月別アーカイブ: 2018年11月

インド初のオルタナ系漫画誌 ベリテVérité 01

ベリテVérité 01(Studio Ekonte, Comix India)¥1800+税

インド初のオルタナ系コミックマガジンが創刊されました。
リアルで真実な直球勝負の漫画表現を求めて、誌名は「ベリテ」!!

コマすらグラフィックの一部のように扱う、形式に囚われないケースもあるインド作家たちの作品と、日本のオルタナ系の重鎮、つげ忠男・辰巳ヨシヒロ・山松ゆうきち・勝又進・常山陽二らの作品を掲載。
また、読み物として劇画における線を使った速さの表現をライアン・ホームバーグが寄稿。
表裏・両面表紙になっています。

執筆者
インド:Anpu Varkey, Biboswan Bose, Shaunak Samvatsar, Nandita Basu and Bharath Murthy.
日本:つげ忠男・辰巳ヨシヒロ・山松ゆうきち・勝又進・常山陽二
フランス:Simon Lamouret アメリカ:Nick Tobier

“The spirit of Japanese magazines GARO and AX can
really be felt in this significant new venue for Indian,
Japanese and international comics to meet and mingle.
You need VÉRITÉ and that’s the truth!”
– Paul Gravett, comics journalist and historian

21x 14cm 240pages  English

サツマイモと人と本をつなぐジン「イモヅル vol.4 戦と芋」

「イモヅル vol.4 戦と芋」 ¥463+税

サツマイモと人と本をつなぐ冊子イモヅル。
この号の表紙は、かなりお芋色! 地味だけど、是非とも手にとって中をご覧いただきたい、おすすめ冊子のひとつです!!!!

巻頭エッセイは、前号の荻窪のtitleに続いて書店シリーズ?、 京都の古書店カライモブックスさん。

4号の特集は、戦後73年を経ての「戦と芋」。
戦時下、食糧として、また輸入がとまったガソリンに代わるアルコール燃料の原料として増産が奨励されたサツマイモ。
当時の文書を繙きながら、現在に比べても桁違いなとんでも増産計画と実際を掘り出します。

あわせて、サツマイモを使った代用食の調理、サツマイモさえ食べられなかったかつての軍国少女の体験談も収録。

レポートでは、過去2回、微妙な結果に終わったプランタでの芋栽培に今年も挑戦。栽培から収穫・試食までの150日間の記録「実録・べにまさり栽培記」。

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もくじ

●寄稿 「サツマイモBOX」奥田順平

●特集 戦と芋
一千万トンの藷ー総動員体制下のサツマイモ/
甘藷の代用食三種/聞き書き“軍国少女”トサツマイモ/50年後の「イモ・ハダシ」論ー沖縄ー

Report 実録・べにまさり栽培記

●ヨムイモ ー読む芋ー
「人生をいじくり回してはいけない」「うなぎの丸かじり」「落語百選 春」
「文化人類学入門」「バン・マリーへの手紙」

●topic サツマイモ由来の「植物リポフェノール」
化粧品成分として発の実用化

A5判32pages

少女廣告 第四號 特集「異議あり!少女廣告的CM裁判」

少女廣告 第四號 特集「異議あり!少女廣告的CM裁判」¥286+税

商品とともに消費され、時代とともに変化する広告を掘りおこし、思いを綴る「少女廣告」。

第四号の特集は、広告の放送中止や自粛について。
ポリティカル・コレクトネスが重視され、SNSなどで人々がメディアや社会に影響を与える昨今、自粛や放送中止は日常的になってきました。
そこで、過去のCMを掘り起こし「問題になったもの、なりそうなもの」、「現在では放送不可のもの」をピックアップして、本当に不適切か、不愉快かを少女廣告がジャッジすることに。今日的なテーマで過去CMに斬り込みます!

75年の「わたし、作る人、ぼく食べる人」にはじまるジェンダー問題、そしてナチス的なファッションやグラフィックを取り入れてしまう問題、などなど、お騒がせ広告やら、よく放送していたなな広告が登場。

このほか
◾️わたしと商品『サンドイッチに見た幻のガイコク』
◾️特別寄稿 岡江真一郎『右からニ番目が天然水
◾️CMコーデ 『男の子ふたりと海にいくつもりならーJR東日本・房総ビューにみる浜辺のワンピース』
◾️CMディスク 『小林亜星アンソロジー 』 『安田成美コレクション』
◾️ 本とモノ 『海ごはん山ごはん』『 戦後史にみるテレビ放送中止事』
◾️『映画とモノ山田洋次監督「家族」の民子は女の子か?問題 』
◾️CM小唄 『アツギ・アスティーグ 凛 』

袋とじ製本になっていて、内側には図版やテクストがあります。

A5判40pages

西潟浩平「カストリ雑誌創刊号表紙コレクション」

西潟浩平「カストリ雑誌創刊号表紙コレクション」(カストリ出版)¥2900+税

戦後間もなく(昭和21〜24)に発行された大衆紙は、性的モチーフを実話や物語、読物などに含み、3号も出ずに消えてゆくことから、3合飲むと酔いつぶれる闇市のカストリ焼酎になぞらえて、カストリ雑誌と呼ばれました。

後年、粗悪な造りで闇市に出回った風俗雑誌というイメージが強いこれらの雑誌ですが、戦中に貯蔵していた紙を使用したり、それまでの出版流通システムがGHQにより閉鎖されたなどの理由で闇に出回ることになったり…と、実物は後づけのイメージと異なるものもありヴァラエティ富んでいました。
そんな短期間に溢れ出して消えていった、様々な大衆紙の創刊号の表紙ばかり116点を西潟コレクションから選び、オールカラーで1ページ1表紙で収録。戦後の解放感と吹き出る欲望、カオティックな文化状況が伝わってきます。

当時人気の、あるいは後に活躍する作家やアーティストたちが多数寄稿していて、巻末のリストや資料を見るのも発見の連続です。

B5判 168pages(カストリ出版)

103才まで人形を作った原田栄夫さんの創作ノートを孫が編集した「祖父の創作ノート」

原田栄夫著 原田オニール芽編「祖父の創作ノート」¥800+税

2018年5月に103才で亡くなられた原田栄夫さんは1914年生まれ。
長い間、技師として働き、90才を過ぎてから、ちり紙や紙粘土で作りはじめた人形は、素朴でいながら、どこか色気や愛嬌あると、孫娘がSNSで紹介したり小冊子「祖父の人形」にまとめるうちに、静かに人々を魅了し展覧会を各地で開催するに至り、100才をすぎても創作に励んだ。

この冊子は、「祖父の人形」以降の作品とともに、メモ魔であった氏が綴った日々の雑記や創作メモやスケッチを孫の芽さんが再び編集、さらに、その人形を愛する田中美穂(蟲文庫)や渡辺尚子(編集者・ライター)浅生ハルミン(イラストレーター、エッセイスト)らのエッセイとあわせて冊子にしたもの。

巻末には孫から見た祖父と創作について綴られています。

100才をすぎても、様々なアイデアと工夫で進化する祖父の人形と、同様に写真や構成を工夫して祖父の創作の背景も含めて立体的に伝える孫の編集のコラボに、驚いたりほっこりしたり。

祖父の人形とあわせてご覧ください。

A5判32pages オールカラー