月別アーカイブ: 2010年4月

山本タカト「幻色のぞき窓」

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山本タカト「幻色のぞき窓」(芸術新聞社)¥3465

故・草森紳一らの企画で芸術新聞社のwebに連載した随筆をまとめた一冊。絵を描く合間に、鎌倉あたりを気紛れに散歩をしながら見た事や思いついたことを写真と文章で綴る。作品の中に出てきそうな樹木の根本の木肌、死肉をついばむカラスなどの写真から作家の興味や嗜好が伝わってきます。また(主に)2000年以降の作品の図版が内容にあわせて多数構成されており、鉛筆の下書きや創作中の手元の写真なども多数加わり、ファンにとっては創作の裏側を覗く楽しみがあると同時に、入門書やガイドブックとしてもいけます! ハードカバーの表紙にはタイトル通りのぞき窓がついて美しい造本になっています。

212×156 160P

真城七子「宮廷マダムの作法」

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真城七子「宮廷マダムの作法」¥1890

音楽大学でフルートを専攻し、クラシック音楽を学ぶうちに、その背景となる西洋文化(特にフランス)に興味を持ち、宮廷文化やバロック、少女などを切り口にフェティッシュ文化に関する執筆活動を展開する真城七子さんの著作。
ヴェルサイユ宮殿華やかなりし頃の宮廷マダムの日常を再現。現在の常識から見たら仰天な当時の習慣や美意識を紹介。キャバ嬢もびくりなモリ具合の頭髪は、ヘアスタイルというよりは造園や建築に近い規模だったり。死刑が公開の見世物として貴族の遊興になっていたり…。ほかにもマダムの恋は?舞踏会は?お洒落は?お食事は?トイレは? など当時のマダムの生活を想像するときに生まれるいろんな疑問に応えてくれる一冊です。当時の様子を描いた、図版も多数収録し、絵本としてもお楽しみいただけます。
B6判140P ソフトカバー

Jupitter Larsen (Haters)のCDブック「Saccages」など

スイスのローザンヌでLuusanne underground film & music festival(略してLUFF)を運営しているメンバーがライブ上映会のために来日中ですが、毎年、彼らが秋のフェスティヴァルにあわせて年一のペースで編集している少部数(500くらい)のCDブックが入りました。

saccages

GX Jupitter Larsen textes 1970-2009  Saccages  ¥3500

79年から、カリフォルニアで活動するHatersの創設者GX Jupitter Larsen。そのフィクション、ノンフィクションの中から選んだテキスト集。付属のCDもこの本のために特別に作られたもの。147×212 192P

2009年のローザンヌのフェスティバルでのHatersパフォーマンスはこちら。

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Zbigniew Karkowski 「Physiques sonores」¥3000

ポーランド出身で、スウェーデン、オランダなどで音楽を学び、フランスではヤニス・クセナキスの下で学んだカルコフスキーは、94年から東京に拠点を移し、ノイズシーンでパフォーマンスを展開。その音やパフォーマンスに関するインタビューやテキストをまとめたもの。カルコフスキー自身とパーカッショニストのDaniel BuessによるCDつき。147×212 112P

架空 No.04 2010.05

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架空 No.04 2010.05 ¥1050

月刊化してからの第二弾。うらたじゅんさんが執筆陣に加わりました。表紙には通巻での号数と月刊化してからの号数の両方が入っています…。

大西真人『古代魚』
うらたじゅん 『淡く透明な夏休みの君』
鳥子悟『眼中の人』
■マンガ史を巡る新連載 『高野慎三オーラル・ヒストリー 高野慎三を原ねる』 聞き手/斎藤種魚・西野空男
おんちみどり『使用の母』
西間木隼人『FAMILY』
キクチヒロノリ『俺たち生命体!』
高木ひとし 『さびしいボクサー3 (2)』
■「四コマ架空」山坂ヨサンセン/高橋学『大人コドモ』
炭子部山貝十『大赤色』
まどの一哉 『西遊 第二話』
三本美治『ゴーリー』
安部慎一×西野空男 『耳鳴』
●資料集成『月刊ガロ』目次録 第二回
小野原教子(作)×藤田みゆき(絵)『ペダンチック・ラブ(2)』
■読物
金ゐ国許『つげ義春を旅マップする(2)」
久保隆「『情況』的場所へ(2)」

B5判162P

永井ミキジ mikiji.tv 10周年記念「自己満本」

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永井ミキジ mikiji.tv 10周年記念「自己満本」 ¥1000

駄グッズコレクターで、デッドストックでゲットした駄玩具などをタコシェにお裾分け納品してくださる永井ミキジさんが、自身のホームページ「ミキジ自己満足ページ」開設10周年を記念して、“マイ自己満足”をテーマに、関係者に寄稿を依頼して作成した冊子。目立たずに凝る職人気質のミキジ氏ならではの、モチーフやデザインが細やかに詰め込まれた一冊。ご覧のとおり、赤いしおりが表紙のアリクイの舌のようについていたりして…。

それぞれの自己満足は—店主の顔写真が出ているカップ麺のフタ=顔ジャケコレクション、海外ニンジャ映画、芸能界や暴力団などをテーマにしたコンビニ漫画、懐かしのガチャ台紙、パックマンなどなど….

参加者は—-
イラスト:太公良、遠山敦、中野シズカ、濱口健
トーク:大西祥平、小野尾勝彦
マンガ:大橋博之、川崎タカオ、堀道広
コラム:遠藤敏文、遠藤倫子、かずい 坂上聡之、渋谷直角、セラチェン春山、DAISUKE、田中哲也、土屋遊、とみさわ昭仁、古澤健、ホト山、松村隆史、水島己、山本かえ、ヨシノビズム、渡辺菜々、和山弘子

A5判104P