これまでコピー製本で発表されてきた虹釜太郎のカレー野獣館ならびにスパイシーな食をテーマにしたテクストが大大大増補の末、円盤から4冊の文庫本として発行されました。
90年代に渋谷のマンションの一室で開業した伝説のレコード店「パリパキンレコード」の創業者の一人で、“音響派”というジャンルを発見し、不知火、360°などのレコードレーベルを運営してきた虹釜太郎さん。
一方で、音楽紹介やレビューに留まらない文筆活動も長年展開してきましたが、現実と幻想の間にアクロバティックに言葉を紡ぎ出す語り口は、
近年の食についての著作で、ますます読む人の視覚、嗅覚、味覚までを刺激して、「栄養や美味しさ」とは一線を画した観点からの食文学の可能性を打ち立てました。特に、食品と薬物の中間にあるスパイスやハーブに注目して、味覚や知覚を言語化することで、食の鑑賞領域と表現領域をおもいっきり拡張してくれました。
自費出版の際に人気が高かった「カレー野獣館」を含む作品郡が、赤、黄、緑、黒のカレー色の4つの文庫本になり、同時リリース!!! 事件です。しかし、なぜわざわざ小分けにする? それは、例えば「赤」では唐辛子や血液、「黄」なら蜂蜜はターメリックなど、それぞれの色が重要なモチーフとなる作品が選ばれているためで、実際の赤や黄のページによって視覚効果が何倍にも増幅されます。1冊ずつお求めいただくこともできますし、4冊とBGM用CD-ROMやステッカーとスパイス+αがお弁当箱型の金属ボックスに入った限定90部の”野獣缶”もあります。
虹釜太郎「カレー野獣缶」(円盤)¥5000+税
赤、黄、緑、黒の4冊の文庫本になった虹釜太郎の「カレー野獣館」がBGM用CD-Rやステッカー3種、各種スパイス+αとともに、お弁当箱型のボックスに入っています。蓋をあけると、カレーの香りが立ち上ります。 箱の大きさ 12cm×16.5cm×4cm
虹釜太郎「カレー野獣館 赤」(円盤)¥800+税
【収録作品】
チキンカレー/刺青アロゼ/百連痺辛辛米線/ワーカプウェードッグの四川カレー/カレー蝉/叫化蟹/陸羽亀茶塔/南部に轟く鍋/伽哩獣は存在しない/麻婆寿限無/反甲殻/赤カレー/焼きカレー
【帯文:エンケン】
「カレーは、真ッ赤も、真ッ黄も、真ッ緑も、真ッ黒も、蝉も、この宇宙の、喜怒も哀楽も、滅びも、活きも、遺伝子137億年ぶんの、濃縮、煮汁だ!だから、中でも、君が、とりわけ、相性の好いカレーに出会ったら、ワタシハコレダ!と、60兆の胎内細胞=60兆の銀河は、137億年ぶんの、確信に、滾(タギル) るのだ!ソウ!~♪君も猫も僕も♪~カレーと言えば、壱弐が遠賢、参が水仁カリー番長だ。そして、当本を、読むからに、難解カレーの、名文、迷文が、ズラリ。カレーとは、よくぞ、こんなに、在るもんだ!」
( \(-♪-)/ 言音一致の純音楽家 エンケン)
文庫判60pages
虹釜太郎「カレー野獣館 黄」(円盤)¥800+税
【収録作品】
眠り硝子の蜜カレー/蜂伽哩撫養/打楽器カレーのフェザンダージュ/うどんと醍醐/南部戦蹟地傷病ピッツァ/飛貝カレー/カレー殻/カレー琥珀/眠らない漂砂サモサ/バナナ地球最期の日/もぐらカレー/火事カレー/焼釣/盗賊御用達カリビュッフェ/とりかえしつかないカレー
【帯文:水野仁輔 東京カレー番長】
「ときにおどろおどろしく、ときに滑稽で、集中して読むと頭がクラクラします。カレーを軸にこんな摩訶不思議な世界が繰り広げられるとは……。カレーという食べ物には、料理を超えた可能性があるといつも感じていますが、いやぁ、恐れ入りました。僕もなんか探さなきゃ。」
(東京スパイス番長、東京カリ?番長 水野仁輔)
文庫判72pages
虹釜太郎「カレー野獣館 緑」(円盤)¥800+税
【収録作品】
メチャドジャーク監獄鳥/碧の戦士/冷堕琉古/龍歯拾箔医/冬のカレー/ワナワナライスサラダ/鎧/西瓜カレー/竹カレー/竹蛇羅檻/琴鳥作群魚遊泳/カレー・フェロカクタス/坦々悟浄/マグネチックカレー/偽年輪カレー樹/緑カレー
【帯文:いまおかしんじ 映画監督】
「カレーを食べすぎて、狂ってしまった人の日記のようだ。たかがカレーに、これだけの言葉とエネルギーを注ぎ込めるなんて、アホで最高。」
文庫判84pages
虹釜太郎「カレー野獣館 黒」(円盤)¥800+税
【収録作品】
巨鯨第七腸室室長/巨人のつま先/白黒カレーのラメラフラン/鱗と蛹/狐と狸/がんもたぬ/五郎八忌/懲役三八六五年/どっちあっちの熱々/風ビリヤニ/華南動物園前稀飯店/ゴーグルカレー/花季地弓/暇炭/天竺宿相撲顛末聞取控/虎と蟻/入鯨式
【帯文:三角みづ紀 詩人】
「暴力的なのに紳士で優しい。恋愛に似ている」
文庫判72pages