月別アーカイブ: 2012年6月

たった一文で語る怪談—文 吉田悠軌 画 津川智宏「一行怪談」

一行怪談

文 吉田悠軌 画 津川智宏「一行怪談」(とうもろこしの会)¥600

怪処を発行する、怪談とオカルトのサークルとうもろこしの会の吉田悠軌による、一行だけで綴る怪談84本が文庫本にまとまりました。

一行怪談のルールは—
・題名は入らない。
・文章に句点は一つ。
・詩ではなく物語である。
・物語の中でも怪談に近い。
・以上を踏まえた一続きの文章。

 といわけで、一行というよりは一文怪談といった感じかもしれません。あるいはtwitter的というか。
 日本では飯田茂美さん『世界は蜜でみたされる — 一行物語集』、海外では“ One Line Novels ”と呼ばれ、ごく一部で知られている「一行」に拘った物語形式に、怪談を携えて踏み込んでみた、のだそう…。
 漫画短編集『人魚町』の津川智宏によるイラストを10点あまり収録しています。

文庫判 96P

一行怪談

OROCHI RECORDSいろいろ!青木ヨーマベスト「Characters」/yukiga futte uresii「十月に肘鉄」/山本静雄「ガラスのドリル」/motoi kotaka「おもいだし笑い」

青木ヨーマ「Characters」

青木ヨーマベスト かなもけん選「Characters」¥1260

青木ヨーマのベスト、14曲入りアルバム。
青木ヨーマさんの音が気になる方は、ご自身のレーベルイワオカゼロをご参照ください。

Yukiga Futte Uresii 十月に肘鉄

Yukiga Futte Uresii「十月に肘鉄」¥1260

 金沢在住のアーティストYukiga Futte Uresiiのアルバム。2トラック。
【Yukiga Futte Uresii】
06年Cuumin Kaiin(休眠会員)名義で音楽活動開始。08年、Yikiga Futte Uresiiに改名。09年、自主レーベルOL OILを立ち上げる。10年、nadukeenumono より1st CD、 Sasayaku Youni Sinde Ikuを、CHIMACHIMA Tapes から CDR、Faeate Toen (Yukiga Futte Uresii x Satetsu 名義) リリース。
1st「sasayaku youni sindeiku」もお取り扱い中!

motoi kotaka 「おもいだし笑い」

Motoi Kotaka 「おもいだし笑い」¥1260

テクノポップ!
【Motoi Kotaka】
こちらでいろいろな音源を聴けます。
http://www.ceramicrecords.net/artist/motoikotaka

山本静雄「ガラスのドリル」

山本静雄「ガラスのドリル」¥1260

サイケフォークの新星、山本静雄のファーストアルバム。

motoi kotaka、山本静雄、青木ヨーマ、yukiga futte uresii「おろちレコード4枚セット」

motoi kotaka、山本静雄、青木ヨーマ、Yukiga Futte Uresii「おろちレコード4枚セット」¥2520

OROCHI RECORDSのこれまでの4枚のアルバム(各¥1200+税)をまとめた超お得セット。イラストレーターかなもけんのチョイスによる ポップ ノイズ サイケ テクノ の4つのジャンルのミュージシャンとアートワークが楽しめます!

ベルリンの韓国人アーティストJeong Hwa Min「Cyan」

Cyan

Jeong Hwa Min「Cyan」¥3000

ベルリン在住の韓国人アーティストで、Le Monde Diplomatique(フランスの新聞Le Mondeの姉妹紙で政治・国際問題、外交に関する記事が中心の月刊誌 )などに寄稿しているJeong Hwa Minが自身でシルクスクリーンプリントした絵本のようなコミック。

主人公は白ネコのシアン。お家を抜け出したシアンは、ジャングル、サーカス、映画館、エベレストなどを巡って大冒険をします。鮮やかな蛍光カラーで刷られたポップな絵柄が魅力。

27.5cm×20.5cm 20P(2色刷り)110部限定ナンバー入り

Cyan本文

ラトビアからオルタナティブコミック誌 kuš! とš!が届きました

s! 10 表紙

みなさん、ラトビアってどこにあるか御存知? バルト海に面した、バルト三国の真ん中、リトアニアとエストニアに挟まれた国で、1991年にソ連から独立して、今はEUに加盟しています。

ソ連から独立後も、ラトビアのコミックは子供向け、歴史もの、風刺が中心で出版点数も少なかったのですが、そこにやって来たマンガ好きのスイス人が、芸術系コミックを紹介しようとして2007年に創刊したのがこのkuš!だそう。外国の有名作家にも原稿を依頼し、内外の作品を広く掲載する中で、自国の作家も育ち、展示やワークショップも行なううちに、後続のコミック誌も生まれ、規模こそ小さいが活況を呈してきたラトビアのコミックシーン。その地域性とエネルギーが伝わるコミック誌kuš!とš!が届きました。kuš!とラトビアのマンガシーンについては田中六大さんが発行する漫画同人誌uzo♯11に特集が組まれていますので、詳しくはそちらをご参照ください。

二誌の違いは、kuš!を発行する上で経済的なピンチに見舞われたとき、なんとか継続しようと、サイズを小さく(それに伴い送料も削減)したのがš!。どちらもタイトルはラトビア語で「ねえ」「ちょっと」という意味だそうです。判型こそ、小さくなりましたが、収録作品とペース数は増え、クオリティはアップ! 編集人のDavidさんは今後も状況に応じて雑誌の形も実験してゆきたいと前向きです。

二誌はこれまでにキクチヒロノリ、田中六大、香山哲など日本の作家の作品も収録しているほか、場所柄か、東欧、北欧の作家も多く紹介しています。言語は英語で、印刷はオールカラー。コミックというより絵本、あるいはBDっぽい作品も収録されていてヴァリエーションも豊富、グラフジンとしても楽しめて、と〜ってもお得です。

上の画像は最新号のš!10号。表紙はポーランドの漫画家Maciej Sieńczyk。この号は「sea stories」がテーマなのですが、この人、大型船の船長が手袋をとると指が赤児になっていて、イクメンしながら航海するなんていう妙な状況を渋いタッチで描いていたり、謎の漂流物が海から流れ着くお話を描いていたり…と妙です。

Reincarnation

また、日本から参加した香山さんは2色で描いていて、いつものタッチと違った印象が。

s!10

バックナンバーも含めて入荷しましたので、各号についての詳しくはこちらをご覧ください(¥300〜¥800)。お求めのお客様にkuš!特製ポストカードをプレゼントします!

kus! / s! / uzo