月別アーカイブ: 2019年3月

ラトビアはリガ発のコミックアンソロジー š! #34「Redrawing Stories from the Past II」

š! #34「Redrawing Stories from the Past II」 ¥1018+税

ラトビアの首都リガから発信されるコミック誌š!の34号の特集は23号に続いて、mRedrawing Stories from the Past 第2弾。

人類の歴史の暗部に焦点を当て、歴史文献に取材して過去を描くシリーズ。
今回は、12カ国にまたがる、国家社会主義とそこから生じた難民・移民問題についてヨーロッパの若い作家4人が1年の準備期間を経て、翻弄された人々の視点から描いています。

作品の中には、ナチを逃れて、杉原千畝が発行したビザで大陸を横断、日本を経由して、パールハーバーの数ヶ月前にニュージーランドに渡ったポーランド女性の物語も。
金髪の異人さんを珍しがる敦賀の人たち、銭湯への戸惑い、横浜や関西への小旅行など、一人の女性の記憶が描かれています。

表紙: TAlice Socal (Italy)
執筆者:Lina Itagaki (Lithuania), Emilie Josso (France), Julia Kluge (Germany), Alice Socal (Italy) and a postscript by Ole Frahm (Germany)

プロジェクトの公式ページはこちら

A6判248P 無線綴じ フルカラー 言語は英語

八画文化会館 vol.7 パチンコホールが大好き!!

八画文化会館 vol.7 パチンコホールが大好き!!(八画出版部)¥1800+税

オールドスクールなパチンコホールに焦点を当てた「パチンコホールが大好き」特別号!

2300軒もの店舗を巡って記録を撮り、パチンコ一筋の人生を送るパチンコライター・栄華さんを監修に迎え、5年がかりで制作した特集。建物、内装、グラフィックetc.の楽しみ方や、おすすめホールを御案内します!

派手な看板やネオンのわりに、パチンコホールへの注目度は低く、路上観察やカルチュラル・スタディーズでもあまり取り上げられなかったことから本格的に取材に乗り出した八画文化会館。

戦後、庶民の娯楽として、最盛期には4万軒以上、30兆円市場に成長したパチンコ業界。
戦争で一家の働き手を失った家族、あるいは障碍者、在日朝鮮人の職場=受け皿として機能する一方で、近年ではギャンブル依存症、駐車場への子供置き去り問題、反社会的組織との関係などが問題視されるようになってきました。
そんな怪しくも魅力と活気溢れる昭和・平成のパチンコ店にも衰退の危機が訪れ、清潔で明るいものへと変化せざるを得ない状況になりつつあるいまこそ、オールドスクールなパチンコ店を評価する時期にあると言えましょう。

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“「パチンコ店は下に見ていいという、固定化された眼差しを解放したい」と栄華さんは言います。
軽蔑や無関心により見えなくなっている、パチンコホールの美しさや独自の存在感に光を当てることが、本特集の意義です。
パチンコホールは、日本独特の町を構成する重要なエレメント。今までパチンコ店が視界に入らなかった人に少しでも興味を持ってもらえるように、また誤解や偏見が解けるよう誌面作りに励みました。
本特集がパチンコ文化の裾野を広げるきっかけになることを願っています。”
(編集のことばより)

◆特集◆ I ❤ Pachinko Hall パチンコホールが大好き!!
■巻頭グラビア  パチンコホールの「発見」
■公開対談 パチンコホール鑑賞は路上観察になるか!?
■栄華流 ホール鑑賞入門 これでわかる大解説!パチンコホール徹底解剖!
■パチンコホール ディテール図鑑 各部の名称と鑑賞方法を覚えよう!
■魅惑のホール7選
■観光遊戯場7選
■岐阜レトロミュージアム所蔵7つの逸品! 美しい盤面秘蔵コレクション
■マッチラベル・センター役物コレクション

■コラム&エッセイ
PACHINKO INTERVIEW パチンコライター 栄華/転用ホール図鑑 パチンコホールの輪廻転生を徹底研究!!/パチンコホールのサービス七不思議/パチンコホールのトイレ研究所/パチンコホール奇抜建築論/青森2泊3日 旅打ちdiary/パチンコ実機コレクター・広瀬恭士と「部屋」/女性がパチンコ店を営むという事/廃業ホールにパチンコ台が無い理由/開発と規制の70年史(神保美佳)/
ぱちんこの未来予測(POKKA吉田)

◆連載◆ REGULAR
国際ニュータカギ会館「パチンコ屋の追憶」(高木壮太)

◆参加メンバー◆
栄華/酒井竜次/松村大輔/TEAM酷道 よごれん/チーム4.5畳 けんちん/日本給水党 UC/終末トラベラー 逢根あまみ/岐阜レトロミュージアム館長 杉本勇治/POKKA吉田/神保美佳/高木壮太

B5変型96pages

タイの魚醤醸造所レポート ワダヨシ「ナンプラーマン 魚醤男」

ワダヨシ「ナンプラーマン 魚醤男」 ¥500+税

現地タイで幸運にも実現したナンプラー醸造所見学のレポート。

発酵食品や発酵文化に関する出版を行うferment booksの編集・発行人ワダヨシが、タイの喫茶店のカウンダーで「小規模な手作りナンプラーの醸造所を見てみたい」とつぶやいたところ、親切な店長と気が利くバイトの働きよって、あれよあれよとその場で取材が取り付けられ、車を出して見学に行くことに。

仕込みは、魚がとれる11〜12月だそうですが、一村一品運動を推進する政府からお墨付きの小さなな醸造所で、魚を洗って干して乾かし塩を混ぜこみ甕で発酵させる製造過程についてききながら、その甕から上澄みを抜いて、火入れをして漉す過程を見物。
最後に瓶詰めしてラベルを貼って製品化。さらに、その先…

エスニックの調味料として、日本でもおなじみのナンプラー。その素朴なふるさとと作り手の姿を知って、ぐっと距離が縮まります。

表紙イラストは秋元机

B5判16pages

俵谷哲典 Tetusnori Tawaraya「TOO NICE JUNK」

俵谷哲典 Tetusnori Tawaraya「TOO NICE JUNK」 (Le dernier cri) ¥5000+税

フランスはマルセイユのシルクスクリーン印刷・出版を手がけるLe Dernier Criによる、3種の両面刷り(すべてシルクルクリーン印刷)の折り本が収録された作品集。

13色のインクを使った、毒々しいくらいにカラフルで刺激的な作品集になっています。

15cmx22cm(全長90cmx22cm) 12pagesの折り本3種が16cmx22cmの観音開きになる表紙の間に入っています。

限定200部

文芸創作誌 Witchenkare vol.10

文芸創作誌 Witchenkare vol.10 ¥1000+税

インディーズ文芸創作誌ウィッチンケア(キッチンウェアのアナグラム)、キッチン発の創作のように、肩の力を抜いた実験や創作の場を目指す、多田洋一編集の文芸誌。

プロアマ問わず、書き手の試作と思索の場、課外活動の場として、年1ペースで発行。寄稿者も増えて、この号で10年目!

【目次】
朝井麻由美/みんなミッキーマウス
インベカヲリ★/日々のささやかな狂気
小川たまか/心をふさぐ
武田砂鉄/クリーク・ホールディングス 漆原良彦CEOインタビュー
柴 那典/ブギー・バックの呪い
トミヤマユキコ/恋愛に興味がないかもしれない話
美馬亜貴子/表顕のプリズナー
我妻俊樹/みんなの話に出てくる姉妹
宇野津暢子/昭和の終わりに死んだ父と平成の終わりに取り壊された父の会社
柳瀬博一/海の見える岬に、深山のクワガタがいるわけ
長谷川町蔵/昏睡状態のガールフレンド
野村佑香/二人の娘
武田 徹/詩の言葉──「在ること」
西田亮介/「育てられる人」がえらい。
ナカムラクニオ/断片小説 未来の本屋さん
ふくだりょうこ/舌を溶かす
多田洋一/散々な日々とその後日
長田果純/叶わない
宮崎智之/CONTINUE
谷亜ヒロコ/ウラジオストクと養命酒
荻原魚雷/上京三十年
若杉 実/想像したくもない絵
西牟田 靖/こんぶちゃん、フラッシュバック
かとうちあき/わたしのほうが好きだった
矢野利裕/本当に分からなかったです。──発達障害と国語教育をめぐって
吉田亮人/カメラと眼
東間 嶺/パーフェクト・パーフェクト・パーフェクト・エブリデイ
久山めぐみ/川の町のポルノグラフィ
木村重樹/昭和の板橋の「シェアハウス」では
松井祐輔/世知辛いから本を売る
開沼 博/ゼロ年代からのまちの風景(パート2)
久保憲司/平成は戦争がなかった
藤森陽子/らせんの彼方へ
仲俣暁生/最も孤独な長距離走者──橋本治さんへの私的追悼文
中野 純/夢で落ちましょう
参加者のプロフィール

写真/長田果純

A5判220pages