフィッチュ岡田利規の超口語批評」
豊崎由美×仲俣暁生×佐々木敦「新刊小説書評鼎談プロフェッショナル読者論」
●連載小説
荻田洋文「?OUR VOICE」
富永昌敬「シャーリー・テンプル・ジャポン・パート7」
円城塔「後藤さんのこと」
●スペシャル
山本精一「画展]誌上ギャラリー
宮崎誉子「ランダムケータイレビュー」
榎本俊二(『ムーたち』)インタビュー
七里圭(『眠り姫』『ホッテントットエプロン・スケッチ』『マリッジリング』)インタビュー
渋谷慶一郎×東浩紀×佐々木敦「音楽、モダン、ポストモダン」
●マンガ
スズキロク「アンドハニー」
宇波拓/泉智也「クレーターに咲く花」

田亀源五郎「外道の家 上」

田亀源五郎「外道の家 上」 ¥1500

 昼ドラみたいな、昭和の旧家を舞台に起きる、縁者たちの欲望がドロドロに渦巻く世界、そこのSMとゲイテイストを加えたら…、というのがこの「外道の家」です!
 ゲイ雑誌「バディ」に7年間にわたって連載された長編漫画が単行本化されたものです。
 ストーリーは—–大地主・堀川惣右衛門の一人娘、萩乃の婿として迎え入れられた寅蔵は、萩乃と床とともにした直後に、義父・惣右衛門に犯されてしまう。密かに書生を愛し、父に犯される夫を単なる子種の供給源としてしか見ずに冷たくあしらう萩乃、さらには奥座敷に潜む欲望に餓えた惣右衛門の母・大刀自様までもが姿を表し寅蔵を嬲りものに。家人たちの欲望に翻弄される寅蔵の運命や、いかに!
 冒頭のように、昼ドラ的な見所も随所にあり、熟年男とのからみだけでなく、老女、美貌の娘など様々なキャラが登場し、各人各様に寅蔵を責めるので、ゲイの方のみならず、娘さんや奥様方にもお楽しみいただけます!
A5判270P