ミニコミ」カテゴリーアーカイブ

佐賀の商店街を記録したZINE 東 成実「呉服元町商店街」

東 成実「呉服元町商店街」 ¥1500+tax

著者は佐賀市在住のWebデザイナー。
かつて佐賀市四大マーケットと呼ばれたバラック商店街の中で唯一、現存する呉服元町商店街『中央マーケット』に惹かれ、その景観を記録しようと、フィルムカメラ片手に、商店街の一軒一軒のお店を取材して、その成り立ちやこだわり、続けてこられた理由などをまとめました。

丁寧にききとったお店の話は、それぞれ素朴で、たとえばーーー
退職して夫婦ではじめたカフェ、学生たちの食卓として連日開店する定食屋、「ぼけ防止」と言いながら作業を続ける餃子屋etc.という具合ですが、並べてみると、平成から令和にかけての商店街の姿が浮かびあがってくるよう。
また、年季の入ったメニュー、飲食店でみんなに読まれた漫画本棚、店主の趣味を反映して店内に貼られた写真、雑多な備品が無造作に収まった店の奥など、著者が切り取った風景もすべて商店街らしく懐かしい。

A5判82pages

さくらいみか「旅に出たくな〜る しまね’19」

さくらいみか「旅に出たくな〜る しまね’19」¥650+tax

島根生まれ、デイリーポータルZ等のライターをしたり、趣味の少女雑誌収集が高じて『りぼん』の同人誌を発行したり、編み物作品を作るさくらいみかさんによる島根(+鳥取西部)ガイド。
島根を案内するのは、著者手編みの人形キャラです。

表紙に「どうでもいい情報満載」とある通り、通常のガイドブックにはない情報、島根県人の本音やピンポイント情報が気前よく放出されています。

冒頭「島根ってどこ?」では、他県民に「砂丘あるところですよね」と言われがち、とその地味さを自覚して、鳥取との位置関係を説明して、地図上の位置確認からスタート。あわせて、マップに松江城と城下の言い伝えを盛り込むなど豆知識を授け、他の地域からのアクセス情報も丁寧に説明しています。

ほかにも、東京23区920万人に羽田空港ひとつ、対して人口124万の山陰に空港5つ問題からの空港使いこなし術。山陰にしかないチェーン店の酒屋「酒ゴリラ」の看板のゴリラが店ごとに微妙に異なること、島根でしか買えないパンやお菓子、はるさめ入り茶碗蒸しなどのローカルフード紹介etc.とエピソード満載。

多くは、著者が長年当たり前に思っていたけれど、島根を出てはじめて全国的には普通じゃないことに気付いた、ご当地ものたち。

いくつかの観光コースもご提案。現在のmapでなく80〜90年のmapもあったり、地元目線の貴重な島根が体験できます。

A5判46pages

八画文化会館叢書vol.10 服部亜弓『モーテル☆エロチカ 消し忘れ廃墟ラブホテル選集』

八画文化会館叢書vol.10 服部亜弓『モーテル☆エロチカ 消し忘れ廃墟ラブホテル選集』(八画出版部)¥1000+tax

著者の服部亜弓さんは、ここ10年ほどラブホの撮影をしているが、この昭和遺産のオープン当時の姿を知ることの難しさを痛感していた。

しかし、経営者の夜逃げなどで、備品もそのままに突然廃墟となった物件は、閉鎖当時の様子のみならず、崩れ落ちた部分から、さらなる過去に遡れることに気づき、廃ラブホの撮影にのめり込むようになったそう。

昭和40~50年代に列島各地で花開いた「ラブホテル」は、「サカサクラゲ」と呼ばれた連れ込み宿から進化し、アメリカの「モーテル」にも影響を受けつつ、日本特有の性愛空間として定着。
だが、1985年には、風営法改正による規制で「ラブホテル」から「ファッションホテル」へと移行し、回転ベッドや鏡張りなど趣向を凝らした部屋は減って、簡素化していった。

およそ20年の間に威容を誇った昭和遺産ラブホテルは、チープなのにゴージャス。ユーモラスなのにエロチック。
時代と顧客のニーズに応えて進化し、独特の性愛文化を繰り広げた。

現存するラブホが、ラブホの到達点なのに対して、廃ラブホは、進化の途中で、その時代の姿をとどめた遺跡。タイムトリップ空間に漂う、性愛のエネルギーとユーモアを味わうことができます。

A5判 横綴じ 32pages オールカラー

趣味の製麺 別冊 作ろう!カレーラーメン

趣味の製麺 別冊 作ろう!カレーラーメン ¥1200+tax

趣味の製麺別冊の作ろう!シリーズ、日本人の国民食とも言えるラーメンとカレーの最強タッグ「カレーラーメン」を特集。

それぞれ様々なバリエーションがある、カレーとラーメンだけに、まずは、カレーラーメンとは? の定義にはじまり、各人が、それぞれのカレーラーメンに腕をふるいます!
意識高めのラーメン屋さんが考えた(みたいな)カレーラーメン、飲めるカレーをスープにしてみたラーメン、見た目は完全にラーメンなのに味はカレー、南インド風のホワイトチキンカレーラーメンなどなど、組み合わせは無限。

製麺専門誌だけに、カレーラーメン用の製麺、各種カップカレーラーメンのレビュー(カレーカップラーメンに命を救われたと言う、スズキナオのエッセイもあり)に加え、冒頭のカレーラーメンレシピだけでも変則技なのに、さらにひねりを効かせた変わりカレーラーメンとそのレシピも考案しています。

漫画も充実ーー
かわいしのぶ、スケラッコ、とあるアラ子、しりあがり寿、川崎タカオ、田中邦和、油虫太郎、斎藤充博、ラズウェル細木、谷口菜津子、河井克夫、てふや食堂、あきやまみみこ、まかろに、オカヤイヅミ、小林銅蟲、のそ子

B5判58pages

中国,台湾,日本のアーティストが寄稿するvisual arts zine 凸凹dekoboko vol.2 -dinner 晩餐

visual arts zine 凸凹dekoboko vol.2 -dinner 晩餐 ¥1800+tax

日本に滞在中のマンガ好きアーティストChou(周)とJiaxi(佳西)の二人が、中国、台湾、日本の3カ国のアーティスト9人集で作ったオリジナルのコミック誌。

第2号のテーマはdinner 晩餐。
9人が様々なアプローチで、食事、あるいはその準備や、食べることについてのコミックを寄稿。生き物をいただいたり、様々な作法のある食事、人の食事もあれば動物の食事もあり…。

●目次
Wenkai Mao Dinner
OlgaZ The man who took our treasure
イチカワハナ  たべるよる
我是白   空位
周  Daily life
GGDOG 晩餐
佳西  殺しや
Quiliq Grandpa’s secret mission
雲丹  taste
ーAuthor info

A5判68pages 100部 English / Chinese