日別アーカイブ: 2008 年 2 月 7 日

文芸系同人誌「tolata 2」

tolata 2  ¥1000

 toltaとはイタリア語でお菓子を意味するそう。
いろいろなモノ、表現領域、エトセトラを切ったり貼ったりして新しいモノをつくっていこう、という気概の下、同人誌を発行したりイベントの企画などを行なっているとのこと。
 詩や小説、戯曲などを掲載したこの冊子も、そんな方向性を現すべく、創刊号は実際のお菓子の空き箱をコラージュした表紙で、今回は表紙や目次まわりに詩人の小笠原鳥類のイラストを使用。特に目次部分はイラストを使ったツリーがポップアップになってひろがったり、本体と表紙や折り込み付録が マジックテープで繋がっていて取り外し・取り付けが可能です。
 多くのお客さんに手にとってほしいということで、毎回、工夫をこらしているそうです。
前にご紹介したイルクーツク2もそうですが、最近、文芸系の冊子が、装いからトータルに工夫をこらして、何か新しさやエネルギーを感じさせてくれます。

 創作
 ・山田亮太、河野聡子の新作詩篇
 ・南谷奉良による驚愕の新作長編詩
 ・ゲスト作品(敬称略)
 (詩など)小峰慎也、最果タヒ、橘上
 ・山田亮太による戯曲「双子の誕生」
その他評論とか
 ・南谷奉良「Big Bang Babel」
 ・河野聡子「マハーバーラタ・ノート」
 ・他、チェルフィッチュや安川奈緒や機械についてのミニコラム
 現代詩の世界で活躍を期待される、小笠原鳥類、詩集「複雑骨折」を上梓した橘上、「時計一族」を出した同人の河野聡子、など現代詩の最近も伝わってきます。
B5変型152P

田亀源五郎「外道の家 中巻」

田亀源五郎「外道の家 中巻」 ¥1500

 すでに上巻で、婿入りした旧家・堀川家の義父に犯され、そのために嫁の萩乃には蔑まれ種馬扱いされ、おまけに義祖母にまで体を弄ばれ、女中たちには嗤われ…と家中の者から辱めを受け、これ以上の惨めさはない!という位に落ちるところまで落ちた寅蔵。
—しかしこれらはまだまだ序の口だった! 
 召使いたちに召使い扱いされ性欲の捌け口にされるは、萩乃に一途な想いを寄せる秀雄のジェラシーを買い、縄と性具を使ったまるで発明楽器のような拷問装置を連打され責めまくられるやら…。(御用牙の米俵なんて比べものにならないくらい、いじめ抜かれています)
 そうこうしているうちに、萩乃は嫡子となる寅蔵の子を生み、はれて秀雄と家を出ようとするのだが、そんな家族の断裂が堀川家の呪わしい過去を徐々に露呈させる…。
 時代の流れの中、農地改革で使用人たちも去り、人々も様変わりしてゆくが、唯一、寅蔵を蹂躙することだけは、あい変わらずに続くのであった…。
A5判286P
 すでに年末に発売となった上巻で、その昼メロ的な欲望の渦巻く旧家の人間ドラマに、ハードなSMとゲイエロが加わった特異な物語がさらにエスカレート! ドラマにつきものの出生の秘密、いじめ、バイオレンス、生と死、愛と憎しみ、家族の因果、性欲に金銭欲…などなどあらゆる要素が投じられる中、寅蔵はひたすらいじめ抜かれ、その多面的なお話から老若男女にお楽しみいただける内容となっています。
A5判286P