田亀源五郎編 「日本のゲイ・エロティック・アートvol.3 ゲイ雑誌の発展と多様化する作家たち」

田亀源五郎編 「日本のゲイ・エロティック・アートvol.3 ゲイ雑誌の発展と多様化する作家たち」(ポット出版)¥4500+税

日本のアート史に埋もれる「ゲイ・エロティック・アーティスト」たちを丹念に掘り起こし再評価する「日本のゲイ・エロティック・アート」シリーズの完結編。漫画家でゲイ・エロティック・アーティストである田亀源五郎の企画・編集。

vol.1では黎明期の作家たち、vol.2では、1970年代から現在に至るまで、ゲイ雑誌で活躍しているアーティストを紹介したが、vol.3も同様にゲイ雑誌などで活躍したアーティストたちの作品を収録。

収録作家—稲垣征次、武内条二、髙蔵大介、水影鐐司、鈴木節、遠山実、児夢ーーー170点以上を掲載。

ケヴィン・クラークによる序文、編者・田亀源五郎による概論や各作家の解説、稲垣征次インタビューを日本語・英語の二カ国語表記で収録しています。

2003年にvol.1を発行してから、出版状況や社会状況も大きく変わり、監修者の田亀源五郎自身も、海外での展覧会などアーティストとしての活動の場が増え、「弟の夫」のようにゲイが登場するがエロティックとは別の側面を描いた作品を一般誌に発表するようになり、ゲイエロティックアートを取り巻く状況も大きく変化した。完結編と銘打ちながらも、これまでのゲイエロティックアートの流れからこぼれてしまうもの、あるいはこれまでのゲイエロティックアートから踏み出して展開してゆくであろうアートを予感しつつ、アートと社会の今後の課題を指摘した内容になっています。

A5判256P 上製 函入り