月別アーカイブ: 2017年7月

APIED vol.29「夢野久作『ドグラ・マグラ』『少女地獄』他」

APIED vol.29「夢野久作『ドグラ・マグラ』『少女地獄』他」¥600+税

毎号、ひとつのテーマに、文筆家、研究家、読書好き、様々な書き手たちが、書評やエッセイ、小論文、創作(漫画も)を寄せる文芸誌。

没後80年を過ぎても、今なお人気の夢野久作。
26号のシュルレアリスム特集の中で夢野久作についての原稿をきっかけに未読作品を繙いた編集人が、成立した時代を超えた自由すぎる作品世界に魅了されての特集。

本文中の人形作品の作家は天野可淡、撮影は片岡佐吉、表紙挿画は銅版画家の山下陽子、表紙を開いての赤いトレペの遊び紙のステンドグラス模様も印象的。

千野帽子「『白髪小僧』と『百年の孤独』文藝ガーリッシュ・読書おぼえがき」
黒田大河「アンポンタン・ポカン君と読む『ドグラ・マグラ』」
吉川麻里「憧憬」
金澤一志「あたたかい夜」
金城京香「地獄の沙汰も」
黒川ろほ「『ドグラ・マグラ』の著者松宮源三
中村惠一「押絵の挿絵ーー夢野久作と竹中英太郎」
一之田吉「狭間の生活」
金城静穂「オトギバナシの『白髪小僧』」
菅野水紀「奈落」
砂岸あろ「アクムの瓶詰」
藤井祐介「鶴見俊輔論」
蒔田あお「先生、ワタシワタシ」
楡りふか「前世の記憶」
佐久間慶子「孫中山先生の子」
谷口基「「卵」小考」

山本善行「善行堂通信」人との出会い、本との出会い(11)

表紙装画 山下陽子

22cm×13cm 76pages

都築響一 ROADSIDE LIBRARY vol.003 ベラミ

都築響一 ROADSIDE LIBRARY vol.003 「ベラミ」¥3500+税

都築響一の(品切れになったままの)過去の著書や、本になるべきなのに、誰もしようとしなかった作品を中心に電子書籍でお届けするプロジェクト『ROADSIDE LIBRARY』。
第3弾は『おんなのアルバム キャバレー・ベラミの踊り子たち』。
北九州市若松のグランドキャバレー・ベラミの歴史と、そのステージを飾った踊り子や芸人たちの写真コレクションです。

かつて日本一の石炭積み出し港だった北九州市若松で、華やかな夜を演出したグランドキャバレー・ベラミ。
元従業員寮から発掘された営業用写真およそ1400枚を高解像度スキャンして収録。2ギガバイト!というメガ・ボリュームのUSB版デジタル写真集となります。

ベラミ30年間の歴史をたどる調査資料も完全掲載。写真と共に発掘された当時の8ミリ映像が、動画ファイルとしてご覧いただけます。
昭和のキャバレー世界をビジュアルで体感できる貴重な画像資料!! マンボ、ジャズ、ボサノバ、サイケデリック・ロック・・・お好きな音楽をBGMに流しながら、たっぷりお楽しみください。

通常の電子書籍の常識を越えるボリュームを踊り子さんの写真入りのカード型USBに収録し、プラスチックケースにお入れしています。(ディバイスを選ばないので)プレゼントや海外へのお土産にもおすすめです。

PDFフォーマット 1409pages 2.0GB +動画3本(300MB)

紙とインクの同人誌 CDT 02「LIVING THINGS 鳥獣虫魚」

紙とインクの同人誌 CDT 02「LIVING THINGS 鳥獣虫魚」¥1200+税

字とタイポグラフィを愛する、TDC (東京タイプディレクターズクラブ)の同人誌。
編集長 は毎号交代、1 冊 1 テーマ、発行は不定期、定められたフォーマットはなし、という不思議な自由冊子です。

2号のテーマは、LIVING THINGS「鳥獣虫魚」。

デザイナーの視点からは、文字やフォントが、蛇や虫、鳥のような動く生き物にも見えることもあるようで、そうした目を持つデザイナーたちが、眺めたり考えるいきものについて語っています。

編集長と表紙デザイン を井上嗣也、本文ページデザインを祖父江慎、造本設計を菊地敦己が担当。

TDC 会長の浅葉克己をはじめ、有山達也、伊勢克也、井上嗣也、井上庸子、葛西薫、菊地敦己、祖父江慎、 仲條正義、中村至男、服部一成の 11 名に加え、ゲスト寄稿者に写真家・宮崎学とジョン・ ワーウィッカーを迎えた特異な執筆陣となっています。

A5判変型 48pages 1200部限定 アイレント中綴じ / ダブル表紙
表紙は2種類ありますが、本文は同じです。

70年代、文学を志す一青年の日記〜創作 1973年10月〜1975年7月

創作 1973年10月〜1975年7月 ¥1300+税

どこの誰が書いたかわからない70年代の日記ーーー

書き手は、文学を志し、名作や話題作を読破し、学びながら、自身が「凡人」であることを自覚する。
それゆえに、自らを追いこみ、職を辞して後道を絶ち、さらには食い詰め、日雇いに就き、その実直さゆえに勝負師の素質もないのにギャンブルに囚われ(=カモられ)、借金を背負い、心折れては気持ちを新たに、旅に出る…

しかし、旅は転機も奇跡ももたらさず、主人公は己の凡庸さんを噛み締めつつ、精神世界に関心を抱きはじめるたところで日記は唐突に終わる。

凡庸さに苦悩し、真摯に創作を志す昭和の若者の心情が日々が、数行の天気や用件、思考を綴った簡潔な文から伝わってきます。その、悩ましさ、不安や焦り、諦めetc.は、時代に関係なく何かを志す者に響きます。

B6判184pages

駄目な民具蒐集マガジン 駄民具 vol.3「エリマキトカゲ」

駄目な民具蒐集マガジン 駄民具 vol.3「エリマキトカゲ」¥602+税

駄目な民具=駄民具とは
(1)親に捨てられる
(2)無駄な物だと解っていても欲しい
(3)手にするとい絶滅危惧種を保護したような気持ちになる

インベーター、ツッパリ、なめ猫など、善悪を問う姿勢や過剰な暴力にあふれた時代の後にやってきた、ひょうきんでブリッ子(←平成生まれにはわからないターム?)な軽チャーっぽい風潮。そんな80年代半ばにテレビCMに登場したのをきっかけに、ヒダ襟状のヒフを広げて二足で走る姿で大ブレークしたエリマキトカゲ。

「軽薄な時代を走れ。エリマキと影」と称して、空虚に駆け抜けた明るい時代とブームに飽きやすい日本人が、作りまくって消費した「エリマキトカゲ」駄民具を集めてみました。

A5判16pages エリマキシールつき