奇数号は豆本ムーブメントを田中栞さん編集、偶数号は装丁家の大貫伸樹さん編集といいう体制で年2回発行のジン。大貫伸樹氏編集・デザイン号は、本好きたちが、書物に溺れながら発見したことを饒舌に披露しあっています。今回は、初版が重視されがちな書物の世界で敢えて二刷の魅力を探る二刷楽会なる同好会?が、滅多に増刷されない詩集では二刷の方が貴重などと、視点を変えた持論を展開したり、昭和初期の本で発禁を避けるために使用された伏字用記号×××、□□□を使った表現から現在の伏字に相当するものを考えるなど、本の味わい方があれこれ語られています。
コンテンツは—–
田坂憲二「立原道造新収書簡と立原道造記念館のこと」
縄田雄二「マルセル・バイアーの小説『密偵』初版本のカバー」
中村惠身一「落合に交錯した二人の女流作家とふたりのみどり」
二刷楽会 坂口博「詩集は二刷が面白い(上)」
龍秀美「幻の詩集ーー一丸章『天鼓』」
鳥羽耕史「二十一世紀のガリ版刷り『原爆詩集』」
喜夛孝臣「伏字周囲」
大貫伸樹「齋藤昌三が装丁する奇抜な素材を用いた美しい本 その2」
A5判64P
なお、この号から本の手帳は大貫編集号のみとなり、年1回の発行にかわります。