月別アーカイブ: 2011年6月

萱島雄太「トレモロピカソ tremolo picasso」

トレモロピカソ表紙

萱島雄太「トレモロピカソ tremolo picasso」¥740

古典文学を原作とした漫画「鼻」(芥川龍之介)や「オツベルと象」(宮沢賢治)で注目を集める、萱島雄太の、また別の様式の作品集。
「月刊漫画星」に連載されたオールカラーの作品で、登場人物は毎回、少女と男の二人。この二人とお題に関係ある小道具、そして線とコマだけで、サイレントなスラップスティックが展開されます。
登場人物のみならず、コマ自体が壊れたり、動いたりして、マンガのレトリックをいろいろと使っての紙の中を所狭しと動きまわります。
A5判44P

トレモロピカソ

トレモロピカソ

どくろく 臨時増刊号「ひとり震災不安定日記」

どくろく臨時増刊

どくろく 臨時増刊号「ひとり震災不安定日記」¥200

特別な趣味もなく休日の予定もないない独身30代女性の日常の考察を綴るミニコミ「どくろく」(どくしんしゃによる どくしんしゃのための ろくでもないざっし の略)を発行しつつ、通勤途中の中央線から見える景色を綴るフリペ「車窓」を発行する武蔵野ヘルスセンターのあらみさん。そんなイベントの少ない?地味な日常が、ある日突然、打ち破られる。東日本大震災ならびに福島第一原発事故の発生である。

放射能の危険に怯えながら常にネット上の情報を収拾し、家族や職場の上司や同僚に、放射能から身を守るためのサバイバル法をメールで、あるいは口頭で伝え、警告を発する中、ついに、恐怖にたまりかね、数少ない親しい学生時代からの友人を頼り一路岡山へ避難。ただならぬ心理状態に、酒が加わり、10数年来の友情関係が一夜にして”わけあり”状態に一転、悶々とした気持ちを引きずりながら、東京に戻ると、悪化する原発の状況とあいまって筆者の気持ちは一気に負のフパイラルに。東京と岡山の温度差、あるいはこの非常時に日常を続行する親や、異常に前向きな職場の人々との温度差をひしひしと感じ、相変わらず周囲に警鐘を鳴らしながら、夜になるとネットをチェックしながら酒を飲まずにはいられず寝落ちする日々…。

震災の発生からの日記の形で、直後の日常をリアルかつ赤裸裸に綴る、これまでのどくろくとは一線を画す異色の震災日記。3.11以前には戻れない放射能下の日常の中、以前の関係に戻れない失恋者然とした気持ちに振り回され、それでも被災地支援に立ち上がるなど、現実と妄想の間をはげしく振れる、ネット用語でいう危険”厨”と化した30代女性が、それでも自らのイタい日々を見据え、自身が拠り所としてきたメディア・ミニコミにまとめた、切なくもリアルな震災下を生きた証し。ヒューマンドキュメンタリー、ミニコミ部門があったら推したい作品です。

A5判92P

※この本の売上は、福島県災害対策本部と日本赤十字に寄付されるそうです。

「またまたインドへ馬鹿がやって来た」山松ゆうきち半日店長 ご報告

6月5日、「またまたインドへ馬鹿がやって来た」(日本文芸社)の発行を記念して、山松ゆうきちさんの半日店長イベントが行われました。インドでの漫画普及を思い立って、英語もヒンディ語もわからないまま、つてもないまま単身渡印。なんとか平田弘史『血だるま剣法』ヒンディ版の出版にこぎつけたものの、一石を投じるにいたらぬまま帰国。それでも”またまた”インドへ行ってしまった山松さん。うどんを作って売り、漫才をして、インド人の胃袋と心をガッチリ掴んだうえで、漫画を売り込もうとするのですが…。

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イベント当日—60年代半ばに貸本漫画でデビュー以来、(競輪選手になるための漫画家引退宣言など)紆余曲折を経ながらもコンスタントに作品を発表し続けてきた山松先生らしく、ファンの中には雑誌に掲載された作品のスクラップや品切となった単行本を持参する方々もいらっしゃいました。また、いましろたかしさんやあらいあきさんら漫画家さんたちもファンの一人としてサインをいただくほほえましい場面もあり、artists’ artistな存在を見せつけられました。さらに、作品の中で翻訳者/世話人?として登場するインド在住(当時)の石川さんも、イベントに立ち会って、ここでも山松さんをサポートしてくださいました。

スクラップブック

(お客様のスクラップを見入る山松さん)

当日は、山松さん手書きのナーガリー文字表と役立つヒンディ語集をプリントしてご用意いただき、現地で屋台販売したうどんのレシピ、ヒンディ語に関するエッセイ、ガネーシャステッカーなどの特典も揃って豪華になりました。特典つき「またまたインドに馬鹿がやって来た」は店頭、通販でも引き続きお求めいただけます

またまたインドの特典

ナーガリー文字の部分は山松さんの手書きです。

ステッカー

ホログラム加工でビックリマンシールみたいになった山松さん画のガネーシャステッカー。

インド式漫才

イベントの最後は、漫才で。インド漫才の台本を朗読する山松さん。

〜ご来場ありがとうございました〜

中原昌也誕生記念 HAIR STYLISTICS自主制作CDR セ〜ル

forever hug center

6月4日のお誕生日を記念して、6月4日&5日の2日間、限定自主制作CDRを、店頭、通販ともに20%offで販売します。どうぞお見逃しなく。絵ももうすぐ通販でお求めいただけるようにアップしますね。(CDRは通販の場合、最初の自動返信の受注メールでは割引が表示されませんが、商品をご用意した後の確認メールで訂正した価格をお知らせしますので、ご安心ください>>>通販はこちらから

そして恒例のお誕生会—-

6月4日(土)

開場19:00 開演20:00
料金 2000円
@SuperDeluxe
ライブ:
HAIR STYLISTICS
伊東篤宏(オプトラム)ソロ
2MUCH CREW
空間現代
前田瑛未(P)&吉田結(V)ーーフランク作曲バイオリン・ソナタ1・2楽章
VJ:ROKAPENIS
DJ:lastdaybikini(Kayo,GJ a.k.a.五所純子,dj袋とじ)
宇宙マッサージ:プリミ恥部
詳細はこちらhttp://www.super-deluxe.com/2011/6/4/

DVDマガジン メイコグ03「すいっちん-バイブ新世紀-」

メイコグ3号 ジャケット

メイコグ03「すいっちん-バイブ新世紀-」(メイコグ)¥1575

日本各地の秘宝館を取材した映像「日本聖地巡礼」以降、すきまカルチャーに正攻法で斬り込むドキュメンタリー作家サッサタニーチェ監督のDVDマガジン”メイコグ”第三弾。ドキュメンタリー映像を収録したDVDと、映像制作にあたって考えた事を綴った自身のテクストとユニークなクリエーターたちのコラムを収録した冊子がセットになっています。
今回の特集は「バイブ」

【DVD】
ここは都内某所、マンションの一室。シャコシャコという音が断続的に聞こえる。男は彫刻刀を片手に深緑色のロウを彫っていた。次第にクビレが見え、フォルムが整う。彼は日本でも数少ないバイブの原型師だ。彼が作るバイブの質感は、男性器にかなり近い。「人間の体の一部」と彼は言う。

一つ疑問が生じた。バイブは男性器の代わりなのか?バイブは何のためにあるのか?

男の支配欲を満たすもの?女のオナニーに使うもの?

普段あまり語られることのないバイブの世界を追ったドキュメンタリーが、ここに堂堂完成。
「創る人から使う人、それぞれの肉声」「バイブから見る男女」をテーマに取材。
ポップでキュートなバイブメーカー、バイブ原型師、夜眠る時までもフォルムに悩むバイブ設計者たち、などバイブメーカー×5社。
よくある街角のアダルトショップ、女による女だけのバイブショップ、性感開発の先生など、バイブショップ×3店。
オナニーが趣味だと豪語するオナニスト。
そしてバイブを延々改造し続ける男。
まさに「バイブ巨編」である。バイブとは一体何なのか?我々の欲望は何処へ向かっていくのか。
61min

【メイコグマガジン】
「こけしの立身」ササタニーチェ
「デリシャスウィートス チャーマァの小さなつぼみ花ひらけ」チャーマァ
「芋虫ダイアリー」きむいっきょん
「ニットアーティストatricotのとっりらかった紡ぎばなし」atricot
「料理によく合う音楽」佐藤儀一

12cm×18cm 20P

メイコグ03 冊子