石川次郎 Jirô ISHIKAWA「C’est comme ça」

石川次郎 Jirô ISHIKAWA「C’est comme ça」(Editions Matiere) ¥2130+税

2017年5月、横山裕一をはじめグラフックなコミックを発行するフランスのEditions Matiereから出た作品集。2009年にタコシェで発行した「GIRO」に次ぐ作品集で、新作「東京の夜」を含む9短編を収録。

仏訳は、夢野久作や内田百閒などの文学作品から児童文学、コミックまで手がけるパトリック・オノレ。

収録作品
PAPER ROOM
プリティ・ラブ
ふつう(NORMAL)
パール(PERLE)
誇大えすい〜X(SeXXXL)
チンコマン (L’HOMME-BITE)
乞食志願(UN FUTUR CLODO)
東京の夜(NUIT DE TOKYO)
なにしにきたんだっけ(QU’EST-CE QUD JE FOUS LA?)
●作家インタビュー

手描きとは思えない美しい描線の石川次郎作品のタッチを忠実に再現しながら、擬音などの描き文字も、シーンにあわせて作家の描き文字に沿わせてフランス語をルビ的に配置したり、別途、文字を作ってあてはめたりと、丁寧な作業でグラフィック美と原作の持ち味を最大限に発揮しています。

表紙もモノクロ画を独自に彩色、蛍光ピンクと金の描線が美しく、見返しも蛍光ピンクと金です。

15×21cm 168pages

金原みわ「日本昭和珍スポット大全」

金原みわ「日本昭和珍スポット大全」(辰巳出版)¥1500+税

さいはて紀行」(シカク出版)で、珍スポットとそこに息づく人々を暖かく描いた金原みわのが、昭和に誕生した珍しい場所を巡ったガイドブック。

全国各地の遊園地、博物館、温泉、旅館、遊戯施設、各種商店、飲食店、映画館、雑居ビル、歓楽街など、種々雑多なスポットを巡り、かろうじて昭和の終わりに生まれた平成育ちの筆者が『懐かしさ』を覚えるのでなく、はじめて見つけたような「斬新」さを感じる”物件をレポート。

panpanyaの「足摺水族館」のモデルになった足摺海底館、UFO遭遇体験をメニュー化した食堂、地盤沈下で傾く店に主人も客も体を適合させて持ちこたえている蕎麦店、96才の看板娘のいる競技場etc, スポットを紹介しながら、著者ならではの視点でそこに寄せる人々の想いにも心を寄せています。

懐かし自販機ハンター魚谷裕介との対談も収録。

A5判128pages

関根美有「AMATOU 甘党」

関根美有「AMATOU 甘党」¥300+税

ともに家族そろって甘いもの好きの家庭の娘、A子とQ子。
「甘党」であることを売り明けたときから二人の友情の絆結ばれ、年月とともに、恋愛、結婚、家庭…などを経て、酸いも甘いも噛み分けながら、スウィート人生をあゆむ二人。

そのときどきに、二人が語る甘いもの話の「甘党」という言葉を、様々なキーワードに置き換えれば、何通りにも人生が味わえる、甘く不思議なコミック。

A5判26pages

台湾のアーティスト 軟少女 リソグラフzine「7:00 AM」

軟少女「7:00 AM」¥1056+税

台湾のアーティスト軟少女のリソグラフZINE『7:00 AM』。

4月のある朝、ふと見た兄の寝姿に興味を持ち、毎朝7時にスケッチすることに。
続けていくうちに兄の寝姿そのものよりも
彼が作り出す布のしわの多様性に惹かれるようになったそう。

11.7cm×17cm 32pages  中綴じ 2色印刷

SPECTATOR スペクテイター39号 パンクマガジン『Jamの時代

SPECTATOR スペクテイター39号 パンクマガジン『Jamの時代』(エディトリアル・デパートメント発行)¥1000+税

1979年 3月から約1年に渡って毎月刊行されていた、自動販売機でしか買うことのできなかったパンク雑誌『Jam』。
ポルノ雑誌の様相を呈しつつも、プロレス、神秘主義、フリーミュージックなどアナーキーで濃厚な記事が掲載され、「伝説のサブカル雑誌」として現在も一部のファンから熱狂的に支持される、この過去に類を見ない過激な雑誌は、なぜ、どのようにして生まれたのか? サブカル雑誌の誕生神話に迫ります。

人気の絶頂の山口百恵の自宅から出たゴミを漁り、誌上公開して世間の顰蹙を買ったり、ガロでデビューしたものの、生活に困って長崎に帰ろうとした蛭子能収に原稿依頼をして偉大な才能をサポートしたり、ポルノというより独自のフェティシムズムを表現したエロをところどころ折り込みだり、大麻特集したり…、と雑誌でパンクを実践したJamの関係者たちへのインタビューや、その大胆さが今も伝わるページの再録などで構成された特集。

■インタビュー:『Jam』はどんな雑誌だったか?
◇「突き抜けた世界を追求したくて『Jam』を創刊した」
八木眞一郎(元・『X-Magazine』『Jam』編集者)
◇「面白いかどうかが一番大事ですよ。素人なんだから」
高杉弾 (元・『X-Magazine』『Jam』『HEAVEN』編集長)
◇「真之助に「好きなことをしてほしい」と思ってました」
村田惠子(同時通訳者)
◇「『Jam』も『HEAVEN』も「高杉弾の個人誌」だと思います」
近藤十四郎(グラフィックデザイナー)
◇「自動販売機でしか売らない雑誌! なんて面白いんだろう! !」
羽良多平吉(書容設計家)

■寄稿『Jam』について考えた
◇自販機本は僕らの学校だった/文・神崎夢現
◇『Jam』『HEAVEN』編集部の時代/文・金田トメ善裕
◇出版史における自販機雑誌と『Jam』/文・小田光雄
◇WHO’S WHO 人命事典 第3回/文・山崎春美

■『Jam』~『HEAVEN』誕生物語/漫画・伊藤桂司
■なぜなに学習塾 自販機本『Jam』ってなあに?/答える人・ばるぼら
■『Jam』創刊号を完読してみる/文・ばるぼら
■『Jam』面白記事よりぬき/構成・編集部
■再録『Jam』
■総目次『X-Magazine』~『Jam』~『HEAVEN』
■その他のコンテンツ
・連載:北山耕平「雲のごとくリアルに 飛雲編3」(暫定版)

B5判224pages