北村小松「空飛ぶ円盤のあけぼの -北村小松UFO随想集-」「燃える空飛ぶ円盤 -北村小松UFO小説集-」

昭和30年に日本で最初にUFOブームが起きたとき文化人代表として必ず名前が挙がっていた大衆作家・北村小松(1901-1964)の、空飛ぶ円盤文献にフォーカスした研究を行なってきたJESFTV日本初期SF映像顕彰会が北村のUFO随想集と小説集を出しました。

空飛ぶ円盤のあけぼの

北村小松「空飛の円盤のあけぼの-北村小松UFO随想集」(JESFTV新書)¥1429+税

SF界の巨匠・小松左京が子供の頃に読み、作家を志すきっかけになったという戦前の科学小説「火」——その作者・北村小松は今日では〝昭和三十年に起きた「空飛ぶ円盤」ブームにおいて著名人有志が参加した「空飛ぶ円盤研究会」創立メンバーの一人〟という逸話のみで語られる事が多い。「火」を含む北村のほとんど全ての作品が再読困難となっており、彼の名を〝空飛ぶ円盤の専門家〟として世間に知らしめていたはずのUFOに関する著述も同様で、今では、北村がUFOをどのように考えていたのかも知る事が難しい。

本書は昭和二八年からの十年間に北村が発表したUFOに関するエッセイを通して、そのUFO観を俯瞰しようというもの。

【内 容】
1 空飛ぶ円盤 (「実話雑誌」昭和28年5月号)
2 科学小説の面白さ (「宝石」昭和30年2月号)
3 遊星よりの使者 —科学が進むほど不思議はふえる— (「オール読物」昭和30年6月号)
4 空とぶ円盤 (「小学五年生」昭和30年8月号)
5 怪物か生物か (「お伽読本 第一集」昭和30年11月発行)
6 新説・カッパは宇宙人なり (「毎日グラフ」昭和31年7月1日号)
7 「時間」からやって来る宇宙船 (「中学生の友」昭和31年9月号)
8 UFOに乗ったという四人 (「宝石」昭和32年9月号)
9 人工衛星の謎 (「オール読物」昭和32年10月号)
10 第三惑星騒然す 円盤と衛星の対決 (「特集文藝春秋」昭和32年11月発行)
11 空とぶ円ばんのなぞ (「中学時代一年生」昭和33年5月号)
12 円盤通信について 「私は宇宙人を見た?」読後感 (「オール読物」昭和33年6月号)
13 UFOというもの —私はこう考える— (「バンビ・ブック 空飛ぶ円盤なんでも号」昭和33年9月発行)
14 宇宙人は地球をねらっている (「中学時代一年生」昭和33年12月号)
15 空飛ぶえんばんは、ほんとうにあるだろうか。 (「たのしい五年生」昭和34年9月号)
16 不確かな人間の存在 (「大法輪」昭和35年11月号)
17 地球に教訓する奇怪な宇宙人 (「人物往来歴史読本」昭和36年4月号)
18 一九六二年二月四日 (「宝石」昭和37年3月号)
解説

新書判226pages

燃える空飛ぶ円盤

北村小松「燃える空飛ぶ円盤-北村小松UFO小説集-」(JESFTV新書)¥1429+税

昭和30年の「空飛ぶ円盤」ブームは三年ほどで終息し、以後はオカルト扱いとなり、創作における「空飛ぶ円盤」も現代SFの薫陶を受けずに育ったアウトロー的な存在に。
しかし現代SF以前の〝空想小説〟全盛期には、荒唐無稽かリアルかに関わらず、ありとあらゆるIFが大衆の読書欲を満たすための食材となっていた。無論「空飛ぶ円盤」も例外ではない。自然現象か人為か、機械か生物か? 乗員は地球人か宇宙人か、そしてその目的は?
本書は〝第一次空飛ぶ円盤ブーム〟火付け役の一人と言われている大衆作家北村小松が当時発表したUFO小説を通して、プレSF時代の「空飛ぶ円盤」像を探りながら、活字無双の極致〝空想小説〟を愉しもうという趣旨のものです。

【内 容】
1 空とぶ円ばん (「小学三年生」昭和25年4月号〜昭和26年3月号)
2 円盤に注意されたし (「お伽読本 第二集」昭和30年12月号)
3 天空の魔境 (「毎日新聞(夕刊)」昭和31年9月5日号〜12月14日号)
4 少年のひみつ (「中学時代一年生」昭和31年11月創刊号〜12月号)
5 年齢四十億年 (「別冊週刊サンケイ」昭和31年12月25日号)
6 23太陽系13番惑星 (「週刊読売臨時増刊」昭和32年6月5日号)
7 燃える金星 (「こども家の光」昭和36年5月号)
解題

新書判258pages