HB vol.03 2008 spring「愉しいチェーン店ライフ!」 ¥500
巻頭特集は「愉しいチェーン店ライフ!」。街雑誌が好んでとりあげる、ノスタルジックで暖かみある商店街やユニークな個人商店だけでなく、当たり前にそこかしこにあるチェーン店に目を向けてみたら…。ということで、ジャンクな味わいを声高に肯定するでもなく、店ごとの微妙な差異の蘊蓄をたれるでなく、あえて各人のチェーン店の愉しみ方を語ってもらう、という、ちょいゆる企画です。
もうひとつの特集は、『不良番長』シリーズや『夜遊びの帝王』シリーズを手がけ、『俗物図鑑』(一九八二年、筒井康隆原作)を皮切りに、筒井康隆資金協力のもと『スタア』を監督した内藤誠。
明治文化研究者でもあり、ヘボン博士を研究した『ヘボン博士のカクテル・パーティー』(講談社)の著作を持ち、日本大学芸術学部で教鞭もとる内藤監督を知るべく、ロングインタビューを試みたり、筒井康隆とのトークショーを採録したり、『時の娘』で助監督を務めた高橋徹(古本屋〈月の輪書林〉)や日大芸術学部での教え子でもある冨永昌敬監督(監督作品に『パビリオン山椒魚』『コンナオトナノオンナノコ』など)のコメントを掲載。監督の未発表自伝『偏屈系映画図鑑』の一部も収録しています。
A5判78P
月別アーカイブ: 2008年2月
「本の手帳」お取り扱いはじめました
本の手帳 創刊号¥840 2〜4号 各¥1050
『古本屋の女房』の著者で、校正から製本、蔵書票の実製作を手掛ける田中栞さんと、リーブルオブジェや版画も作成するブックデザイナーで『装丁探索』の著作もある大貫伸樹氏の二人が編集発行する、本好きの本好きによる本好きのための冊子「本の手帳』のお取り扱いをはじめました!
本に書かれていることだけでなく、本という形態から本作りのあれこれすべてを、愛で、観察・考察する、という二人ゆえに、本をつくる紙、製本、印刷、出版・流通はもとより、検印紙、しおり、書皮、篆刻、けしゴム版画…とその興味は広がりながらも細部におよびます。
二人が交代で編集長をつとめているので、号によって、特集から表紙の雰囲気まで違って、それもお楽しみ。
創刊号では田中編集長のもと蔵書票作家さんとその作品を多数紹介。2号では本を論じるにあたり表紙のみならずディテール写真も掲載して本が誕生する経緯をいろいろ考察。3号では世界的蔵書票コレクター・小枝昭一コレクションから国内外の珠玉の300作を紹介。4号では、川口松太郎の後を受けてプラトン社の雑誌『苦楽』の編集を行ない、竹中英太郎を見いだした西口紫溟、「MAVO」「戦旗」など転換点となる20年代の日本の書物、小津安二郎本研究、桜井均はなぜ”櫻井書店”と”大同出版”の2社を経営していたかなる考察、などなど本にまつわるいい話がたくさん。
詳細は各号の表紙をクリックしてみてください。
ブルボン小林 編「スポンジスター」
「スポンジスター」¥1260
作家・長嶋有が、ゆるいゲームコラムなどを執筆するときに使うブルボン小林名義で発行したインディペンデントマガジン。
ブルボン小林の極私的興味のまま、「現金漫画としての藤子不二雄A論」なる長編評論を執筆しているほか、カラスヤサトシ、金剛地武志、しまおまほ、飯田和敏ほか多くのゲストに寄稿を依頼したり、対談やインタビューをしています。
小説(巻頭一挙掲載) 「パンチラをみて好きになった」鎌田順也
漫画 「ノイズのクジラ」原作・海猫沢めろん 作画・2g
カラスヤサトシ・ブルボン小林五万字対談(+書き下ろし漫画)「我々はデーモン小暮を求め訴えたり」
「無題」前田浩孝
「コウとユーのバンド結成記♪」飯田和敏
「文字象形」「見渡せばタコス」「アストロ」2g
長編評論「現金漫画としての藤子不二雄A論」ブルボン小林
「yoot2……yootの事情」斎藤由多加
金剛地武志二万字インタビュー(ゲスト・斎藤由多加)
「1だろ、1。」漫画・戸塚伎一 文・ブルボン小林
「ロボットを知る」北山功(エイジゼロ株式会社)(絵・2g)
「八重樫ことわざ」べつやくれい
「ふりーtalk」林雄司
表紙・しまおまほ/装幀・畠山香織
A5判208P
初回入荷分には、ブルボン小林氏のサインとファミ通ステッカーがついています!
見開き2ページの批評実験「REVIEW HOUSE」創刊
REVIEW HOUSE 創刊号 ¥1000
文藝から音楽、アートあるいはその他、ジャンルや形態にこだわらずに、見開き2ページというコンパクトなフォーマットの中でレビューを展開することだけを条件に、これまでとっつきにくかった批評をポップに展開しよう、という新たな批評誌です。
巻頭はインタビューの三本立て。青木淳悟(小説家「四十日と四十夜のメルヘン」「いい子は家で」)、nhhmbase(バンド・ネハンベース)、横内賢太郎(美術)。巻末には美術洋書店EOS ART BOOKSにおける美術批評家・林道郎のレクチャー「セス・ジーゲローブと編集の政治学」を再録。
REVIEWは—
奥村雄樹「サイケデリアのためのレシピ:グスタフ・メツガーとベルナール・フリズ」
大谷能生「CDの向こう側を探る」
木村覚「愚かであることの可能性」
手塚夏子「体の上層部と深層部を行き来する動きの起動点を見ること」
土屋誠一「描き続けることは倫理か? 丸木位里・俊の〈原爆の図〉を見る」
小口尚思「デッド(リー)・スペース(DEAD(LY) SPACE)–ポール・ファイファー〈FOUR HORSEMEN OF THE APOCALYPSE〉について」
伊藤亜紗「ゾンビを踊らせるための装置の開発」
田中功起「カツ丼食べて、大日本人を見ておもったこと。」
平井玄「SHINGO☆西成:釜ヶ崎を持ち運ぶ–TAZとしてのラップ」
杉原環受「非熱狂的空間の引力」
星野太「言語に内在する眩暈 –佐藤雄一『WRONG RELIEF」」
伊藤亜紗「スタイルとしての要約–捨象する辺疆さと飛躍する自由」
木村覚「「あて振り」としてのアート–小指値の最新公演から見えたパフォーマンスの地平」
黒瀬陽平「「らき☆すた』–空転するメタ意識」
荒木慎也「アメリカの美術学校における韓国人留学生の増加について」
A4変型96P