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復刊! 雲遊天下 101「雑誌のゆくえ」

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雲遊天下 101「雑誌のゆくえ」 ¥525

 コーヒー一杯の値段で堪能できる中央線沿線情報誌『ぐるり』を休刊し、それ以前に休刊していた同発行元の『雲遊天下』されました。以前はどちらかというと地元関西色も反映されていましたが、東京の中央線沿線を経由して、密着感や生活感は残しつつ、ひとつの地域に縛られることなく、自分の望む生き方を貫こうとしている人に焦点をあて、生活、働くこと、職業、仕事などを考える雑誌を目指すそうです。雑誌というメディアが減ってゆく中で、敢えて雑誌で、生真面目に新体制を築いて再スタートを切った『雲遊天下』。その行方を見守りたい気分です。

 そんな経緯もあって、特集は”雑誌のゆくえ”。古書好きたちの絶大な信頼を得つつも通巻300号を最後の2010年秋に休刊を予定する『彷書月刊』、ここ数年の間に創刊された『酒とつまみ』や『イワト』『K8』といった注目のメディア、そして間もなく復刊される古書まわりの人や物に焦点をあてた『summus』などの関係者にインタビューしたり原稿を寄せてもらっての雑誌考です。

〈特集〉 雑誌のゆくえ
古本屋ならではの雑誌作り。『彷書月刊』の25年
田村治芳(『彷書月刊』編集長)インタビュー……聞き手:岡崎武志

『酒つま』やって思ったこと……大竹聡(『酒とつまみ』編集長)
『イワト』のゆくえ……平野公子(イワト雑誌部)
放浪する?雑誌……児玉雄大(『K8』発行人)
明日はどっちだ? 『sumus』再起動……林哲夫(『sumus』同人)

人と人の間……文興植                 
ぼくの好きなもの……早川義夫
〔住所録〕メーアップー村のムーソー……豊田勇造
〔ニューヨークを踏んづけた人たち〕ロルカ『ニューヨークの詩人』……友部正人
〔いつか、どこかで〕いなかのじけん……南陀楼綾繁
〔SOME HAPPY DAYS〕Rats in my Kitchen……保光敏将
〔好きなことをすれば、ひとは死ぬ〕用心棒の死……岸川真
還暦VS後期高齢者……大塚まさじ
〔ライナーノートを読む〕読者(リスナー)を信じるかい?……貴島公
かやくごはん変化(へんげ)……田川律
ミニコミ風雲録……村元武
書評「本箱」アジア式に生きる、働く。……内澤旬子
書評「本箱」トゥ・ノウ・ハー/ヒム・イズ……貴島公

表紙:山川直人

A5判64P

鈴木詩子「女ヒエラルキー底辺少女」

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鈴木詩子「女ヒエラルキー底辺少女」¥1050

 杉作J太郎、みうらじゅん、古泉智浩と、ダメな男子の青春を描いたコミックの系譜は、いまやしっかり認知され多くの読者の共感を呼んでいますが、たとえばその女子版があったら…、というのが期待の新人・鈴木詩子さんの作品でしょう。

 本当の、家族って? 友だちって? 恋って? そして私だってチヤホヤされたい!!——謎の仕事をする父親とおおざっぱな母親と暮らし、友だち(?)からは“ブー”と呼ばれ、情けない目にあってばっかりの女子高生・桃子。

 宮台真司さんから「底辺同士で連帯するどころか、底辺同士でツブし合うゼロ年代。「〜なんてどうせ消えるさ」という奴から消えていくゼロ年代。酷薄は2ちゃん的状況を活写した「現実自体がコメディ」漫画」というお言葉を頂戴した作品は、男子ばかりでなく、女子社会もやっぱりたいへん、という日常がリアルに描かれています。

B6判192P

 今回、鈴木さん初単行本記念として、イラストつきサインを入れていただいたうえに、自主制作した冊子「ロマンティック☆引かれムード」をタコシェ特典としておつけしています。こちらは、下ネタを盛り込んだ、バンドマンを狙いながら実は適当にあしらわれる桃子ちゃんの悔しいお話! 数に限りがありますのでこの機会をお見逃しなく! 女子だけでなく男子も読んでみてね!