ステファン・ブランケ「幸福の花束」

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ステファン・ブランケ「幸福の花束」(パロル舎)¥1680

 3月末に個展のために来日が予定されている、ステファン・ブランケの唯一の邦訳絵本です。残酷な童話5編が、夕暮れ時のように叙情的な影絵とともに繰り広げられます。バラバラ殺人事件や人肉ハム、監禁愛など、歪んだ欲望の形が、残酷かつファンタジックに描かれます。

原題“Bouquet Bonheur”(ブーケ・ボヌール)
第一話:Sucré Salé あまくて からいもの
第二話:La Peau de Chagrin あら皮
第三話:Les Yeux Lourds 目が重くなると
第四話:Le Chagrin du Chêne カシの木のかなしみ
第五話:Le Kit Princesse プリンセス組み立てキット

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AB変判上製 60P

この本に著者プロフィールによると—-

ステファヌ・ブランケ(Stéphane Blanquet)
 1973年生まれ。コミックスをはじめ、イラスト、絵画、アニメ、彫刻など多彩な領域で活動するフランスのアーティスト。16歳で出版社をおこし、1993年に第一作『ケイヴウーマン』を発表。外国での翻訳出版や個展の開催も多く、有力日刊紙「リベラシオン」や高名なロック雑誌「レ・ザンロック」などにもイラストを提供する。
1997年の「色彩の混合」から短編アニメの制作にのりだし、最新作「あら皮」は本書『幸福の花束』の第二話をアニメ化したもの。
コミックス、画集の出版は40冊以上におよぶ。代表作を集成した『涙の個人全集』は映画『カルネ』の監督ギャスパー・ノエに絶賛された。

 タコシェでは4月10日のサイン会にむけて、著作を揃えてゆきます。この本のフランス版も少しご用意する予定です。フランス版はソフトカバーですが、タイトルのほか、中のストーリーの文字もすべて作家の手書きになっていて、文字列自体がキレイです。ステファン・ブランケは自らのレーベルで日本人作家の本を出版するときは、(未知の言語で文字もよくわからないけど)独自のセンスでクレジットなどを手書きで原語表記してしまいます。そんな味わい文字も注目です。

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 こちらがフランス版です。(1943円)タイトルまわりの文字はみな手書き。