田口史人「レコード寄席覚え書き・夏」 ¥1260
なんとなく耳にする”CDよりレコードがいい”と言う、ノスタルジーをくすぐる言い方からノスタルジーを取り去り、果たしてなぜ、レコードにこだわるのかを、レコードを聴きながらさらに自問する田口店主。
60年代から70年代にかけて、人々はレコードというメディアに様々な音を落とし込んだ。そしてレコードは商店街で、百貨店で、郵便で、駅で、配布され、添付され、または実用品として使用され、時が経ち廃棄された。製品の取扱い説明、企業の設立記念で社歌などを収録したもの、あるいはチラシ代わりにたとえば不動産の購入アドバイスなどを語るなど、ありとあらゆることをレコードやソノシートの溝を刻みつけた…。
そんな溝を隅々まで辿り、時空を超えて音の世界を”ちい散歩”(?)する田口史人。彼をナヴィゲーターに長い螺旋の溝を辿ると、時代とともにレコードとともにあった人々の暮らしまで浮かび上がってきます。
CDRつき。
本は出力したものを丁寧にしっかり手製本しているのですが、帯をはずすとタイトルや著者名が書かれてなくて、だたの本そのもの、といった感じが、かつて大量に配布されたり付録にされたレコードやソノシートのように自己主張控えめ。
150×212 50P
「レコード寄席・春」もまた入荷しましたのであわせてどうぞ。