日別アーカイブ: 2014 年 12 月 11 日

敢えて定石は打ちません! ハル吉「現代音楽ディスクガイド 350 ~旋律と律動~」

現代音楽ディスクガイド 350

ハル吉「現代音楽ディスクガイド 350〜旋律と律動〜」(峠の地蔵出版)¥1500+税

現代(20~21世紀)のクラシック音楽(通称現代音楽)の中から、ミニマル・ミュージックを中心にメロディ、リズム、ハーモニーのあるCDを約350枚紹介。筆者の好みで、オーケストラ曲が多く、合唱曲、オペラ、吹奏楽はほとんど載っていません。

音楽において「メロディ、リズム、ハーモニーのある」のは当たり前のようだが、現代音楽界の常識はむしろ逆。これに疑問を呈したテリー・ライリー、スティーブ・ライヒ、フィリップ・グラスらが始めたミニマル音楽も約50年(ライリーが『イン・C』を発表したのが一九六四年)を経て、その影響を受けた作家たちも増えている(久石譲も)。同時にミニマルにも影響されず独自のクラシック音楽を書いている作曲家にも注目。しかし、十二音技法、偶然/無調/スペクトル音楽、作曲家ならカールハインツ・シュトックハウゼン、ジョン・ケージ、ピエール・ブーレーズ、マグヌス・リンドベルイ、一柳慧、武満徹、湯浅譲二、細川俊夫などは敢えて割愛。
副題を「旋律と律動」にして「和声」を入れなかったのは、アジア系作曲家の場合に和声の無い(けど素晴らしい)曲が多いため。
現代音楽はミニマルを含めても、音源が廃盤・入手困難になりやすく、ジャケットやレーベルを替えて再発されていたり、国内盤が出ている(た)物もあるので、ネット検索でヒットし易いようアルバム名は原題通りにする一方、曲名は読み易さと雰囲気を考慮して出来るだけ翻訳してあります。CDでは入手困難でもYou Tubeのおかげで音源だけならかなりマイナーな物まで聴くことができるようになりました。(一部ジャンル違いの物も掲載していますが、“それは新しい音楽世界への窓だと思ってほしい”、とのことです)。

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塔島ひろみ「続続続・大安の日はあんぱんを食べる」

続続族 大安の日はあんぱんを食べる

塔島ひろみ「続続続・大安の日はあんぱんを食べる」¥400+税

大安の日にあんぱんを食べるとよいことがある~と信じるミニコミ「車掌」編集長の塔島ひろみが、幸せを求めて息子とともにあんぱんを食べ続けるシリーズであったが、4年ぶりくらいに出たこの第4弾では、あんぱんを食べるのに、編集作業がおいつかず、「車掌」同人の前嶋かおるに編集を依頼し、ようやく平成13年~14年分が形になりました。

ひろみの第二子出産前後の期間にあたるが、相変わらず精力的にあちこちのあんぱんを食べている。章ごとに、塔島家の記録や写真とは別に編集人かおるの解説や雑感が綴られておりが、当時のひろみの長男・麦太が6才、編集中のかおるの息子も6才で、13年の時を隔て、似た状況の筆者と編集人の物語がシンクロしたり、また編集する過程で現在のひろみの様子も出てきたり、編集者と著者の間のプレッシャーの駆け引きもあって、これまでのシリーズとは違って、2つの家庭の3つの時空が存在する、不思議で立体的なあんぱんを食べる記録に!

B6判272pages