書籍」カテゴリーアーカイブ

早稲 Zao Dao「松風 Song of Sylvan」

早稲 Zao Dao 「松風 Song of Sylvan」(三楽冊店)¥4364+税

中国人アーティスト早稲(Zao Dao)の台湾版画集。

自らを獣あるいはゴーストと称する、山と犬を絵を愛するアーティスト・早稲が2013年~15年に制作した最初のアートブックの台湾版で、山からやって来た若き剣士の冒険譚。
大判のページに、筆を使った独特のタッチで描かれた雄大な自然、躍動感あふれる戦い、えもいえぬ表情がスケールの大きな物語を紡ぎだします。
(後書きなどに繁体中国語のテクストがありますが、本文は絵のみ)

●Zao Dao 早稲
90年、中国広東省生まれる。本名がありきたりで他人と区別がつきにくいので、早稲の収穫期に生まれたことからこの筆名を用いるようになった。
子供の頃から絵を描き、中国の伝統的な様式やモチーフに加え、松本大洋、水木しげる、大友克洋などの漫画、さらにはメビウスのBDなどに影響を受け、独自のスタイルを確立。
主にWeiboで2011年から作品を発表し、多くのフォロワーを獲得。最初の本4000部は半日で完売した。

26.5cm×37.9cm 上製 120pages (三楽冊店編集企画)

Facebookに作家が公開したトレーラーもご参照ください。(BGMつきです)

本作とは直接関係ありませんが…早稲の手描き漫画ノート。2015年9月に彼女のアトリエを訪れた取材者によるもの。

40年分の夢の記録の結晶 田名網敬一「夢の悦楽」

田名網敬一「夢の悦楽」(東京キララ社)¥4800+税

75年から2016年まで40年以上にわたる、田名網敬一の夢の記録を厳選収録した夢日記集。

夜毎まぶたを閉じれば現れる、見たこともない日常と過去の記憶。
さらにそれらが絡まり合い、新たな現実をつくりだす。「夢からの情報が私の制作に強い刺激を与え続けたから」これほどまで長く記録し続けられたという、膨大な記述から多数のイラストと文章で綴る豪華装丁夢日記。

不思議な視点から非日常を眺めたり、異様に具体的だったりリアルかと思えば、ありえないくらいにエロティックだったりグロテスクな夢の数々。作品の源泉に触れるようなイメージの数々に圧倒されます。

【田名網敬一 略歴】 1936年東京生まれ。武蔵野美術大学卒業。1991年より京都造形芸術大学教授。
1960年代からメディアやジャンルの境界を横断して、デザイン、イラストレーションといった商業美術の枠に留まらず、アニメーション、実験映画そして絵画、彫刻作品まで幅広く手掛け、現代の可変的なアーティスト像の先駆者として世界中の若いアーティストたちに大きな影響を与えている。特にアンディ・ウォーホルとの出会いに触発され、現在に至るまで「編集」というデザインの方法論を用いながら、「アートとデザイン」、「アートと商品」、「日常と美の関係」といった今日の現代美術が抱える主用な問題に対して実験的な挑戦を試み続けている。近年の主要な展覧会:個展「No More War」(ベルリン)、個展「KILLER JOE’S (1965-1975)」(スイス)、グループ展「Ausweitung der Kampfzone: Die Sammlung 1968-2000」(ベルリン)、出展「International Pop」(アメリカ・巡回展)

B5判変形上製328pages(カラー40pages・モノクロ288pages)

柳生忠平「モノノケマンダラ」

柳生忠平「モノノケマンダラ」(瀬戸内人)¥1400

八十八か所の霊場をめぐるお遍路信仰がいまものこる霊性の島、小豆島で、そこにつたわる妖怪やカミガミの民俗の蒐集しながら、目に見えない妖怪たちの声に耳を澄まし、”全身これ一本の筆となり”ひたすら妖怪のすがたを描く妖怪画家・柳生忠平。

島の古い民家の天井、取り壊した家屋の戸板など、何かが宿った素材に絵を描くことが多く、不定型の作品が多い作家の作品群を、フォークロアに明るい地元の出版社が24葉のポストカード画集に編集。
怖いだけでない、ユーモラスな異形に、妖怪世界の深さを感じさえられます。

A6判48pages

●柳生忠平(やぎゅう・ちゅうべい)
妖怪画家。1976年、香川県小豆島生まれ。東京、大阪、京都、香川等で個展を開催。
近年はイタリアや台湾でも展示を行うなど、世界中に「妖怪アート」の魅力を伝えている。
巨大妖怪天井が「モノノケマンダラ」など柳生忠平の作品は、香川県小豆島「迷路のまち」のアートギャラリーMeiPAMで鑑賞することができる。

櫛野展正「アウトサイドで生きている」

櫛野展正「アウトサイドで生きている」(タバブックス) ¥1800+税

専門の美術教育を受けず、美術業界のシステムの外で独自の活動を続ける特異なアーティストとその作品に魅了され、アウトサイダーアートのキュレーションを行い、自身も規制の美術業界とは一線を画した活動を行う決意表明としてアウトサイダー・キュレーターを名乗る櫛野展正が18人のアーティストを取材・紹介。

70才すぎて写真とMacをはじめた自撮りおばあちゃん、大量の死んだ甲虫を使って武者人形を作るおじいちゃん、10代からの食べたものを詳細な絵で記録する中年男性、河川敷の草を刈ってキャラを描く路上生活者…外からの情報や評価を気にせず、自らの意志と方法で表現を続ける人々を各地に訪ね、”自らを生きる”ことを問う。

福祉施設での就職を機に、アート活動支援を始め、鞆の津ミュージアムの開館に携わりキュレーターとして活動する中で、障害者だけでないアウトサイダーアート「極限芸術~死刑囚の表現~」「ヤンキー人類学」などを企画するようになった作者だが、ミュージアムが障害者の作品を中心とした場所への原点回帰を打ち出したことで独立し、2016年、アウトサイダー専門ギャラリー・クシノテラスをオープン。福祉と美術の間で模索を続けるキュレーターが
「障害がない」ゆえに既存の福祉制度でとりあげられず、美術界でも評価されない周縁アーティストたちの人生に迫った渾身のドキュメンタリー。

目次————-

はじめに
クイーン・オブ・セルフィー 西本喜美子
妄想キングダム  遠藤文裕
隠密ツーリスト  熊澤直子(忍者ぶきみ丸)
怪獣ガラパゴス天国  八木志基
昆虫メモリアル  稲村米治
ラーテルになりたい  ラーテルさん(あなぐまハチロー)
ドローイングディズ  辻修平
路上の果て  爆弾さん
お水のカラクリ道  城田貞夫
極彩色のラッキーハウス  小林伸一
落書きラビリンス  野村一雄
進化するデコ街道  山名勝己
ヲタの祝祭  武装ラブライバー(トゥッテイ)
記憶を包む極小絵画  大竹徹祐
草むらの親善大使  藤本正人
あの味を忘れない  小林一緒
進化を続ける愛の砦  大沢武史
仮面の奥の孤独 創作仮面館

世界を治癒する者 解説:花房太一
おわりに
———————–

●櫛野展正(くしの・のぶまさ)
日本唯一のアウトサイダー・キュレーター。1976年生まれ。広島県在住。
2000年より知的障害者福祉施設で介護福祉士として働きながら、
広島県福山市鞆の浦にある「鞆の津ミュージアム」 でキュレーターを担当。
2016年4月よりアウトサイダー・アート専門ギャラリー「クシノテラス」オープンのため独立。
社会の周縁で表現を行う人たちに焦点を当て、全国各地の取材を続けている。
クシノテラス http://kushiterra.com

四六判304pages
カラー136ページで、関連作品の図版も多数収録しています。

『ぼくトンちゃん 完全版』(エランド・プレス)発売記念 いましろたかしサイン会

2017年4月29日(土)15:00から約1時間

いましろたかしの名作アクション活劇漫画『ぼくトンちゃん』に44ページの大幅描き下ろしを加えた『ぼくトンちゃん 完全版』(エランド・プレス)発売を記念して、タコシェにてサイン会を行います。

4月26日(水)より発売予定の同作品をタコシェにてお求めのお客様にサインをいたします。
ご購入の際に整理券をお渡しします。番号順にサインを受け付けます。

4月29日(土)午後3時より、約1時間ほどの予定です。
当日参加も可能ですので、今年のゴールデン・ウィークはトンちゃんでスタート!!!

いましろたかし
1960年、高知県生まれ。漫画家。
1986年、「ビジネスジャンプ」で デビュー。諦念と情熱の入り交じった独特の作風で知られ、各界のクリエイ ターにも熱烈なファンが多い。著作多数。代表作に『初期のいましろたかし』 『デメキング』『トコトコ節』『釣れんボーイ』『化け猫あんずちゃん』な ど。2015年には、初の絵本『あそこまで いってみよう』も発表。現在、 「月刊コミックビーム」にて『新 釣れんボーイ』連載中。

『ぼくトンちゃん完全版』
悩みはつきない、されど……生きる!!
97 年から翌 98 年にかけて「Weekly 漫画アクショ ン」にて連載、2002 年にエンターブレインより単行本 化され人気を博したいましろ流アクション漫画の傑作が、大幅描き下ろしを加え、待望の復刻!!

ブタ仙人のもとで修行に励む子熊のトンちゃんと兄弟子・牛山五郎。
ふたりの奮闘の日々は一見、牧歌的に映るも、ときに人生の深淵を覗かせる。
44ページにも及ぶ追加描き下ろしパート「地獄会議の章」では、トンちゃんが、強大な敵を相手に仙界クマとしての潜在能力をついに開花!
行けども尽きぬ苦悩の道。はたしてふたりの修行の行方は――。

A5判176pages 本文2色
¥1450+税