月別アーカイブ: 2011年8月

怪奇スポット探訪マガジン『怪処 vol.01 』特集:東日本異景

怪処 vol.1 表紙

怪処 vol.01 東日本異景(とうもろこしの会)¥1000

ライターの吉田悠軌氏を中心に、怪談をはじめ、オカルト全般の研究・取材を行うとうもろこしの会が怪奇スポット探訪マガジン(年2回–夏・冬–発行予定)を創刊しました。豊富な写真や図版は、怪奇あるいは珍スポットのヴィジュアルブックとして楽しめますが、記事は怪奇を形づくった歴史や社会についてまで考察していて、怪奇の背景や風景論としても十分に読みごたえがあります。

巻頭特集は「東日本異景 失われつつある風景の境界線を巡る」。羽田の大鳥居(表紙)にはじまり、津軽や福島いわきの賽の河原、岩手八幡平の鉱山跡地、福島猪苗代の廃墟ペンションから、神奈川の奇祭スポットやらインディーズ磨崖仏まで硬軟8スポットを紹介。単なるスポットやオカルトエピソードの説明にとどまらず、その土地の記憶にも目を向け、怪奇スポットの怪奇たるゆえんに思いを巡らせます。

「怪しい偉人の墓」では、青森にあるキリストの墓をはじめ、モーゼやヨセフの墓を訪ねる。そして、歴史を辿りながら、キリスト教関係の墓がなぜ日本にあるのか?という命題を検証します。

「オカルト×温泉」では、大地から吹き出す謎のパワーもまたオカルトと温泉を解釈し、関東を中心に7温泉につかる。というか最近パワースポットの名でご利益目当てで、オカルトから切り離されて語られがちな湧き水系スポットを、もう一度、違う視点から味わってみようという企画。吉見百穴に近い百穴温泉では、潜入取材の模様が北原功士によって漫画化。

祈りと呪いのボーダー? 全国縁切り絵馬スポットと絵馬を見ながら、古くからの縁切り信仰と今後の縁切りの方向?についても言及。

インタビューは日本ホラー界の新鋭映画監督白石晃士。ホラー・暴力・フェイクドキュメンタリー気鋭の映画監督に聞く、オカルトと場所について」

ほかにも、都市伝説の現場、怪モノ紀行、怪書紹介、街の怪処、など。

B5判48P オールカラー

怪処 vol.1 

怪処 vol.1 

怪処 vol.1 

旅と趣味

旅と趣味 第5号 表紙

旅と趣味 第5号(日曜研究社)¥1050

日曜研究家の串間努氏が編集する、趣味を愛し、旅を楽しむ、昭和娯楽の総合趣味誌「旅と趣味」。
旅行 商標 蒐集 煙趣 酒票 燐票 温泉 玩具 歴史 観光 蒐印 愛石 探墓 釣行 懐古 復刻 昭和レトロ などにスポットをあてます。

図版のカラーの部分はすべて、実際のラベルなどを貼りこんでいます。

【目次】

※署名記事以外は串間氏が執筆
「趣味誌の歴史 昭和戦前 三田平凡寺と池田文痴庵」
「手書き雑誌について 『日曜研究家』とインターネット」
「欧米の蒐集趣味の歴史 外国の紙モノはEphemeraという」
「日本燐票史 戦前のマッチ蒐集 廣告宣伝燐票の巻」
「旅と蒐集趣味概論 絵葉書の歴史、諸問題の巻」
「ビジネスホテル貧困ふらふら放浪記」
「B級大好き「オッサンぽ」 埼玉県行田に足袋とフライを求めて」
「温泉街貧困散歩記 湯村温泉に泊まり昇仙峡に登るの巻」
「世の中で怒っている人」
「秋の散歩まつり」 もりしたしんじ
「自転車で稲毛に行ってみた」 青木はじめ
「蒐集品の戦利報告」

「趣味誌の歴史 昭和戦前 三田平凡寺と池田文痴庵」では、昭和に入り御大典などで趣味誌が活性化する中で、趣味人の代表格三田平凡寺(夏目房之介の母方の祖父)と文献漁りや取材を重視する研究家(斎藤昌三ら)とが台頭する中での平凡寺周辺の動きを紹介。また「旅と蒐集趣味概論 絵葉書の歴史、諸問題の巻」では、連載4話目にして明治に戻って問題点を論じる。
A5版84P

旅と趣味 第5号

旅と趣味 第5号

バックナンバーもございます。

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関根美有 初期短編集「ずばぬけたバラ」

ずばぬけたバラ 表紙

関根美有「ずばぬけたバラ」(エベレストライブラリ)¥450

2001年から2003年にかけて「H」および「コミックH」に掲載された短編6本に未発表作1本を加えた、関根美有初期短編集。

カメラが体調を崩して誤作動してしまったり! 一人暮らしの部屋に帰宅すればそこにはもうひとつの世界があったり…、シンプルに描かれた親しみやすいキャラクターが、日常と隣り合わせのSFっぽい世界に紛れ込み、引き起こす夢のような物語…。なのに読み終わってみると、不思議な解放感や寂寥感が残る、大人のためのお伽噺のような掌編集。
もし、関根美有さんのパースペクティヴの眼鏡をかけて世界を眺めることができたら、どんなにかこれまでと違った世界や見えなかった世界が見えるようになることか。

収録作品は—僕とカメラと……。/終末感/コントロール/言い訳/妖怪ひまなめ/畳が嘘をつく/そして秋に

A5版50P

ずばぬけたバラ
ずばぬけたバラ
ずばぬけたバラ

 

小田ひで次「小田ひで次個人誌版 御遊戯」

小田ひで次個人誌版 御遊戯 表紙

小田ひで次「小田ひで次個人誌版 御遊戯」(オフィスひで次)¥1000

『拡散』『ミヨリの森』『平成マンガ家実存物語 おはようひで次くん!』などで知られる鬼才・小田ひで次の近年の未収録作品を集めた、30年ぶりになる同人誌。文星芸術大学の紀要に収録された連作『世界の外で』シリーズ5作品と、36ページに及ぶ『おはようひで次くん!』の新作描きおろし<特別編>「ギャラリー&カフェひで次館」を収録。

自作に使用している手描きトーン「ODAーTONE」の解説・収録など、本作から読み始めても満足できる完成度の1冊。冊数に限りがありますので入手はお早めに。

「30年近く前“とち丸”というペンネームで同人誌活動をしていた。自分を含めた、マンガの可能性を拡げるような、実験的な突出した作品を集めた理想の本「御遊戯」を創るのが夢だった。(中略)一応はプロの作歌となった今も、幻の「御遊戯 本誌」のラインナップに加えてもらえるような作品かどうか、が自己評価の基準だったりする。近い将来、グレイドアップした、ちゃんと売物になる「御遊戯 本誌」を編集してみたいが、今回はいわば「小田ひで次個人誌版 御遊戯」というところだろうか」(ごあいさつより)

B5版 72P

小田ひで次個人誌版 御遊戯 裏表紙

ナカG、鈴木詩子、高槻ナギー「推しメン最強伝説」

推しメン最強伝説

ナカG、鈴木詩子、高槻ナギー「推しメン最強伝説」(ミライシリーズ)¥525

Berryz工房がももクロZのライブ会場に殴りこみをかけ、ファンの前で夢の公開勝負を繰り広げるナカGの「Berryz工房vsももいろクローバーZ」(16P)。

Berryz工房のももち=嗣永桃子ちゃんが突然この世を去り、悲嘆にくれる私の元に、彼女の霊がやって来た! が、楽しいふたりの生活にも、やがて、終わりがおとずれる…。切ないアイドル物語、鈴木詩子「ごめんね、ももち」(6P)。

高槻ナギー「Z伝説あかりん」(1P).

B5判24P