書籍」カテゴリーアーカイブ

文・蜂飼耳 絵・宇野亜喜良『エルカルゴの夜明け』サイン本入荷しました


 昨年(2006)5月に青山のビリケンギャラリーで行われた、宇野亜喜良さんの個展「肉屋の娘』は、誕生日に贈られた子豚をいとおしみながら、肉屋を父親に持ったがゆえに哀しい運命を辿る少女と子豚のストーリーをイラストと人形で表現した、食とエロスとロリータが交錯するAquiraxワールドでした。
 これにインスピレーションを得た蜂飼耳さんが、今度はエスカルゴたちを育てる少女が、少年とと出会って二人でエスカルゴを食べてしまう…という、愛と食と喪失のお話を作り、今度は宇野さんが絵をつけて、「肉屋の娘」の絵とあわせて一冊にしたのが、この「エスカルゴの夜明け」です。
 昨年末に出た本ですが、宇野さんのサイン本が入りましたので、まだの方はこの機会に。
 それにしても、お肉にして食べてしまうという究極の行為はナタリー・レテ「boucheries(お肉屋さん)』やお肉系オブジェにも通じますが、ロリータや”かわいい”に時として妙にマッチします! 

牛若丸の本 6

ちょっと間があいてしまいましたが、フェアが続いております、牛若丸出版の本の紹介です。
写真・佐々木光/ 文・米澤敬/監修・十河功二「funktion」¥2940

使いこまれた職人さんの道具のようなノコギリやドリルや斧のを間近に捉えた写真の数々。実は
これらはすべて昔の外科手術の道具。かわいい小鳥さんが持ち手がついた12世紀の開頭用斧、彫刻刀セットみたいな眼科の手術セット、自転車の一部みたいな開胸器…。プリミティブな痛そうな手術が目に浮かび身震いしそう。
 千葉県印旛沼にある医科器械資料館収蔵のアンティークな手術道具に医療器専門家の十河功二が手配した20世紀後半の手術道具や豚の眼球!を佐々木光氏が、使い込まれた生々しさを伝えるかのように寄りで撮っています。
 写真ページと米澤敬氏による少年時代のうんこの話をふりだしに子どもが抱く肉体や医術のイメージが綴られたエッセイと医療年表が紙を変えて8ページごとに交互に構成されています。
 表紙は厚さ3ミリもあるボール紙を使用、表面を美しい写真で覆い、紙を折り返して包帯を模したコルスネスという包装紙素材のカバーを開くと、その裏にも外科手術年表が…(右端の画像)。
 カバーから表紙、中身までメディカルアートな一冊です。
145×240 120P
 

牛若丸の本 3

編・松田行正/港千尋・文「アンフラマンス/梱包されたデュシャン」 ¥3780


 2006年末に出た、牛若丸出版の最新刊。
 デュシャンの作品を分解、コラージュし、箱のパッケージデザインとする試み。ミシン目や折線の入ったハサミがなくても切り抜きできる平面図が綴じられていて、組み立てると48の「デュシャン箱」ができます(裏表がありリバーシブルになっているので二冊分で48×2=96種類の箱が作ることができます)。また、港千尋によるデュシャン論や編年史も収録。
構成・造本:松田行正
序文:港千尋
文:松田行正、石田剛
本文デザイン:中村晋平+加藤愛子
翻訳:ヤーン・フォンネル
B5変形函入144P

初版の箱は白。

1ページにひとつの箱の平面図。ミシン目が入っているのでハサミを使わなくても全部同じように切り抜くことができます。折線加工もあるので折り目も曲がりません。不器用でも大丈夫!

デュシャン箱96個を使ったオブジェ。タコシェ店内にフェア中は実物を展示しています。

牛若丸の本 2

伊藤俊治「唐草抄 装飾文様生命誌」 ¥2940

 唐草模様がシルクロードを渡って西洋から日本に伝わったのは歴史の時間にも勉強したコトですが、そんな教科書の一ページにも満たない記述を、実際に残された唐草装飾を辿って書物の中に旅してみると…。
 建物に留まる唐草の彫刻、美術品や工芸品から風呂敷にいたるまで、多数の写真や図版で見る古今東西の唐草が集まった唐草紀行としてもお楽しみいただけます。
 自然と形象の共振…人類の美の記憶を選ぶ文化の遺伝子=唐草、その長い旅の軌跡を多重なイメージと共に鮮明に描き出す文様形態概論。いつも、すてきな装幀の本を作る牛若丸らしく、本は美しい銀の唐草に覆われた函に入っています。
初判の赤(赤に銀の箔押しの唐草模様)バージョンと最新の青(青に金の箔押しの唐草模様)バージョンがあります。
【目次】
世界の唐草
第一章 唐草、その起源の旅
第二章 シルクロードと<生命の樹>
第三章 龍唐草と雲唐草
第四章 空想の花、陶酔の花
日本の唐草
第五章 花喰鳥と鳳凰
第六章 日本の植物、日本の記憶
第七章 日本の自然感情
第八章 日本の技巧
近現代の唐草
第九章 織りこめられ染めあげられる時
第十章 植物曲線と女性
第十一章 西洋と東洋の美の融合
最終章 四次元の唐草、新たな展開
A5判変形函入り 262P

これまで、三種類の函と表紙が出ています。

同じ青でも紙の質感と箔の色が違います。写真ではわかりにくいけどでもちょっと伝わってますよね…。

中は唐草の建築、アート、図版などでいっぱい。

牛若丸出版の本、いろいろ展示・販売します!


 建築雑誌の『10+1』や青土社の『現代思想』といった雑誌から、嶽本野ばらさんの単行本や工作舎の本などを手がけるグラフィックデザイナー松田行正さんが主宰する牛若丸出版の本は、松田さんの興味と趣味を盛り込んで年一回のペースで発行されるオブジェのような本です。
 UF0の図面(実際にUFOの模型を作れる型紙つき)、唐草模様の歴史と変遷、美しい工具(実はぜんぶ外科手術の道具)など、毎回、ちょっとかわったテーマをうんと凝った編集+デザインで見せてくれます。
 少部数ずつ作成して、刷り増すたびに、紙や刷り色が変わったりして変化してゆくのも面白く、タコシェでは、普段からお取り扱いがあるのですが、変わり具合も含めた牛若丸の本の展示と、松田さんのそのほかのお仕事の展示をいたします。
 現行の本はお求めいただくこともできます。