であ・しゅとぅるむ

であ・しゅとぅるむ

であ・しゅとぅるむ(であ、しゅとぅるむ編集室) ¥1000

楳図かずおをテーマにアートクラスタたちが創作した漫画、小説、評論をまとめた冊子。100年前に表現主義を主導したヘルヴァルト・ヴァルデンによって創刊された美術誌「DER STRUM」が美術をリセットし新たな表現の可能性を探ったことに倣い、「であ・しゅとぅるむ」と題し、アートメディアとは一線を画したアプローチを試みています。

執筆者は、【マンガ】坂本夏子、遠藤俊治、宮田篤、荒木涼子、梅津庸一 【小説】伊藤亜紗 【評論】石岡良治

漫画は、楳図作品をリアルタイムで体験していない若い作家たちによるもので、楳図作品をベースにしたものから、一見、全く共通性のないものまで様々。また、文学・パフォーマンスのジャンルで評論を展開している伊藤亜紗が初の小説を発表し、2010年1月18日に東京芸術大学における石岡良治によるレクチャー(40000万字超評論)を収録。マンガ学、マンガ論をおさらいしつつ、資料をあたりながらのレクチャーをそのまま書き起こしているので、言葉は平易ですが、対応資料が本誌の図版だけではちょっと不足しがち。お手元の楳図本をひもときながらじっくり読んでみるのもよいかも。
A5判96P