月別アーカイブ: 2018年1月

餅井アンナ「食に淫する 3 肉」/「真夜中のお菓子」

餅井アンナ「食に淫する 3 肉」¥1000+税

食と性について写真と文芸で掘り下げるzine『食に淫する』。
“あらゆる欲望のかたちを咀嚼し、混ぜ合わせ、肉の内側に取り込むこと。日々繰り返す食事のたのしみ、その媾合の運動じみた反復の中に、新たな潤いの源泉を発見すること。きっと「食に淫する」というのは、どういうことである。”

血みどろの腥い、残酷と苦痛に満ちた冷たい肉が、やがて暖かくおいしい快楽として口から喉を通り、やがて食べた人の血肉となる…
様々なテクストから食肉に関する部分を拾い出し、餅井アンナが食と性や生についてのレビューを展開します。

とりあげられたのはーーー
いとうせいこう「スキヤキ」、金井美恵子「兎」、佐川一政「喰べられたい」、中山咲「血の肉」、谷口菜津子「レバ刺しとわたし」、辺見庸「ゆで卵」、穂村弘「君がいない 夜のごはん」「鳥肌が」

ほかに、パフェ評論家斧屋との対談「パフェの「肉」、食べる肉体 フルーツパフェのエロティシズム(下)」、山田宗史「食べられる「物語」、曖昧な「食」ーー藤原辰史『食べること考えること』より」を収録。

表紙や本文中の人体をモチーフにした食器は、陶芸作家ヌマダリコによるもの。

B5変型 20.5cm×18.2cm 28pages オールカラー

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餅井アンナ「真夜中のお菓子」¥700+税

食と性について写真と文芸で掘り下げるzine『食に淫する』の編集人、餅井アンナによる、お菓子に関するエッセイ集。

真夜中のお菓子のように、いけない誘惑に満ちた忘れらない、あのときあの場所でのお菓子体験+短編小説を綴っています。文中イラストも著者によるもの。

B6判 24pages

panpanya「二匹目の金魚」

panpanya「二匹目の金魚」(白泉社)¥980+税

『足摺り水族館』『蟹に誘われて」「枕魚」「動物たち」
に続くpanpanyの漫画短編集。

楽園 Le Paradis [ル パラディ](白泉社)やweb増刊に掲載された19作品と
日記の抜粋、自己解題を収録。

カバーには金魚捕器の広告、はずすと表紙は昔懐かし模様入りサッシがバーコ印刷(透明の厚盛り印刷)でリアルに現れます。装丁は作者によるもの。

B6判196pages(カラーイラスト4ページ含む)

 

つげ義春 作品集 ねじ式(改訂版)

「つげ義春 作品集 ねじ式(改訂版)」(青林工藝舎)¥3000+税

「噂の武士」から「やなぎ屋主人」まで、60年代後半の最重要作を初出誌サイズで一挙に収録した定本的集成。
詳細な最新完全年譜単行本リストを付した決定版!

改訂版のここが違うポイントーー
旧版で使用していた紙が廃盤になったため、色味が近く厚みが薄い紙に変わり束が少し減りました。
データ化+画像処理できれいな仕上がり
年譜を更新

=収録作品=
「ねじ式」「噂の武士」
「西瓜酒」「運命」
「不思議な絵」「沼」
「チーコ」「初茸がり」
「通夜」「山椒魚」
「李さん一家」「峠の犬」
「海辺の叙景」「紅い花」
「西部田村事件」「長八の宿」
「二岐渓谷」「オンドル小屋」
「ほんやら洞のべんさん」
「ゲンセンカン主人」「もっきり屋の少女」
「蟹」「やなぎ屋主人」

◎エッセイ:
「密航」
「京都ブラブラ日記」
「断片的回想録」

●収録作品解説(編集部)
●つげ義春年譜(全作品/執筆文献/記事リスト)2018年2月現在

装幀: 南伸坊
B5判456pages

ポーランドのクラクフ発 オルタナ系コミックアンソロジー klub zin

klub zin #1 ¥2000+税

ポーランドのクラクフ発、クールなコミック誌が国内にないので作ってしまえと、編集者のアンナが、ヨーロッパを中心に自身が好きな各地の若手オルタナ系コミックアーティストに呼びかけ実現した、26人が参加するコミックアンソロジー。創刊号のテーマはproblems。2016年のポーランド最大のコミックコンベンションMFKでお披露目されました。

執筆者はーーー
Ala Flora, Anabel Colazo, Anka Waćkowska, Anna Wieszczyk, Berliac, Elevator Teeth, Hakobore, Jim Pluk, Joanna Rzepecka, Julia Płoch, Laura Jayne Hodkin, Magdalena Rzepecka, Mathilde Van Gheluwe, Mikołaj Tkacz, Mugny, Olga Wieszczyk, Patrycja Arasim, Puiupo, Renata Gąsiorowska, Szymon Szelc, Tara Booth, Ville Kallio, Wan Xiang Lee, Weronika Banasińska, Xuh, Zyn Vaites

17.5cm×12.5cm 180pages オールカラー 英語表記

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Klub zin #2 ¥3100+税
ポーランドのクラクフ発のオルタナ系コミックアンソロジー。
“THE OTHIER ONE”をテーマに、編集者のアンお気に入りの世界各地のアーティスト21名が寄稿しています。1号よりもさらに紙や印刷、製本にこだわり、判型もB5に拡大。

執筆者はーーー
Hyebin, Juli Majer, Karl Nesser, Devon McFarland, Shee Phon, Oasis Of Hate, Mugny, Ben Marcus, Nadine Redlich, 生, Aleksandra Waliszewska, Freddy Carrasco, Ala Flora, Javvie, Victoria Vincent, Inji Seo, Sujin, XUH, Luis Yang, JLVC, Magdalena Rzepecka

176x250mm 150pages オールカラー英語表記

近藤聡乃「ニューヨークで考え中 2」

近藤聡乃「ニューヨークで考え中 2」(亜紀書房)¥1000+税

前巻から、はや3年。
1年だけのつもりで、やって来たニューヨークに、住み続けて7年目から10年を迎える前までの
日々の雑記漫画集。

地下鉄で、あるいは町を歩きながら、次の漫画のアイデアを考え、淡々と描き続けてきた3年ほどの間に、現地で出会ってつきあっていたアメリカ人彼氏と結婚し、住み慣れたアパートを引き払って同居し、大学生になる義理の娘もできたーー。

町を歩いていても、物珍しさは減って、トキメキも消えたけど、家族もできて文字通りホームタウンになったニューヨークで、生活者ときどき異邦人の視点で描く2巻目。
日本に帰国するタイミングや理由を逸してしまってから、はじめて発見するニューヨーク、自分に染み付いている日本の味や記憶、日本語を学習する夫を端で見ながら、言葉について、文化について思うこと…などなど。

ビザ申請の度に必要な書類やまとまったお金と労力に外国人である事を痛感したり、婚姻届けの前に届けを出すための許可書を申請する手順に戸惑ったり。発音が悪かったのか相手の聞き間違えか、互いに誤解したまま奇跡的に成立した会話、日本語を学ぶ夫の簡潔すぎて心を抉る/味わい深い日本語…。平穏な暮らしの中に、そのときどきのエピソードと去来する思いが描かれています。

糸かがりでコデックス装になっているので本が開きやすく読みやすいです。

A5判160pages