月別アーカイブ: 2007年10月

四谷シモンさん 小品フェア

11月3日(土)〜11月16日(金)
四谷シモン 小品フェア


 四谷シモンさん描きおろしの小さなイラストを展示・販売いたします。
画廊とは違った、書店の小さなスペースにあわせて、小さなパステル画を描いていただきました。
絵画やオブジェを暮しの中、自室の棚や壁に置いて楽しむ日常を提案したく、本と一緒に絵画もお取り扱いしてきたタコシェですが、そんな希望をかなえていただけたような作品です。サイズもお値段もかわいいですが、毎日をきっと贅沢な気持にさせてくれるでしょう。
あわせて、品切となっております「人形愛」「NARCISSISME」などもサイン入りで少しですがお出しいたします!

介護の時代! ひさうちみちお「精G」

ひさうちみちお「精G–母と子の絆」¥1050

 平安時代が王朝文化、江戸時代が町民文化の時代だったとすると、高齢少子化がすすむ平成は童貞と介護の文化の時代かもしれません。
 モブ・ノリオ「介護入門」、橋幸夫の「お母さんは宇宙人」、坪内ミキ子「母の介護–102歳で看取るまで–」と文芸方面でも介護は一大ジャンルを築いています。
 そしてガロ系作家さんたちも介護ジェネレーションに達し、林静一さんが痴呆症になった母を看取るまでを綴った「モモコさんと僕」を上梓してますが、ひさうちみちおさんも現在進行形の介護を元にした漫画を単行本化!
 主人公は中年ライター。痴呆による妄想が出はじめた母を実家からひきとり、病院に付き添ったり、妄想話につきあい…、ボケゆく母に困惑する一方で、表現者としての好奇心と観察眼から、過去を聞き出したり、母の中の”オンナ”の部分を淡々としたタッチであらわに描写してみたり。
 圧巻は、母の妄言に仕方なくつきあったつもりが、ヘソクリというには高額すぎる埋蔵金を掘り出してしまう嘘のようなくだり…。
 お母様は現在もお元気で介護は続行中のようですが、中年を迎えた自らの性とあわせて老いた母の実像を描く異色の母子モノ、現在進行形のリアルな介護漫画、家族の肖像…。今後の展開、続編も気になります! 
(四六判192P)

眼帯追加が入りました!

秀水 「第三の眼」 ¥1800 『眼帯」¥800

初回入荷分が好評でほどなく売り切れてしまった眼帯が再び入荷しました〜!
一点モノなので、革も表面が蛇革調に加工されたものから、なめらか仕上げのもに、メタリックなものなどなど。色も様々です。
メッシュになっていて、使用中も網目ごしにみえる眼帯と、リアルな眼球が埋め込まれまつげも生えている「第三の眼」の2種があります。第三の眼の方は視界が遮られてしまうのと、眼下にフィットしにくいので、帽子のリボンの代りに、チョーカーとしてアクセサリー的にお使いください。

dioramarquis 2 「特集 プラトン社」

dioramarquis 2 「特集 プラトン社」¥1000

 篆刻のワークショップや東郷青児コレクションの展示などなどを行なう大阪・北浜の読書カフェ「アトリエ箱庭」発行の小冊子。地元・大阪から生まれたアートや出版などを特集し、関係者に取材して丁寧に紹介しています。
 今回の特集は「プラトン社 大大阪のモダニズム出版社」。
1922-28にかけて、化粧品会社・中山太陽堂をバックに、川口松太郎、直木三十五らの才能を擁し、女性向けに洗練された文芸誌「女性」や「苦楽」を発行、わずか6年の間に「阪神間モダニズム」を体現し消滅したプラトン社の活動を、社長・副社長の甥・孫にあたる小野高祐氏に取材して紹介しています。
資生堂以前の山名文夫、山六郎らが手がけた美しい装丁の本をカラー写真で数多く紹介しています。
 また子供の絵を紹介した東西の雑誌2誌—-大阪一円の子供たちの絵や詩を誌面に息づかせた『きりん』(日本1948-71)、シュタイナー教育と並んで注目されるフレネ教育の実践者であるフレネ夫妻が教え子たちの絵を世に送り出した『l’art enfantin』(フランス1959–)をそれぞれカラー図版で紹介。
(フレネ教育については飛幡祐規さんが最近の著作「それでも住みたいフランス」で自らの子供の場合を通して紹介しています)
エディトリアル・デザインは1号に引き続き羽良多平吉氏。氏のリトグラフ(4種のうちどれか)が、本文扉に貼られています。
羽良多平吉「Mr.TxT_2 テクスト氏」 
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特集:プラトン社 大大阪のモダニズム出版社 
野崎泉「モダン・ガールの誘惑<中山太陽堂の広告に描かれた彼女たち>」
小野高祐「一間路地の奥」
幸田和子「東郷青児からの手紙」 
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未来響「空中線書局の手製本」 
華雪「華雪篆刻集-ここ-」
黒木まがり「詩の雑誌を買いにいく」 
扉野良人「きりん」 
宮下桃子「L’art enfantin 幻想の子どもたち」 
東瀬戸悟「私は私このまんまなの〜プレヴェールのうた〜」 
戸田勝久「近世書画彷徨 その二「池 大雅」」 
アートインタビュー 佐藤貢 中山博之 鰺坂兼光
伊東琴子「cafe de poche」
古川梨花「Enchan-the japon」 
石井章「モダン喫茶クロニクル:カフェ・アズマ、そこに置かれている本」 
森元暢之「窓辺のKくん」
A5判32P(うちカラー12P)

読み応え十分の思想誌 SITE/ZERO 〈病〉の思想/思想の〈病〉

SITE/ZERO 01号 「〈病〉の思想/思想の〈病〉」¥2201
 

 M・フーコー、S・ソンタグらは、「病」が社会や権力によって構成された「言説」「隠喩」であることを明らかにしマイノリティ分析のための方法論を創出した。あるいは、E・レヴィナスやJ・デリダやM・C・テイラーは、「アレルギー」「ウィルス」「自己免疫化」を、「他者」を論じる際の概念装置として用いた。病は一つのイデオロギーから解放されながらも、いずれにしろ現実の病の比喩であり続けている。
 一方、実際に「病」の治癒に携わる臨床的立場から発信された思想も存在する。こうした思想潮流は、今日の日本においても独特の存在感を誇り、宮本忠雄氏、木村敏氏、中井久夫氏といった個性的な思想家を輩出してきた。しかし、うした「病」に対する態度は、精神疾患を脳の機能不全へと還元する器質機能主義がドミナントな昨今、単純な自然主義に対する重要なオルタナティヴだとも言える。
 「病」を日常=正常の外部に置き、病について語るロマンティシズムにからめとられることなく、また自然主義回帰でもない、病についてのディスクールを考えることで、生について思考しようというのがこの号の試み—というのがざっとした企画趣意。
 というと難しく感じられますが、具体的には「脳トレ」ブームや、闘病記の文体などを通して病についての語り方を考察したりと楽しい内容にもなっています。
 執筆陣は—柳澤田実、木村敏、十川幸司、斎藤環、柿本昭人、小林昌廣、橋本一径、郷原佳以、岡崎乾二郎、中谷礼仁、田中純、藤本壮介、稲賀繁美、エティエンヌ・バリバール、レオ.シュビッツァー、フランソワ・ジュリアン、南後由和—-
 とにかく字がいっぱい、思想いっぱい、これで2200円ならすごく得! お値段的にもお時間的にも超得! ちょっと頭を揉みたい(揉まれてみたい?)というのにもってこい。
B6判 479P