日別アーカイブ: 2007 年 11 月 21 日

ジャック・リゴー「自殺総代理店」

ジャック・リゴー/訳・亀井薫・松本完治「自殺総代理店」 ¥1995

 アンドレ・ブルトンに影響を与え、マン・レイの映画に出演、ルイ・マルの映画「鬼火」の主人公のモデルになったジャック・リゴー。端正な顔立ちと紳士な身のこなしから、アメリカ社交界にデビューしジゴロ生活を送ったかと思えば、ヘロインとアルコールの中毒となりフランスに帰国し、自らの心臓に銃を撃ち、その生涯に幕をおろしたダダイストの遺稿から選ばれた短編と、詳細な年譜を付した、本格的ジャック・リゴー本。
 当時の写真も収録しています。
 自殺を安全かつ迅速にお手伝いする自殺総代理店の開店のお知らせと商品案内の形をとった、ブラックなユーモア漂う「自殺総代理店」など8短編と遺稿断片で構成されています。
四六判128P

スムース文庫「ふるほんやたいへいき」「ヒコーキ野郎のフランス便り」

大庭柯公「ふるほんやたいへいき」 ¥525

 日露戦争に従軍後、新聞記者生活を経て、自らもメディアを立ち上げた筆者は、その後、日本社会主義同盟発起人となり、そのつてから革命ロシアに潜入するも、消息を断つ(逮捕、銃殺されたと推察される)。
 これは、愛書家である大庭が趣味に流されることなくジャーナリストの視点をもって綴った本にまるわるエッセイで、大正8〜9年に雑誌に発表されたものを、彼の死後の昭和14年に「古本屋太平記」と題してまとめられた本の復刻にあたります。
A5判 64P
ヒコーキ野郎のフランス便り

 明治末期に単身フランスへ渡り、飛行機を操り第一次大戦にも参加したバロン滋野こと滋野清武や当時の滞欧画家たちの絵はがきを、実際の絵はがき写真もまじえて掲載。
 稲垣足穂の「ヒコーキ野郎たち」でもフランス軍に参戦した最初の日本人パイロットとして知られるバロン滋野と、特に同時期に画家を志しパリに滞在した宇和川通喩(みちさと)が編集人の遠縁にあたることから、彼の遺品として家に保管されていた宇和川宛て葉書が多数収録されています。
A5判 64P