季報「唯物論研究」104号 アニメ批評のエクソダス ¥1200
ふだんはイデオロギーとかマルクスを論じている学術的な研究誌『唯物論研究』が、この号ではうってかわって「アニメ批評」にスポットをあてます。
「アニメ批評そのもの」を問う、来るべきアニメ批評への助走となる特集。
「エヴァ以後」を参照枠として、この十年のアニメ言説を捉えるため、アニメーション演出家の山本寛と現代娯楽文化評論家の更科修一郎を迎え、これまでのアニメ言説について検討を行うと同時に、文化研究の清水知子や作編曲家の高山博らを招き、新しいアニメ批評を試みる。
【特集目次】
・アニメ批評のエクソダスに向けて
・アニメ批評家はまだ生まれていない――山本寛インタビュー
・ぼくとセカイのはじまるところ/大久保ゆう
・アニメ批評宣言に向けて――時間の縮減の弁証法について/倉橋克禎
・トランス・ジャンル・クリティークに向けて/塩沢由典
・ナチュラリストと〈漫画映画〉の時代――動物をめぐるトランスナショナルな想像力/清水知子
・消費環境整備としての批評――ジャンルの最適化を抑止する批評の不可能性/更科修一郎
・僕と君と美しきセカイ――アニメ主題歌批評試論/高山博
・現代社会を反映するアニメ――“00”年代に求められる《自己変革−教育》/山本貴之
・レポート:CGアニメーションの現状と将来の可能性/沖本真也
・萌えないゴミと萌えるゴミ――二〇〇七年のアニメ周辺を振り返る/十河にえ
・巻末:まっすぐな語りはどこにあるのか――アニメ批評地図
A5判240P