いましろたかし『グチ文学 気に病む』

いましろたかし『グチ文学 気に病む』 ¥1365

 超脱力コミック『ラララ劇場』『盆堀さん』から、その力の抜けぶり×シニカルさをキープしたまま児童マンガ『化け猫あんずちゃん』を経て、文学へ!(って、マガジンハウスの『ウフ.』の連載エッセイをまとめたものですが、巻末にネームのような描きおろしマンガが7編ついています)
 お金もない。仕事もしたくない。体も健康でない(結石や前立腺肥大など)。最近目もよく見えない(緑内障)。髪も元気がない。妻とのセックスもない。子供をせがまれるが作る気がない…。”ないない尽くし”の毎日…。 まるで、ミドルエイジになった『釣れんボーイ』、マンガ家になった盆堀さんとでもいうような日々をグチのように綴る…。
 子供も大人も老人も、男も女も、ほんとはみんなが持っている、人生「どっちらけ」気分をミもフタもなく代弁する、いましろ流”グチ文学”。そこにあるのは、生きていく苦しさと悩ましさ〜思考停止〜空中分解、散り散りになって消えていく「どーでもいい」。
 そんな、ないない尽くしと苦悩の地平にひらけた”グチ文学”で、日常のボーダーを作者とわかちあってみてください!