コロナブックス「諸星大二郎の世界」

諸星大二郎の世界

コロナブックス「諸星大二郎の世界」(平凡社)¥¥1600+税

1970年のデビュー以来、半世紀にわたり300以上の作品を生み出してきた漫画家・諸星大二郎のカラーイラスト、原画を下描きの線やネームの切り貼りなどのリタッチなしに収録し、作品を辿りながら読みすすむガイド&研究本。
画業の変遷を追いながら、考古学者や民俗学者、中国文学者、文化人類学者、文芸評論家などスペシャリストたちによる研究序説を付し、作家自身の幼少時代を辿る旅や書斎と蔵書などから作家の深層にアプローチします。

原画ギャラリー、自らのルーツを辿る東京・足立区本木町の旅、書き下ろしエッセイ、書斎と本棚の大解剖(メイン書棚に入った蔵書をすべてリスト化!)、漫画家・山岸凉子との初対談、諸星大二郎に聞く95の質問、人物年表、主要作品解説、全作品データほか。

◆目次

諸星研究序説
古代[評論]松木武彦
民俗[評論]畑中章宏
東洋[評論]福嶋亮大
南方[評論]都留泰作
西洋[評論]東雅夫
日常[評論]東雅夫

諸星少年のいた街で。
[エッセイ]諸星大二郎 本木町を訪ねて

諸星大二郎の本棚 モロホシワールドを生み出す小宇宙へ――。
[対談]山岸凉子×諸星大二郎

諸星大二郎に聞く95の質問
略年譜
諸星大二郎主要作品解説

[選・文]斎藤宣彦

諸星大二郎全335作品初出誌&単行本データ

B5判変型 144pages

諸星大二郎の世界 諸星大二郎の世界

あまみのラブホ探訪 vol.3 インタビュー 終末トラベラー× hotel アイネ

あまみのラブホ探訪 vol.3 インタビュー 終末トラベラー× hotel アイ

あまみのラブホ探訪 vol.3 インタビュー 終末トラベラー× hotel アイネ ¥600+税

終末トラベラーことあまみによる、昭和遺産ラブホテルを記録する同人誌。
法律や条例、経営難、高齢化などの要因が重なり絶滅の瀕するラブホが現存するうちに記録すべく奮闘する筆者が、その活動が縁で、思い入れ深いhotelアイネのオーナーやスタッフへのインタビューが実現。

ホテルの歴史や今昔、日常業務、メンテナンスについて、風営法で敷地外に看板が出せなくなってからの工夫やら、アイネならではの凝った内装について、今後の生き残りを賭けた展開などを伺う。
温泉をひたり、テレビ画面も大きくしたり、カラオケ+照明を充実させたりエンターテイメント要素をふんだんに盛り込むアイネのサービス精神。鏡の間の鏡をいつもピカピカにしておくだけでも、たいへんなのだそう…。

ゴージャスな鏡の間、万華鏡のような室内で回転するベッド、ビーナスが誕生しそうな貝殻を模したお風呂などなど、それぞれ異なる意匠のお部屋の写真もたくさん収録されています。

A5判30pages オールカラー

アパレルレーベルと純喫茶とアートのコラボジン aosansyoの本「純喫茶アパレル」編

aosansyoの本

aosansyoの本「純喫茶アパレル」編(ドグマ出版)¥463+税

2011年にスタートした、衣服や布雑貨のレーベル「aosansyo」は、「生活に新鮮なスパイスを与える」をスローガンに、年2回、テーマを決めてコレクションを発表している。デザイナー自らがプリントするシルクスクリーンをほどこしたアイテムの展開や、毎回の意匠がユニーク。

この冊子は、純喫茶をテーマにしたコレクションを純喫茶の魅力とともに伝えるもの。
箔を使ったシルクスクリーンの特殊印刷のカトラリーが光るシャツやワンピースとそのメイキング、架空の「純喫茶アパレル」のアイテムのイラストをプリントしたTシャツ、パフェやクリームソーダ、トースト、オムライスなど喫茶店メニューのイラストがちりばめられたカーディガンetc.
コースターやロゴハンカチなどのオリジナルグッズや、その制作舞台裏が公開されています。

あけたらしろめのイラスト、香山哲の喫茶店漫画、八画文化会館による旅客機をモデルにした喫茶店ルポから、架空のメニューの図解、川端星仕の青写真、大福書林の瀧亮子による純喫茶のインテリア解説、喫茶店漫画レビュー(山川直人/一杯の珈琲から)などの読み物も収録されています。

アパレル×喫茶×漫画×建築×終末観光etcのミックスとなっています。

A5判52pages

アレクサンダー・ゾグラフ作 ハル吉訳「爆撃地セルビアからの手紙」

アレクサンダー・ゾグラフ「爆撃地セルビアからの手紙」

アレクサンダー・ゾグラフ作 ハル吉訳「爆撃地セルビアからの手紙」(峠の地蔵出版)¥1400+税

かつてバルカン半島にあったユーゴスラビアは90年代に入ると、スロベニア、マケドニア、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナ…と、各地域が紛争を経て次々に独立。そこからあぶれたセルビア人がコソボに移住したことから、アルバニア住民の反発を招き、98年に、過激派のコソボ解放軍とユーゴスラビアおよびセルビア軍が対立し、コソボの自治回復を支援するNATOの介入を招き、セルビアは空爆にさらされた。

本作は、1999年のNATOによるセルビア空爆中に、漫画家ゾグラフが、友人の漫画家クリス・ウェア(『ジミー・コリガン』が有名)に、当事者としての週刊漫画を描いてはどうかと勧められ、爆撃のさなかに海外の雑誌やウェブサイトに掲載された1ページ完結漫画集。

爆撃の危険の中、限られた情報の中で、漫画家は事態を冷静に見詰める一方で、「僕はただ漫画を描きたいだけなんだ。悪夢から目覚めさせてくれ」と訴えたり、アイロニーたっぷりに爆弾の種類を描き分けたり、停電中に自分の内なる声に耳を傾けたり、はたまた友人のロバート・クラムが夢に出てきたり…。

爆撃への恐怖と不安はたまた、紛争に対する無力感だけでなく、創作や漫画への想い、日々の暮らし、などが、プロパガンダや圧力の下にもかかわらず驚くほど冷静かつリアルに描かれた、著者の代表作で、何カ国語にも翻訳されたもの。特徴的なタッチも、読みすすむにつれて、クセになってきます。

今回、本書の訳者で発行人のハル吉が、国際的に活躍するセルビアを代表する漫画家のひとりであるゾグラフにダメもと?で出版の企画を申し込んだところ快諾され、原書にはない、セルビア地図や脚注、インタビューも付して出版の運びとなった。
巻末インタビューでは、自作のみならず、セルビアの漫画シーンについても言及しています。

A5判120pages

爆撃地セルビアからの手紙

稀見理都「エロマンガノゲンバ」

稀見理都「エロマンガノゲンバ」

稀見理都「エロマンガノゲンバ」(三才ブックス)¥1750+税

エロ漫画家や出版社などへの取材を通し、エロ漫画業界を切り開く同名の人気同人誌の書籍化。
2014年の冬コミで絶賛された伝説の同人誌に、駕籠真太郎、早見純、有馬○太郎、甘詰留太のインタビュー4本を新たに加え、28人のマンガ家と1人のハガキ職人から各々が歩んだ“血と汗と涙と汁のエロマンガ道”をと取材。
早見純先生の謎のミステリアスな私生活も語られています。

【カバーイラスト】森山塔
【口絵イラスト】陽気婢
【特別収録】甘詰留太描き下ろしマンガ『いちきゅーきゅーぺけ外伝 甘詰留太1974年生まれの場合』
エロマンガノゲンバ史年表
エロマンガ雑誌カタログ

【インタビューイ】
森山塔(山本直樹)
海野やよい
ねぐら☆なお/河本ひろし
亜麻木硅
しのざき嶺/ちゃたろー
ダーティ・松本
千之ナイフ
風船クラブ
伊駒一平
うたたねひろゆき
田沼雄一郎
陽気婢/魔訶不思議/ぢたま某
魔北葵
猫島礼
がぁさん
江川広実
山咲梅太郎
田中ユタカ
島本晴海。
松山せいじ
駕籠真太郎 (★)
早見純(★)
有馬○太郎(★)
三峯徹
甘詰留太(★)

解説:永山薫

★は新規インタビュー

A5判340pages