大竹昭子 短文集「室内室外 しつないしつがい」

大竹昭子 短文集「室内室外 しつないしつがい」

随筆・小説・書評・写真論などで活動する大竹昭子が、都内の4つの書店を会場に開催するトークと朗読のイベント〈カタリココ〉の内容を収録した「カタリココ文庫」から、今度は散文シリーズをスタートさせました。

第1号は大竹昭子短文集『室内室外 しつないしつがい』。
雑誌『PAPERSKY』に2010年〜15年にかけて連載していたものから、12篇を厳選し、再構成しています。表紙と装画は工藤夏海。

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大竹昭子は、自作の間取りから物語をつむいだ『間取りと妄想』の著作で知られるように、空間への関心が高く、室内と室外のちがいを幼少のころから意識してきたと言います。

「室内」とは具体的な空間を指すのみならず、想像や妄想を生み出し、記憶の貯蔵庫をも象徴する存在であり、対する「室外」は体の外にあって自己の内側に絶えず働きかけてくる外界のことです。

 12の短編は身近なエピソードからはじまりますが、どれも小さな謎が埋め込まれていて、ミステリーのような味わいがあります。また、小説かエッセイかという枠組みを超えて別の時空間へと飛躍する手法は、彼女の代表作『図鑑少年』の延長上にあり読者を架空の「室内」へと誘うでしょう。

生命エネルギーは「室内」と「室外」の往還により支えられているという認識は、彼女のすべての著作に通底します。外出自粛令が出で、だれもがそのことを意識せざるを得ない2020年のいま、本書のテーマはより多くの読者にシンパシーをもって受けとめられるものと思います。

編集・大林えり子(ポポタム)
装幀・横山雄+大橋悠治
ロゴデザイン・宮地美華子(古書ほうろう)

文庫80pages