kalas 19 2013.4月号「幸せな孤立」(カラスブックス)¥571+税
三重県津市から発信する個人制作の地方誌kalasがリニューアル。年4回から3回のペースとなり、その分、一号あたりのボリューウがアップしました。
キャッチフレーズも“津の小冊子”から“翼のある小冊子”となり、kalasの翼を使って、津から飛び出し、津とは違うけど津と通じるところのある地方の街の活動までレポートしています。
一方で、津の中では、生産や表現の過程にかかわる舞台裏の人や、新しい事を開拓しつつある人に目を向けて、より地元とそこで活動をする人を強力に応援する姿勢が伺えます。
特集は「幸せな孤立」
小さな街だから、地場産業というほど組織的な体制もないけれど、それゆえに自分のスタイルと品質を確立してきた地元の老舗を取材。
一店舗主義で、買い付けた牛の鮮度の落とさぬように店内作業で数日のうちに店頭にお肉を並べ最高級の松坂牛を適正価格で提供する「朝日屋」。
おぼろ染めを開発した明治からのタオルの老舗で、低迷期にあってもリストラをすることなく100年前から変らぬタオルを作り続ける「おぼろタオル」。
浮世絵や唐紙のための版木の加工を行なう大工で職人の金沢さん…。津の街で、自分のスタイルを守り、技術を継承しながら新しい時代に向き合っている人たちを紹介します。
旅のコーナーでは尾道へ。足腰の弱ったお年寄りには暮らしにくくなり空き家が増えた、海と坂の町・尾道へ。しかし、若い人にとっては海の見える古い一軒家はあこがれの住まい。そこで、空き家に若い住人を紹介したり、アーティストレジデンスを行なうことで、活気づいてきた尾道を,編集人が訪ね、このプロジェクトの当事者に取材。まさに翼の生えた感じのkalasです。
【コンテンツ】
モノ●並ぶまでに 鈴木雄大さんのチーズとホエイから
主題●幸せな孤独
朝日屋という価値/今井くるみさんの帰還/おぼろタオルの強弱/金沢健幸さんの放し方
写真●界隈 松原豊
情報●平治煎餅さんが百年企業に/岐阜市柳ヶ瀬商店街で「ハロー!やながせ」開幕/写真師・田本研造の後裔来る
旅行●高飛び 尾道市で空き家巡り
献立●海と大地のごはん 矢田勝美 “小女子漁と、そのいただきかた”
土産●つみあげや 平山美佐子 横井さんのチーズケーキ
徒然●興味津々 地底の楽園 麿洞温泉 涼風荘
絵本●ストーブの娘 つうみあれい
書評●まちの本棚 奥山健太郎 ほか
A5判92pages