東 成実「呉服元町商店街」 ¥1500+tax
著者は佐賀市在住のWebデザイナー。
かつて佐賀市四大マーケットと呼ばれたバラック商店街の中で唯一、現存する呉服元町商店街『中央マーケット』に惹かれ、その景観を記録しようと、フィルムカメラ片手に、商店街の一軒一軒のお店を取材して、その成り立ちやこだわり、続けてこられた理由などをまとめました。
丁寧にききとったお店の話は、それぞれ素朴で、たとえばーーー
退職して夫婦ではじめたカフェ、学生たちの食卓として連日開店する定食屋、「ぼけ防止」と言いながら作業を続ける餃子屋etc.という具合ですが、並べてみると、平成から令和にかけての商店街の姿が浮かびあがってくるよう。
また、年季の入ったメニュー、飲食店でみんなに読まれた漫画本棚、店主の趣味を反映して店内に貼られた写真、雑多な備品が無造作に収まった店の奥など、著者が切り取った風景もすべて商店街らしく懐かしい。
A5判82pages