Berlin! Berlin!! Berlin!!! (2)

berlin photo guide

Berlin photo guideの冒頭で、著者の成田圭祐さんは、書いている。

「再開発が急速に進むベルリンでは、ショッピング・モールや無表情なビルが、街の空き地や隙間を着々と埋めつつある。観光ガイド本に従って歩くベルリンはますます退屈になったが、そのような街の表面の下や裏では相変わらず、「もうひとつのベルリン」が息づいている。

「もうひとつのベルリン」と言ってもそこは、様々な層が折り重なっているから、そこに足を踏み入れた人の関心や趣向にしたがって、無数に枝分かれしていくし、いつの間にかベルリンからはみ出して広がっていきもする。だから、このジンで紹介できているのは、僕の関心に沿った、「もうひとつのベルリン」のほんの一部に過ぎない、というのは、当たり前のことだけど大事なことなので、いちおう念のため書いておく。

実際にこのジンを携えてベルリンに行く人がいたらうれしいし、このジンによって、少しでも「ベルリン」が、あなたの中で魅力的に響くようになったら、それもまたうれしい。」

肝心のジンを携えるのは忘れてしまったのだけど、ベルリンの街を歩くと、いまも建物の全面を使った壁画を見ることができるし、激しく重ねばりしたポスターたちにインターネット時代といえ紙と印刷の威力を感じたり、あやしい雰囲気にひかれて迷い込んでみるとヒッピー村みたいなスクウォットみたいなスペースにも入るこめる…。

この街で、シルクスクリーンを使っての出版活動をしているイタリア人フランチェスコさんによると、「市の管理でスクウォットも減ったし、アーティストたちが入りこんでた場所の中には公的アートスペースになった所もあって、様変わりした」のだそう。

市内には素人レベルからプロまで様々なレベルのアート活動を支える公的施設があったり、倉庫やかつてのプールなどのスペースを使った版画制作のデモンストレーションや展示イベントも行われて表現活動が行われている模様。(くわしくは次回)

berlin photo guide

Berlin Photo Guideは、自主管理のカフェ・バーやスペース、スクウォット、グラフィティおよびストリート・アートなどを写した24枚の写真を糸口にしながら、観光ガイド本には載らないベルリンのオルタナティブなスポットや情報を紹介していくジン。

成田圭祐/遊動社/A判モノクロ28P