日別アーカイブ: 2017 年 4 月 7 日

大人ごはん vol.2 「みんなの食卓探訪記」

大人ごはん vol.2「みんなの食卓探訪記」¥650+税

食を通して日常を描く新雑誌「大人ごはん」第2号。

創刊号では女優の門脇麦、作家の角田光代など、作家やアーティスト、食にかかわる人たちに、ふだんの食事について取材し、個人誌と思えぬ編集スキルを見せた「大人ごはん」。
2号目では、各地で取材を行い、大人がこどものために作るごく普通の保育園のごはん、認知症のお年寄りを預かりディサービスの託老所よりあいのごはんなど、市井の食の現場の声にじっくり耳を傾け、様々な人の様々な食についての考え方にふれ、ゆたかな食事を考えさせられる内容になっています。

ほかにも、黒磯でのフードスタイリストの高橋みどりとアンティークショップ店主吉田昌太郎夫妻の熟年夫婦の食、島ぐらしのひとり飯の贅沢と都会の外食の間で考えた事を綴った内澤旬子の巻頭エッセイ、座談会「作家と料理」では、高山なおみさんとともに、武田百合子の『富士日記』『犬が星見た』の料理を再現なども。
グラビアは、大河ドラマ『真田丸』でたか役を演じ、活躍の幅を広げる、岸井ゆき。

◉誰と食べるか?それが問題だ
「飯は飯でしかない」内澤旬子
◉手抜きごはんの嗜み
「サッポロ一番を使った実験」時岡孝行
◉特集・みんなの食卓探訪記
高橋みどり&吉田昌太郎
デジタル・アド・サービス
立野みどり保育園
宅老所よりあい
◉ごはんとわたし
岸井ゆきの
◉日々のなりわい
「ただ本が好きなだけ。それなのに…」
橙書店・田尻久子
◉何食べて生きてる?
柏田道夫
◉へべとレケの喰い飲み放談
「いろいろだよなあ、酒飲みってのは!」
大竹聡&牧野伊三夫
◉作家と料理座談会
「武田百合子さんの料理をつくる」
高山なおみ&狩野俊&マスダユキ
◉本当に愛着あるモノと暮らし
「石巻人がつくるこけし」
◉ある食卓の風景
「動物たちとの騒がしい朝食」
室谷明津子

A5判52pages (うちカラー8pages)

山尾悠子「角砂糖の日」新装判(書き下し掌編小説『小鳥たち』収録

山尾悠子「角砂糖の日」新装版(Librarie6)¥3200+税

1982年に深夜叢書社より刊行され、長らく品切れとなっていた山尾悠子の唯一の歌集『角砂糖の日』がLIBRAIRIE6から新装復刊。新装版特典として書き下し掌編小説『小鳥たち』を収録。

挿画は、合田佐和子、まりの・るうにい、山下陽子。函と表紙に銀箔押しをした、美しい製本です。

「小鳥のやうに愕き易く、すぐに同様する性質の〈水の城館〉の侍女たち、すなはち華奢な編み上げ靴の少女たちは行儀よく列をなして行動し、庭園名物の驚愕噴水にうかうか踏み込みたび激しく衝突しあふのだった。」(『小鳥たち』冒頭)

角砂糖の日より三首ーーーーー

春眠の少年跨ぎこすと月昏らむ いづこの森やいま花ざかり

昏れゆく市街に鷹を放てば紅玉の夜の果てまで水脈たちのぼれ

角砂糖角ほろほろに悲しき日窓硝子唾もて濡らせしはいつ

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A5判変型上製 104pages 函入り

●山尾悠子
1955年岡山県生まれ。幼少期にナルニア国物語、学生時代に澁澤龍彦の著作を介して様々な異端文学に影響を受け、在学中に「仮面舞踏会」を『S-Fマガジン』のSF三大コンテスト小説部門に応募、75年同誌に掲載されデビュー。
日本SF作家クラブのメンバーとして小松左京、星新一、筒井康隆、手塚治虫、永井豪らに刺激を受け創作を続ける一方で、その幻想的な作風と熱狂的な愛好者がいながら作品が単行本されないまま、80年代半ばから休筆状態であったことから、孤高の作家、伝説的作家と見なされるようになる。
99年に「幻想文学」誌に「アンヌンツィアツィオーネ」を発表して復活。2000年には単行本未収録作も含むそれまでの作品を集めた『山尾悠子作品集成』が国書刊行会より発行され、2003年9月には2作目の書き下ろし長編『ラピスラズリ』を発表。「角砂糖の日」は、82年発行の山尾唯一の歌集。