月別アーカイブ: 2017年8月

Son Ni 「PEEP HOUSE」

Son Ni「PEEP HOUSE」(nos:books)¥4444+税

台北で活動するアーティストで、グラフィックブックを発行するnos:booksを主宰するSon Niのアートオブジェ。

紙箱の中にはお家の形をしたオブジェ。裏の穴の中を除きながら煙突部分を押すとSon Niの8つの作品のスライドショーが始まります。

Zineでは、ミニマルな線でユニークな表現を追求する彼女ですが、このスライドショーでは、盆栽とヌード写真のエロティックなコラージュ人体盆栽(2010)を、家の中に覗き見するという趣向で、最近の紙の作品と違った印象を与えてくれます。

スライドショーはドイツの古い工場で作成されました。

家 7.8 cm x 4.8 cm x 2.4 cm,カラースライド8作 ドイツ製
外箱 9.2 cm x 6.7 cm x 4.2 cm シルクスクリーン4色印刷 台湾製
限定400個 nos:books

※スライド画像は、除き穴から撮影したもので、視界や色味は肉眼で見たときと異なります。ご参考までに。

Chi Hoi 智海「Good Afternoon Hong Kong 香港午安」

智海Chi Hoi「Good Afternoon HONG KONG 香港午安」(nos:books)¥3148+税

台北を拠点に活動する、香港出身のアーティスト/漫画家、智海(Chi Hoi)のアートオブジェ。

紙箱の中の小さなテレビの裏腹の覗き穴を見ながら、下にあるボタンを押すと、智海が選んだ思い出深い、空港、文華酒店(マンダリン・オリエンタル・ホテル)、獅子山(Lion Rock)八仙嶺(Pak Sin Leng Mountains)など8つの景色が、スライドショー形式であらわれます。

ドイツの古い工場で作られた、懐かしい香港の景色をおさめたオブジェです。台湾で印刷された、景色を解説する小冊子(英語/中国語)もついています。

テレビ本体 5.5cm x 4.5cm x 2.5cm ドイツ製
小冊子 7.8cm x 6cm,8pages リソグラフ印刷
外箱 8cm x 6.5cm x 3cm シルクスクリーン3色印刷 台湾製
800個限定 nos:books

☆智海(Chi Hoi チーホイ)
77年香港生まれ。子供の頃から絵を描くのが好きで、大学では食品栄養学を学ぶ一方で、独学で漫画や絵を描き、96年より、地方紙や海外の雑誌おアンソロジーなどで作品を発表しはじめる。
作品には、《大騎劫──漫畫香港文學》(Hijacking – Comic HongKong Literature)(2007), 《灰掐》(The Train)(2007) , and solo《默示錄》(Still Life) (2003) などがある。
漫画作品は、英語圏をはじめイタリア、グランス、フィンランドなどで翻訳されている。

※作品の画像は、覗き穴をカメラで見たもので、肉眼で見た場合と異なります。参考までに。

梁丞佑 写真集「人」

梁丞佑「人」(Zen foto gallery)¥4630+税

梁丞佑による土門拳賞受賞後最初の作品集「人」は横浜寿町を舞台にした人々がテーマ。
受賞作の「新宿迷子」同様に、自身が街に飛び込み、路上の住人となり人々と交わる中で、その自然な姿、あるいは普段みせない表情を捉えています。

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神奈川県横浜市寿町。
横浜中華街から10分ほど歩いた所に存在する。
最初は話に聞いて何の気なしに訪れた。
いろんな国の言葉が聞こえ、さらに私が思っている日本像とはあまりに違う街の様子に「ここは日本ではない」と感じた。

撮りたいと強く思い、この街に通いつめるわけだが、しばらくは「ただ、見ていた」。隠し撮りをするという方法もあったのだが、それではなんだか気がとがめ、彼らと交わりたいと思った。
とりあえず、道に座って酒を飲んでみた。
彼らは私が煙草の吸殻を灰皿に捨てたら「変な奴だ」と言った。言葉も乱暴。しかし「分け合う」ことを知っていた。生活は貧しくても心は豊かであるように感じた。

こうして彼らと過ごす事3ヶ月。やっと、私に1人が聞いた。
「お前は何をやっている人間なんだ」と。
仕事もせずに日がな一日道に座っている事を、やっと奇妙に思ってくれたのだ。
満を持して私は言った。
「写真しています」と。そこから私の撮影が始まった。

ぎりぎりで、這いつくばるような、そうかと思えば、すでに全てを超え浮遊しているような、悲しさや寂しさ辛さとともに、幸せも楽しみも、悪意も善意も。
手に取るように感じられた。
「人が生きるということは…」
そう問われているように感じた。

ある日、コインランドリーの入り口で雨宿りをしていた一人の中年男性がいた。血だらけだった。「どうしたの?」と聞いたら、その男性は私の目を見て、
「だるまさんが転んだ…」とだけ繰り返した。温かいお茶を差し出したら、
「ありがとう」と言って、ただ握っていた。私がいるときには、飲まなかった。

日本には「だるまさんが転んだ」という遊びがある。
鬼が「だるまさんが転んだ」といって振り返ると、鬼に向かって近づいて来ていた人達は、動きを止める。もし動いている事がばれると、自分もまた鬼になる。

オレに構うな。

「だるまさんが転んだ」

もしかするとそういう事だったのかもしれないと今になって思う。

2017年現在、寿町は他のドヤ街と同じく以前の姿は消え、高齢化が進み、街の「境界」は曖昧になり他の街となじみつつある。

これらの写真は、2002年から2017年まで寿町で撮影したものです。  ーーー梁丞佑

profile
梁丞佑(Yang Seungwoo)
韓国出身。96年に来日、日本写真芸術専門学校、東京工芸大学芸術学部写真学科、
同大学院芸術学研究科メディアアートを修了。在学中より写真家として活動を開始し、2003年の在学中に米国International Photography Awards Other Photojournalism Section入賞。2008年にはキャノン写真新世紀佳作入選、2009年に東京都美術館にて開催された第34回「視点」への出品など、対象に深く入り込むスタイルを貫き、国内外で評価を得ています。
2017年土門拳賞受賞。

A4判112pages English/Japanese

渡辺大輔「キャバレーに花束を 小姓町ソシュウの物語」

渡辺大輔「キャバレーに花束を 小姓町ソシュウの物語」(傑作屋)¥1280+税

かつて山形市小性町にあった東北最大のグランドキャバレー”ソシュウ”(84年閉店)が、2017年に開店60年目を迎えるにあたり、現在この界隈で飲食店を経営する筆者がゆかりの人々に取材して自費出版した貴重なインタビュー集。

かつての花街に、57年に開店したソシュウは東北一のキャバレーで、淡谷のり子や黛ジュン、欧陽菲菲ら人気歌手やアート・ブレーキーなど米国のジャズドラマーがステージに上がるなど、数多くのショーが開かれる大人の社交場として賑わい、小姓町は仙台の国分町と並ぶ繁華街でしたが接待需要の激減でソシュウが閉店すると町も衰退してしまいます。

近所のスナックマスターから当時の盛況ぶりを聞いた、30代の筆者はインターネットのない時代の地方の世俗の文化とあって、資料も乏しい中、当時働いていたホステス、バンドマン、ボーイ、常連客など24人に取材し、トークリレー形式で、ソシュウと小姓町の往事の反映を記録しました。

当時、日本の都市にあった、大人の社交の場、グランドキャバレーの模様を伝える貴重な資料です。北九州のグランドキャバレー「ベラミ」の踊り子さんや芸人さんたちを撮った写真集ベラミもあわせてどうぞ。

B6判140pages