ハル吉「現代音楽ディスクガイド 350〜旋律と律動〜」(峠の地蔵出版)¥1500+税
現代(20~21世紀)のクラシック音楽(通称現代音楽)の中から、ミニマル・ミュージックを中心にメロディ、リズム、ハーモニーのあるCDを約350枚紹介。筆者の好みで、オーケストラ曲が多く、合唱曲、オペラ、吹奏楽はほとんど載っていません。
音楽において「メロディ、リズム、ハーモニーのある」のは当たり前のようだが、現代音楽界の常識はむしろ逆。これに疑問を呈したテリー・ライリー、スティーブ・ライヒ、フィリップ・グラスらが始めたミニマル音楽も約50年(ライリーが『イン・C』を発表したのが一九六四年)を経て、その影響を受けた作家たちも増えている(久石譲も)。同時にミニマルにも影響されず独自のクラシック音楽を書いている作曲家にも注目。しかし、十二音技法、偶然/無調/スペクトル音楽、作曲家ならカールハインツ・シュトックハウゼン、ジョン・ケージ、ピエール・ブーレーズ、マグヌス・リンドベルイ、一柳慧、武満徹、湯浅譲二、細川俊夫などは敢えて割愛。
副題を「旋律と律動」にして「和声」を入れなかったのは、アジア系作曲家の場合に和声の無い(けど素晴らしい)曲が多いため。
現代音楽はミニマルを含めても、音源が廃盤・入手困難になりやすく、ジャケットやレーベルを替えて再発されていたり、国内盤が出ている(た)物もあるので、ネット検索でヒットし易いようアルバム名は原題通りにする一方、曲名は読み易さと雰囲気を考慮して出来るだけ翻訳してあります。CDでは入手困難でもYou Tubeのおかげで音源だけならかなりマイナーな物まで聴くことができるようになりました。(一部ジャンル違いの物も掲載していますが、“それは新しい音楽世界への窓だと思ってほしい”、とのことです)。
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