月別アーカイブ: 2010年3月

トレヴァー・ブラウンのアリス

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トレヴァー・ブラウンのアリス Trevor Brown’s Alice

 3年ぶりの新画集は、ふしぎの国と鏡の国とビザールの国に迷い込んだトレヴァー版アリスです! 3月末頃に、普及版(3780円)、特装版(5880円)入荷の予定です。 B5判変型 80P(32点収録)

 さらに、BunkamuraGalleryで展覧会も開催の予定です。

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トレヴァー・ブラウン&山吉由利子展ーアリスの時間ー
会期:2010年3月31日(水)〜4月11日(日)
営業時間:10時〜19時30分 原画販売 入場無料

Stéphane Blanquet「Le Lombric」

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Stéphane Blanquet「Le Lombric」¥945

 セリフも擬音もない、サイレント映画のようなマンガ。釣り糸に吊るされて魚にのまれたミミズが、その魚とともに再び陸に引き上げられ、有為転変に翻弄されながら、事故や事件の現場に居合わせ、人々の人生をまた翻弄してゆく、ミミズの大河ロマンが描かれています。
170×110 64P

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 この小さなBDの本は、手塚治虫や水木しげる、林静一、安部慎一など日本のマンガのフランス版も多数出版しているEditions Cornéliusから発行されています。タコシェでは、ステファン・ブランケ以外にも、シュールでナンセンスなピエール・ラ・ポリスの書籍もお取り扱いしてます。今、コーネリウスの書籍をお求めの方に、同社のマスコット ジルベールの紙人形(組み立て式)をプレゼント中。

Stéphane Blanquet「La chair nue s’articule」

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Stéphane Blanquet「La chair nue s’articule」¥2625

 ステファン・ブランケが、女性の体に影絵を直接描いた作品集。黒バックの中、肉体だけが白く浮かびあがり、背景と一体化した黒い影絵が女性の体に広がります。
 地下の旅行鞄の中に封じ込められていた人形が、長い眠りから目覚め、生気を取り戻してゆく様子を60以上の写真で構成しています。
 
180×220 48P

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※ステファン・ブランケの著作をお求めの方に4月10日のサイン会の整理券をお渡ししてます。通販でも御希望の方には同封いたします。

論座・記忘記 2010 モノガタリの方法 -埋み火の記憶を辿る

オフノートpresents 論座・記忘記 2010 モノガタリの方法 -埋み火の記憶を辿る

 

 しぶ〜いタイトルですが、沖縄音楽、チンドン…など日本の音を掘り起こしてきたオフノートレーベルが今月から、高円寺の円盤で毎月第一金曜日に連続講座を行なうそう。音楽に限らず、あらゆる表現の領域で新たな地平を切り拓いてきた方をゲストに招き、自身の来し方を回想してもらいながら、表現を巡るお話を引き出そうという試み。そして、一回目のゲストはなんと長谷邦夫さん!

 

「オフノートpresents。様々な世界で一時代を築いた方に話を聞くシリーズトークライヴ。「これから」を生み出すために必要な「これまで」を聞く貴重なイベントです。ぜひ足を運ん で下さい。第一回目のゲストはなんと、赤塚不二夫のブレーンとして、最もクレイジーな部分を担っていた長谷邦夫さんです。円盤店主も大ファンでして興奮しております!!」タコシェではレコード寄席のミニコミでおなじみ、会場・円盤の田口氏のコメントです。

 

第一回 バカ式 -物語を解体する起爆装置としての 

講師 
長谷邦夫(漫画家)
田口史人(円盤主宰)

司会進行 
神谷一義(オフノート)

3月5日 (金曜日)
19:00-/Charge¥1500

円盤 TEL/FAX 03-5306-2937
HP http://enban.web.fc2.com/
杉並区高円寺南3-59-11五麟館ビル2F
円盤の場所はこちら→JR「高円寺駅」南口を出たら右(三鷹方面)に線路沿いを真っ
直ぐ。大将2号店を通り過ぎて漢方薬屋の隣。

長谷邦夫(ながたに・くにお)プロフィール
1937年葛飾区生。少年時代は『漫画少年』に投稿。石森章太郎が主宰する東日本漫画研究会の同人となり、肉筆回覧同人誌『墨汁一滴』の執筆陣に加わる。石森や赤塚不二夫らが住む豊島区椎名町のトキワ荘に出入りしていたため、新漫画党員ではないが広義の「トキワ荘メンバー」に含める場合がある。
高校卒業後、製薬会社に就職したが結核の兆候が発見されたため、入社3ヶ月で退職。漫画一本の生活に入る。曙出版を中心に貸本マンガを1964年まで約7年間執筆。この時期に伝説のカルト作家、徳南晴一郎の仕事を手伝ったことも。その後、トキワ荘グループが創立したアニメ企画会社スタジオゼロに入社。同社雑誌部のチーフアシスタントとして『オバケのQ太郎』や『レインボー戦隊ロビン』を手掛ける。1965年、赤塚のフジオ・プロダクション創立に参加。1969年に『COM』に連載された「バカ式」(つげ義春の「ねじ式」と赤塚不二夫の『天才バカボン』の混合)に代表される一連の混合パロディ漫画は、当時流行っていた漫画評論におけるギャグ漫画軽視や過剰解釈に対する強烈なメッセージとなった。
フジオプロではアイデアマン・作画等を担当し、『おそ松くん』、『ひみつのアッコちゃん』、『天才バカボン』、『もーれつア太郎』、『ギャグゲリラ』等主要作品の全てに関わる。さらに「赤塚不二夫責任編集」と銘打った雑誌『まんが?1』の事実上の編集長となり、後年は赤塚のマネジメントも担当した。ゴーストライターとして赤塚名義で発表した原稿も多い。1994年にフジオプロを退職。現在は単独で仕事をしている。著書多数。漫画のみならず、漫画評論、小説等も数多く執筆。最新刊は『マンガ家夢十夜』(水声社)。

ステファン・ブランケ「幸福の花束」

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ステファン・ブランケ「幸福の花束」(パロル舎)¥1680

 3月末に個展のために来日が予定されている、ステファン・ブランケの唯一の邦訳絵本です。残酷な童話5編が、夕暮れ時のように叙情的な影絵とともに繰り広げられます。バラバラ殺人事件や人肉ハム、監禁愛など、歪んだ欲望の形が、残酷かつファンタジックに描かれます。

原題“Bouquet Bonheur”(ブーケ・ボヌール)
第一話:Sucré Salé あまくて からいもの
第二話:La Peau de Chagrin あら皮
第三話:Les Yeux Lourds 目が重くなると
第四話:Le Chagrin du Chêne カシの木のかなしみ
第五話:Le Kit Princesse プリンセス組み立てキット

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AB変判上製 60P

この本に著者プロフィールによると—-

ステファヌ・ブランケ(Stéphane Blanquet)
 1973年生まれ。コミックスをはじめ、イラスト、絵画、アニメ、彫刻など多彩な領域で活動するフランスのアーティスト。16歳で出版社をおこし、1993年に第一作『ケイヴウーマン』を発表。外国での翻訳出版や個展の開催も多く、有力日刊紙「リベラシオン」や高名なロック雑誌「レ・ザンロック」などにもイラストを提供する。
1997年の「色彩の混合」から短編アニメの制作にのりだし、最新作「あら皮」は本書『幸福の花束』の第二話をアニメ化したもの。
コミックス、画集の出版は40冊以上におよぶ。代表作を集成した『涙の個人全集』は映画『カルネ』の監督ギャスパー・ノエに絶賛された。

 タコシェでは4月10日のサイン会にむけて、著作を揃えてゆきます。この本のフランス版も少しご用意する予定です。フランス版はソフトカバーですが、タイトルのほか、中のストーリーの文字もすべて作家の手書きになっていて、文字列自体がキレイです。ステファン・ブランケは自らのレーベルで日本人作家の本を出版するときは、(未知の言語で文字もよくわからないけど)独自のセンスでクレジットなどを手書きで原語表記してしまいます。そんな味わい文字も注目です。

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 こちらがフランス版です。(1943円)タイトルまわりの文字はみな手書き。