アニメルカ vol.3 特集:岡田麿里とアニメの物語論 ¥1575
前号の「アニメ表現論」と対置する形で「岡田麿里とアニメの物語論(ナラトロジー)」を特集。
【巻頭インタビュー】
脚本家 岡田麿里 インタビュー:現代を代表する気鋭の脚本家・岡田麿里に対して、過去の取材を分析した上で、これまでになかった生理や射精、ニワトリ等のモチーフにも斬り込む。
【クロスレビュー】
岡田麿里作品 クロスレビュー:岡田麿里がシリーズ構成・脚本に関わった中から主な20作品をとりあげ、一作につき三人の論者によるレビューを付す。執筆者は石岡良治、サカモト、しねあい、杉田u、喉、bono、反=アニメ批評
☆クロスレビュー対象作品(18作品+2作品)
『おとぎストーリー 天使のしっぽ』
『まじめにふまじめ かいけつゾロリ なぞのお宝大さくせん』
『シムーン』
『砂沙美☆魔法少女クラブ』シリーズ
『RED GARDEN』/『デッドガールズ』
『護くんに女神の祝福を!』
『こどものじかん』
『スケッチブック 〜full color’s〜』
『シナモン the Movie』
『true tears』
『ヴァンパイア騎士』シリーズ
『とらドラ!』
『黒執事』シリーズ
『CANAAN』
『戦う司書 The Book of Bantorra』
『おとめ妖怪 ざくろ』
『フラクタル』
『放浪息子』
(+『GOSICK』、『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』)
【論考】
村上裕一「ノスタルジーの文法——岡田麿里が描く自然」:『シムーン』『true tears』『とらドラ!』『放浪息子』、そして『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』までの主要作品を巡りながら、岡田作品に描かれる死や生=性、自然、ノスタルジーを論じる。
しねあい「あらかじめ運命を定められた子供たち——『とらドラ!』の歴史=物語をめぐって」:ミクスチャーマガジン『BLACK PAST』編集でもあるしねあいが『とらドラ!』をとりあげ、主役のひとり川嶋亜美の特殊な立ち位置に注視しながら、天使/元天使、メタプレイヤー/プレイヤー、ポストモダン/モダンといった対比を軸に、「運命」の認識を問う。
杉田u「本当の『フラクタル』の話をしよう。」:ブログ「ばべのれ」管理人で、『エロ年代の想像力』メンバーでもある杉田uが、問題作『フラクタクル』について、監督の山本寛、原案の東浩紀、そして脚本の岡田麿里、それぞれの役割や来歴を精緻に分析。
喉「身体が声を呼ぶ——アニメ『放浪息子』と、ある願いへの応答」:アニメ批評では珍しく心理学・精神分析を援用し、身体と声をめぐるキャラクターの成長と物語を論じる。
【対談】
脚本の物語、演出の物語、希望の物語
平川哲生(『川の光』監督) × 反=アニメ批評
アニメルカ白熱教室——トランスメディアな物語論へ向けて
石岡良治(批評家) × 反=アニメ批評
【論考】
泉信行「魔法少女アニメの過去と未来——『魔法少女まどか☆マギカ』が描けなかった少女たち」:日本における魔女っ子/魔法少女の起源から、一大ジャンルを形成した魔法少女アニメという物語の歴史を体系付ける力作。100作品あまりを網羅した魔法少女アニメ年表つき。
麻草郁「まぼろしの怒り」:「原作レイプ」問題を論じる。
【座談会】
「背景から考える(中編)——移動・記憶・アフターザクェイク」みやじ・はるを・よしたか × tricken × 反=アニメ批評:アニメにおける背景表現を論じる座談会シリーズ。
【論考】
米原将磨「声と死と」:『新世紀エヴァンゲリオン』とほぼ同年代生まれの現役高校生論客が新世代の『エヴァ』論を展開。
【座談会】
Axel Terizaki、Enthousiaste、nyoronyolo、Pazu、Tetho、mt-i 「フランスにおけるアニメ・漫画・ファンダムの歴史=物語」:6人の現地フランス人が英語圏とも日本とも違うアニメ事情—ネット文化とアニメ、フランスにおけるアニメ・マンガ受容の歴史、アニメイベント、萌えとセクシャリティ、フランスにおけるアニメ批評等々—を語る。
【表紙】
梅沢和木
【アニメルカイラスト】
斉藤新人
しまこ
Sedeto
手折
mossko
【責任編集】
反=アニメ批評
A5判202P |