日別アーカイブ: 2006 年 12 月 14 日

チェコ総合情報誌CUKR【ツックル】がリニューアルしました

CUKR 5 「チェコのお気に入りスポット」¥600
 チェコ好きの女の子がつくった、日本語で読めるチェコ総合情報誌「CUKR」(お砂糖の意味)。女の子のセンスで、チェコアニメやチャペック、シュヴァンクマイエル、スポーツ、切手、語学、旅など楽しいものやかわいいものから生活全般を、決して専門的にならない親しみやすい記事と写真やイラストで紹介して好評の冊子が5号目にしてリニューアルしました。
 誌面が見やすく整理され、インタビューも文字を多くとりかなり深く広く話を構成するようになり、質量がともに充実!

 特集は、チェコのお気に入りスポット。日本よりずっとせまい国土に世界遺産が12もある見所いっぱいのチェコ。チェコ好きやチェコ通に城跡や劇場や教会はもちろん田舎の町並みなどおすすめを挙げてもらっています。
●巻頭カラーは“チェコの幼稚園”。朝6:45分から子供を預かり、おやつと食事時間が決まっている以外は基本的に子供が自由に遊ぶその様子を写真と文で紹介。
●広尾のチェコ大使館にオープンしたチェコセンター
最近までシュヴァンクマイエルの原画展をしていました。これからも要チェックな施設になりそうですよ!
●ミロシュ・フォアマンをはじめ、アニメじゃない映画人もたくさん輩出しているチェコ映画のヤン・フジェベイク監督にロングインタビュー
●「チェコで大人気!? 村上春樹」では村上作品のチェコ語翻訳者トマーシュ・ユルコヴィッチさんにチェコ人にウケるワケを分析してもらう
●「イジーさんに教わったこと」語学の個人教授に教わったトリビアを紹介する連載。今回は「チェコ流パーティ術
●「日本にあるチェコ」では建築家とその作品を紹介。原爆ドームを設計した、チェコ日国際結婚の第一号でもあるヤン・レルツ(ほか聖心女子学院や上智大学、上野精養軒なども手がけている)で、彼の死後のドームの運命はご存知の通り。ほか高崎の群馬音楽センターや東京女子大を設計したアントニーン・レーモンドを紹介。
●「チェコを好きになってしまたある女の子の一例」では、ホームステイから帰国しても、帰国途中に聞いたオストラバという未知の町に行きたくなり再びお金をため語学留学のためチェコに渡るも、財布の盗難に遭うやら、語学力のなさを痛感しても、様々な人に出会い助けられ、ますますチェコを好きになる様子が綴られています。最終回
●「いまのチェコのことを本気で教わってみようと思う」では、日本旅行に来たごチェコ人夫妻の目を通して見た京都。
●「プラハ・アイスホッケー便り」「サッカー好きに語らせてくださいチェコを!」
●「チェコのアイドルを探せ!」
●書評「チェコの本棚」
●「チェコアニメ映画祭2006」
●画家マックスシュヴァヴィンスキーによる蝶蛾切手
●日本にある食材でチェコ料理を作ろう「今日だけチェコ料理」ではチェコのイチゴ入りゆで饅頭的なお菓子
A5判80P(カラー16Pモノクロ64P)

画家のノート「四月と十月」お取り扱いはじめました

「四月と十月」vol.15 ¥525

 劇場やギャラリーに行ったとき、作家自身によるご来場者への挨拶をかねた簡単な作品の背景や近況を語る文章って、本や雑誌のレビューや紹介文と違って、デッサンのように肩肘はらずに物事の輪郭や特徴を浮かびあがらせるもので、親密さを感じますよね。
 「四月と十月」はまさに、そんな画家から鑑賞者への私信のようで、美術の見方に刺激を与えてくれる、アーティストたちの同人誌です。
 その時の画家の思索や近況を綴った文章と、それにシンクロする習作があわせて寄稿されており、創作の過程を垣間みることができます。
 毎年四月と十月の年に二回(この号は十二月になってしまったけど)、タイトル通りに出されています。たくさんの作品の図版が掲載されていますがカラーページはありませんが、完成された作品を紹介するより、作品に関する考えや気持ちを言語化して絵と文の間を行き来することで作品が完成される創作過程を記録する面白さに重点がおかれているためだと思いますので、ぜひ一度手にとってじっくり見てください。
 構成は毎号、画家が最近の関心事や思うことと、それにシンクロした習作を合わせて寄稿する「アトリエから」と、展示や取材の報告や連載から構成されています。
 15号の内容は—
『アトリエから」:
 パソコン検索に慣れてしまい、暗算が得意な人が算盤をはじく仕草をしながら計算するように、みつからないものがあるとコントロールキーとFを押さえる動作が身についてしまったが実際に頭の中で算盤をはじいている前者と何も頭の中で変化してない後者とは違う…という考えから創造力のある指の仕事を形にした宇田敦子さんの文と作品は、鍵と鍵穴のように文と絵がピッタリ合い、作者の意図に頷かされます。
 また、須曽さんは古代人に還ったつもりで数字を考案。
 牧野さんは創刊号に掲載した「アンチラベの郵便局」を描きに、再びマダガスカルの高原を訪問。路上でスケッチしていると現地の人たちが次々に寄ってきて画家を取り囲んでにこにこ口々に感想を述べ、建物に掲げられた国旗に色を入れたとたんに歓声があがる、というなんとものどかな様子を紹介。そのときに描かれた絵を含む三葉のスケッチも掲載されています。
 執筆者—稲村かおり、宇田敦子、大熊健郎、金田実生、川原真由美、久家靖秀、工藤志穂、末藤夕香、鈴木安一郎、須曽明子、瀬沼俊隆、宗誠二郎、田口順二、原陽子、牧野伊三夫
 ほかには—●鈴木伸子「東京風景 都電の走る風景」
●クウネルなどのデザインを手がける有山達也が自身の絵を使って装丁した単行本を語る「装丁の中の絵 アクション派」 
●町の看板などの言葉に注目する新連載で古書店アクス店主上野朱の「モノたちのコトバ 社交嬢求む」
●牧野伊三夫「仕事場訪問 鈴木安一郎と富士山」
●一條美由紀「ドイツ美術学校留学記 愛しのマリアンネ」最終回
●青木隼人「音の巣 朝と音楽」
●蝦名則「美術の本 戦争画の様々(二)」えびな書店店主による美術書の紹介。長野県上田市には、野見山暁治らの尽力で、兵役に招集され戦士した画学生たちの遺作を集めた美術館「無言館」があるが、その周辺の若き画家たちの残した文献を紹介。
●須曽明子「古墳部活動記 諏訪・八ヶ岳を訪ねて」
●言水ヘリオ「画廊の外の展覧会 大城スージグヮー週末美術館」
など。
A4変型 100P
 「四月と十月」のホームページもすてきです! カチカチってスイッチを入れると電飾が点滅したりして。