dioramarquis 2 「特集 プラトン社」

dioramarquis 2 「特集 プラトン社」¥1000

 篆刻のワークショップや東郷青児コレクションの展示などなどを行なう大阪・北浜の読書カフェ「アトリエ箱庭」発行の小冊子。地元・大阪から生まれたアートや出版などを特集し、関係者に取材して丁寧に紹介しています。
 今回の特集は「プラトン社 大大阪のモダニズム出版社」。
1922-28にかけて、化粧品会社・中山太陽堂をバックに、川口松太郎、直木三十五らの才能を擁し、女性向けに洗練された文芸誌「女性」や「苦楽」を発行、わずか6年の間に「阪神間モダニズム」を体現し消滅したプラトン社の活動を、社長・副社長の甥・孫にあたる小野高祐氏に取材して紹介しています。
資生堂以前の山名文夫、山六郎らが手がけた美しい装丁の本をカラー写真で数多く紹介しています。
 また子供の絵を紹介した東西の雑誌2誌—-大阪一円の子供たちの絵や詩を誌面に息づかせた『きりん』(日本1948-71)、シュタイナー教育と並んで注目されるフレネ教育の実践者であるフレネ夫妻が教え子たちの絵を世に送り出した『l’art enfantin』(フランス1959–)をそれぞれカラー図版で紹介。
(フレネ教育については飛幡祐規さんが最近の著作「それでも住みたいフランス」で自らの子供の場合を通して紹介しています)
エディトリアル・デザインは1号に引き続き羽良多平吉氏。氏のリトグラフ(4種のうちどれか)が、本文扉に貼られています。
羽良多平吉「Mr.TxT_2 テクスト氏」 
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特集:プラトン社 大大阪のモダニズム出版社 
野崎泉「モダン・ガールの誘惑<中山太陽堂の広告に描かれた彼女たち>」
小野高祐「一間路地の奥」
幸田和子「東郷青児からの手紙」 
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未来響「空中線書局の手製本」 
華雪「華雪篆刻集-ここ-」
黒木まがり「詩の雑誌を買いにいく」 
扉野良人「きりん」 
宮下桃子「L’art enfantin 幻想の子どもたち」 
東瀬戸悟「私は私このまんまなの〜プレヴェールのうた〜」 
戸田勝久「近世書画彷徨 その二「池 大雅」」 
アートインタビュー 佐藤貢 中山博之 鰺坂兼光
伊東琴子「cafe de poche」
古川梨花「Enchan-the japon」 
石井章「モダン喫茶クロニクル:カフェ・アズマ、そこに置かれている本」 
森元暢之「窓辺のKくん」
A5判32P(うちカラー12P)