月別アーカイブ: 2019年5月

V.A comics anthology POPOCOMI 1 (English version)

V.A「POPOCOMI 1」(popotame) ¥1000+税

ポポタムが発行する女性アーティストたちのコミックアンソロジー「ポポコミ」と男性9名による増刊号をあわせた全6冊の既刊から12編を選んで英訳したもの。

This anthology presents the first English translation of a selection of twelve short stories from the comics anthology popocomi (vol 1—5 + one special edition), published irregularly by Japanese bookstore and gallery Popotame.
Each of the twelve different artists offer their own unique perspective on manga in these original works.

参加作家: 嶽まいこ、ふじむらいづみ、古郡加奈子、カヤヒロヤ、ますこえり、ミシシッピ、中田いくみ、ネルノダイスキ、さかたきよこ、高橋由季、横山雄、吉田和夏

artists: Maiko Dake, Izumi Fujimura, Kanako Furugori, Hiroya Kaya, Eri Masco, MISSISSIPPI,Ikumi Nakada, Nerunodaisuki, Kiyoko Sakata, Yuki Takahashi, Yu Yokoyama, Waka Yoshida

A5版・本文モノクロ98ページ・500部
A5 size, black and white, 98 pages, edition of 500

装画・デザイン Cover design: 嶽まいこ Maiko Dake
翻訳 transkation: Jocelyne Allen
翻訳助手 translation assistance: Mimmy Shen
レタリング lettering : Karis Page

「ガロ」に人生を捧げた男 白取千夏雄「全身編集者」

白取千夏雄「全身編集者」(おおかみ書房)¥1500+税

伝説の雑誌「ガロ」元副編集長、故・白取千夏雄が語り下ろした半生記。

貸本マンガや紙芝居も残る少年漫画全盛の70年代の函館で、漫画の模写を得意とした少年は漫画家を志し、高校卒業後、専門学校に入ることを口実に上京。その学校で憧れのガロ編集長・長井勝一と出会い、編集部のアルバイトにスカウトされる。

伝説の材木会社の2階の編集部で、長井編集長のもと先輩編集者たちにまじって本の出荷や返品処理を手伝いながら実地で編集や営業をおぼえ、一通りの事をソツなくこなす器用さゆえに漫画家としての個性に欠けることに気付くと同時に編集の楽しさに目覚め、正規の編集者として働くことになる。

60年代に創刊、白土三平、水木しげる、つげ義春などを輩出した伝説の雑誌「ガロ」は、その後も、70年代から80年代にかけて、”へたうま”ともリンクしながら、日本のオルタナティブコミックの最前線を開拓するが、80年代後半から90年代にかけてバブルの中でその芸術性は、サブカルチャーの普及とともに他のコミックメディアにも伝播して、唯一無二の立場を失いかけ、発行部数が落ち込むなど困難な時代を迎える。

読者としてガロの黄金時代を体験し、その残光と衰退の中にあるガロ編集部で、ねこぢる、古屋兎丸、福満しげゆきなどを発掘し、立て直しをはかる過程は、当時の出版界の様子やガロの存在感とともに、その中で奮闘する青年の躍動感に満ちています。

プライベートでは、ガロ編集者時代に、担当だった17才年上の作家、やまだ紫と結婚。
経営が厳しかった青林堂がコンピュータソフト会社の傘下に入ることから次第に生じた様々な亀裂、そして分裂騒動、ガロ休刊という激動を経て2005年には症例が稀少な癌がみつかり、1年未満の余命宣告を受けることに。

長年の闘病の過程で、最愛の妻で漫画家のやまだ紫が急逝。
その後、彼女の作品の復刻に奔走するほか、埋もれた漫画作品の発掘と出版を目指す青年=劇画狼と出会い、編集や出版の指南役として亡くなるまで編集に捧げた人生の軌跡が綴られている。

2015年11月~12月・2016年3月に京大病院での総合マンガ誌キッチュ編集部とおおかみ書房編集部が行った合同インタビューを元に著者が本文を執筆し、2017年の著者の死後、おおかみ書房編集部が著者ブログ「白取特急検車場」を元に加筆・校正したもの。
最後に、青林堂の分裂騒動の渦中にいたもう一人の人物、コンピュータソフト会社の社長だった山中潤氏が別の視点から振り返った騒動の顛末を綴っており、あわせて読むことで、著者には見えてなかった舞台裏が明かされることに。。。。

80〜90年代、バブル崩壊後の出版業界、ネット黎明期の様子が伝わる貴重な資料。
表紙は古屋兎丸。

A5判178pages

武富健治 「古代戦士ハ二ワット 1」

武富健治 「古代戦士ハ二ワット 1」(双葉社)¥680+税

「鈴木先生」の武富健治が、小学校5年のときから、繰り返し描いてきた日本の神話をベースにした変身ヒーローモノ、『古代戦士ハニワット』が、ついに商業ベースの連載となり、単行本にまとまりました!!

長野県長野善光寺市に、なんの前触れもなく突如現れた巨大土偶。街を破壊し、善光寺の参拝客や市民など、行く手を阻もうとする人間を蹂躙しながら漸進する土偶を阻止できるのは、古代戦士ハニワットしかいない!

数十年におよぶ資料研究、取材旅行、幾度もの試作や推敲を経ての武富健治のライフワーク。
神社+縄文+変身ヒーローを追究した結果の壮大でいて荒唐無稽の超古代伝奇ヒーロー譚!! です。

四六判192pages

武富健治 「古代戦士ハ二ワット 月読伝説」¥278+税

「鈴木先生」の武富健治が、小学校5年のときから、繰り返し描いてきた日本の神話をベースにした変身ヒーローモノ、『古代戦士ハニワット』。

諸星大二郎的な壮大な神話世界を予見させつつ、ハニワロボの姿に主人公が変身してしまうという突飛さも併せ持つライフワーク的作品の予告編!?

作者の数々のハニワットものの中から平成3年に描かれたハニワット誕生までのさわりの部分を復刻しています。
巻末には中学~高校時代に描いたハニワットが再録されその変遷がみてとれます。

また、『鈴木先生』完結後に、ハニワットによる長編を描きたいと考える作者が、今後の構想も語っています。(←この冊子を発行した2008年時点)

小学5年生の武富少年の思いを核に、アラフィフにさしかかった漫画家・武富健治が構想30年以上の時を経て、2018年の夏から漫画アクションでついに連載開始!!!! 現在進行中の連載とあわせて、原型「ハニワット」をお楽しみください!

A5判48pages

ネルノダイスキ 短編漫画集「あてずっぽう」

ネルノダイスキ 短編漫画集「あてずっぽう」 ¥1000+税

初の漫画単行本「ひょうひょう」を発表したネルノダイスキの書き下ろしを含む自主制作漫画短編集。

収録作品は「NecoとTaco」、「てんてん」、「Meltrip」、「あたらしいゲーム」、「夏の騒動」の5編。

訳あって逃亡中のネコとタコがそれぞれの頭部を入れ替え、なりすましの第二の人生?を送る「NetoとTaco」、町の中を歩いていると地面が揺れてあっちにぶつかりこっちにぶつかりながら転げ回る不条理を描いた「てんてん」、おふろにつかっているうちに体が溶け出してゆく「Meltrip」、視覚や聴覚でなく嗅覚による「あたらしいゲーム」、家に棲みついたクモとの奇妙は二人暮らし「夏の騒動」…

日常のパラレルワールドが、写実的なタッチとシンプルなキャラクターのタッチを織り交ぜ描かれています。
短編と短編の間に、コミック以外のイラストや立体作品も掲載されています。

B5判104pages

 

 

もぐこん「まんだらけで待ちあわせ」

もぐこん「まんだらけで待ちあわせ」 ¥500+税

まんだらけ….
そこに並んでいるものは、誰かが買って読んだり飾ったりしていた、思い出や物語を持ったものたち。

そんなものたちの中で、まだ会ったことのない人と待ち合わせ。
ショーケースのフィギュアたちを眺めながら、品物の歴史に思いを馳せたり、自分の思い出をひっぱり出しながら、見知らぬ人をまつドキドキと、そこを行き交う人々を描いた掌編。

twitterで発表したものを再構成してまとめたもの。

A5判48pages