月別アーカイブ: 2019年2月

八画文化会館叢書vol.09『Electric Bath Handbook 電気風呂御案内200』

八画文化会館叢書vol.09『Electric Bath Handbook 電気風呂御案内200』(八画出版部)¥1000+税

前代未聞、電気風呂ハンドブック。

銭湯のなかでも、ちょっと怖くて近寄りがたいイメージのある電気風呂。

文字通り、電気が通った、シビレるお風呂、電気風呂。
関西圏の銭湯に多く普及しているそうですが、著者のけんちんさんは、かつて肉体労働やバンドで体を酷使していたときに、腰痛と疲労に見舞われ、リフレッシュのために銭湯巡りをしている中で、これが体に合ったのか、気持ちもよく体調も回復!
すっかりはまって、以来、全国の電気風呂に入浴してまわるのをライフワークにしているというスペシャリスト。

「四天王」「極楽」「地獄」「湯治」「湯めぐり」の5つのカテゴリ別におすすめ32物件の詳細レビューを掲載するほか、老舗電気風呂メーカー・小西電機インタビューや、イラスト図解で電気風呂の入り方も解説!

巻末には電気風呂の強弱を5段階で表した「電気風呂パワー」とひとことコメント付きの200物件INDEXもついています。
これを読んで、さっそく電気風呂にGOOOO!!!!

A5判32pages オールカラー

八画文化会館叢書vol.08『MYSTERY RUINS ふしぎな廃人形の世界』

八画文化会館叢書vol.08『MYSTERY RUINS ふしぎな廃人形の世界』(八画出版部)¥1000+税

叢書vol.1の『ビックリ廃墟ジャーーナル』の著者ポンチハンターが廃墟で捉えた人形たちの写真集。

廃墟や路上に捨てられたり忘れ去られた人形たち。
破損や劣化、風化、イタズラなどで、ユーモラスでなんともいえない表情や佇まいや表情をみせてくれます。

テーマパークや秘宝館、お寺や学校の跡で遭遇した、機械仕掛けが露出したロボット人形、風化しながらまぐわい続ける男女のマネキン、朽ちかけた人体模型たち。
ちょっと怖くて無常だけど、エロティックでユーモラスな人形たちの世界。

“廃墟を美しいだけの芸術的な被写体としてではなく、煽り立てるだけの心霊スポットでもなく、産業遺産として保護対象に変えてしまうのでもない。
既存の態度とは一線を画した独自の廃墟へのまなざしと楽しみ方がある”

【内容】
謎と怪奇の廃人形ショウ/倒れゆく廃人形たち/ふしぎな廃人形があの世とこの世を繋ぐ/闇に浮かぶ生首がきみを襲う/顔のないロボットの反乱/逃げまどう人形たちの足音が聞こえてくる/
廃墟に隠されたタブー

□廃人形セレクション30
□著者インタビュー「ふしぎな廃人形と出会う」
□解説 小嶋独観

【著者プロフィール】
ポンチハンター
廃墟&珍スポ愛好家。小さい頃から廃墟や珍スポが好きという変わった子どもだったので、高校時代にバイクの免許を取ると当然のように廃墟&珍スポ巡りを始める。
その後、四輪の免許を取得し活動範囲を拡大。
インターネットで情報を集めやすくなったことも後押しして、今では日本全国の廃墟&珍スポを訪ね歩いている。
1989年の大滝ランド訪問で廃墟の人形の魅力に開眼。廃墟に残る人形情報の収集に余念がない毎日を送っている。

A5判32pages オールカラー

木版漫画 藤宮史 「羅生門」

木版漫画 藤宮史 「羅生門」(黒猫堂)¥602+税

木版漫画の藤宮史、久々の新作。
年齢的なものからくる心身の不調に加えて遠距離介護のために完成までに2年以上の歳月をかけた短編。

芥川龍之介「羅生門」を原作に、平安時代、天変地異や基金で荒廃した都の羅生門と、そこに打ち捨てられた身寄りのない者たちの遺体、さらには死者から髪の毛を奪う老婆、その老婆を身ぐるみはがす下人の姿が、木版画で描写されています。

木版に刻まれた、雨の中の羅生門や薄明かりの中に並ぶ死体がオイリーな香りのする墨色インクで強く暗く刷り込まれています。

B5判40pages

脇田敦「SMAP 王の物語」

脇田敦「SMAP 王の物語」¥2000+税

ロフトプラスワンの店長を経て、ラジオの株番組のディレクターや日本語教師を経てサッカー関係の著作もある脇田敦による斬新なSMAP論。

ジャニーズ帝国のスターシステムの中で、マッチ、光GENJIについて「王者」に君臨し、国民的人気を得たSMAP。
奇しくも、昭和天皇の病状が公表された88年に、Jrによる結成されたSMAPは、今上天皇が生前退位の意向を示した16年に解散しました。
著者は、ジャニーズの王たちも、王室や皇室のように、アーティスト個人の意志を超えたシステムや合意の中で生まれ、やがて退く存在とみなし、その過程を、社会や歴史、皇室、日米関係そしてSMAP自身が発信する歌詞などから、縦横無尽に読み解いてゆきます。

次代の王「嵐」が台頭し、トップ交代劇の中で「No1にならなくてもいい、もともと特別なOnly one」と、自らの存在感を改めて示したのが「世界に一つだけの花」であるように、SMAPの世界観を作るクリエーターとともに築いた王の物語を振り返ることで、「嵐」の活動休止もまた、少し違ってみえてくるかもしれません。

皇室や王室でも、絶対君主から、交流と平和に軸足を移したようにアイドルの在り方も時代とともに変化してきました。
時代の終わりとシンクロして、テレビの中の王たちが退位するこのタイミングにぜひ!

A5変型218pages

月刊ドライブインが一冊にまとまりました! 橋本倫史『ドライブイン探訪』

橋本倫史『ドライブイン探訪』(筑摩書房)¥1700+税

日本中に道路網が巡らされ、人と物の行き来が盛んだった時代、サービスエリアやパーキングとは別に、車やバイクで乗り付け、食事や休憩をとれる個人経営のお店がロードサイドに多数誕生しました。
しかし、地方の衰退や通信網の充実、旅客産業の発達…と様々な事情で平成が終ろうとする人、ドライブインも年老いた経営者たちの引退とともに姿を消してきています。

著者の橋本倫史は、2011年から北海道から沖縄までのドライブインに出向き、店の成り立ち、時代背景、歴史を丁寧に聞き取り、リトルプレス『月刊ドライブイン』に毎号2店舗ずつ12号にわたって、時代の移り変わりに翻弄されなが夫婦や家族で店を続けてきた人たちのレポートしました。

8年の時と、12冊のリトルプレスを通してまとめて取材内容を、単行本化にあたり加筆修正して、一冊にまとめました。

【目次】

まえがき
プロローグ
酪農とドライブインの町 直別・ミッキーハウスドライブイン

Ⅰ ハイウェイ時代

かつてハイウェイ時代があった 阿蘇・城山ドライブイン
東海道はドライブイン銀座 掛川・小泉屋
クルマで巡る遍路道 ドライブイン27
千日道路の今 奈良・山添ドライブイン

Ⅱ アメリカの輝き

一九六六年のピザハウス かつて都心にドライブインがあった
グッド・オールディーズ 平塚・ペッパーズドライブイン
オレンジ色の輝き エイアンドダブリュ株式会社
沖縄で感じるハワイ 本部町・ドライブインレストランハワイ

Ⅲ 花盛りの思い出

観光バスはどこまでも 能登・ロードパーク女の浦
レトロなオートレストラン 群馬・ドライブイン七輿
トラック野郎のオアシス 福島・二本松バイパスドライブイン
ドライブインのマドンナ 千葉・なぎさドライブイン

Ⅳ 移りゆく時代に

きたぐにの冬 青森・わかばドライブイン
目的地はドライブイン 栃木・大川戸ドライブイン
一本列島の夢 児島・ラ・レインボー
採掘のあとに 筑豊・ドライブインかわら

Ⅴ 店を続けること

霧に包まれた道 津山・ドライブインつぼい
雪に覆われた道 南魚沼・石打ドライブイン
海辺 岩手・レストハウスうしお
川辺 小山・ドライブイン扶桑

エピローグ
戦後 鹿児島・ドライブイン薩摩隼人

あとがき
参考文献

四六判320pages
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橋本倫史(はしもと・ともふみ)
1982年生まれ、広島県東広島市出身。ライター。
構成を担当した書籍に坪内祐三+福田和也『羊頭狗肉 のんだくれ時評65選』(扶桑社)、谷川俊太郎+箭内道彦+宮藤官九郎『ボクらの時代 自由になる技術 80歳詩人の言葉を聞く』(扶桑社)、宇野常寛+濱野智史『希望論―2010年代の文化と社会』 (NHKブックス)、向井秀徳『厚岸のおかず』(イースト・プレス)などがある。
2007年、リトルマガジン『HB』を創刊。その後もいくつかのリトルプレスを手がけ、2017年春に『月刊ドライブイン』を創刊。